VRはテレビに比べ、1日の体験人数は少ない。けれど、360°映像と音の組み合わせで体験者1人1人に没入感を与え、強烈なインパクトを残します。今回は、VRコンテンツの閲覧数を上げるための効果的なメディアへの展開方法を紹介します。
VRコンテンツをさまざまなメディアに展開するにあたって、もっとも手軽なのはYouTube。まずはYouTubeから始めるのがおすすめです。
YouTubeは2015年3月からVR動画に対応済み。通常の動画と同じようにアップロードすれば自動的にデータが変換され、VRゴーグルがなくても単眼モードで閲覧できます。もちろんストリーミング用のサーバー費用もかかりません。
江崎グリコは商業施設のイベントで公開したVRコンテンツをYouTubeで配信し、これまで30万回以上の再生回数を記録しています。
出典:Honda 本田技研工業(株)【360度動画で鈴鹿をドライブ!】
YouTubeと合わせて視野に入れておきたいのが、FacebookをはじめとするSNSへの展開です。Facebookの場合、2015年9月から360°動画に対応しており、投稿画面の詳細設定から「360°フォーマット」にチェックを付ければVRコンテンツとして登録できます。
自社アカウントに投稿すればフォロワー数アップが期待できるうえ、FacebookやInstagramは広告掲載料が比較的安いのも魅力。動画広告として配信すれば低コストで閲覧数を増やせます。
先に紹介した事例は、ホンダのFacebookアカウントに投稿された、レーシングドライバー佐藤琢磨選手のVR動画。スマホ越しでもレースさながらの臨場感が伝わってきますよね。
YouTubeやFacebookでVRコンテンツを配信したら、次は自社のWebサイト。既存の取引先を含めてより多くの人にVRコンテンツを届けましょう。
Webサイトに掲載するのは、VRコンテンツそのものでももちろんOKなのですが、制作風景のメイキング映像も効果的。YouTubeやSNSとの回遊性が高まり、相乗効果が期待できます。
自社でオウンドメディアを運営している場合は、企業の取り組みの一環としてブログや記事とあわせて紹介するのもおすすめです。
NHKは2016年に「NHK VR」というWebサイトを起ち上げ、世界情勢や時事問題を360°映像で体感できるコンテンツを無料公開しています。
まだそれほど一般的ではないものの、VRコンテンツは営業ツールとしても優れた効果を発揮します。たとえば三菱地所グループの事例のように、不動産物件を紹介する360°コンテンツなら、紙のパンフレットと比べてより直感的に魅力を届けられます。
また、商品やサービスに直接的に触れるコンテンツでない場合でも、企業の取り組みの1つとして紹介することで、「この会社、こんなこともやっているんだ!」とブランド理解の一助になるでしょう。
得意先や訪問先でVRコンテンツを見てもらうためには、コストの面でも安価な簡易型VRゴーグル(Google Cardboardなど)を利用するのがおすすめです。
簡易型VRゴーグルは数百円程度で購入できるものもあるので、VRコンテンツを体験してもらった後はノベルティとしてプレゼントするのもいいかもしれません。
「VR=専用ゴーグルが必要」というイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、YouTubeをはじめさまざまなメディアが360°動画に対応したいま、VRコンテンツも通常の動画と同じように複数のメディアを横断して展開できます。
以前にご紹介した書籍『VR for BUSINESS 売り方、人の育て方、伝え方の常識が変わる』(アマナVRチーム著/インプレス刊)でも、VRコンテンツの展開について記述していますので、合わせて参考にしてください。
制作済みのVRコンテンツをお持ちの方はもちろん、「制作したいけど上司を説得するのに悩んでいる……」という方も、今回ご紹介した内容を役立てていただければと思います。
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