9月27日は「世界観光の日」。全世界で観光に対する意識を高めるために、世界観光機関によって1981年に制定された記念日です。
2020年を控えた今、日本にとっても観光は重要な産業のひとつ。日本政府は2020年に2015年の2倍以上となる4000万人の外国人観光客の獲得を目指すと発表しています。
インバウンド対応が過熱するなか、国も文化も異なる外国人観光客の心を動かすためにはどうすればいいのでしょうか? 今回は「ビジュアル」の観点から効果的な訴求方法をご紹介します。
インバウンド需要獲得に向けたWebサイトなどに使う写真を選ぶ場合、まずおすすめしたいのが外国人フォトグラファーの作品です。日本を訪れる旅行者に近い、外国人ならではの視点で撮影された観光スポットのビジュアルなら、より自然な共感を得やすいのではないでしょうか。
次に、少し視点を変えて……夜の繁華街や東京の下町エリアといったディープな日本を見せる、という選択肢も。ネットやSNSで格段に情報が手に入りやすくなった今、観光庁のリサーチでも下記図のとおり、外国人観光客が出発前に参考にするもののトップは「個人のブログ」。他にも様々な媒体から情報を集めており、これまでなかなか海外に紹介されてこなかった場所にも興味を持ってもらえる可能性が広がっています。
参照:国土交通省/観光庁 訪日外国人消費動向調査「平成27年の年間値の推計(暦年)」報告書(第3編)
富士山や和食、伝統工芸といった定番イメージに差をつけるアプローチとして、思い切って取り入れてみるのもいいのではないでしょうか。
外国人観光客の日本に対するニーズは今後、「モノ」(買い物・グルメ)から、「コト」(体験)へのシフトが一段と進むと言われていますが、興味・関心の対象は国や地域によっても異なり、一概には言えない、というのが現状です。
参照:国土交通省/観光庁 訪日外国人消費動向調査「平成27年の年間値の推計(暦年)」報告書(第3編)
外国人観光客の心を動かすためには、これら違いを意識し、ビジュアルを使い分けることも大切です。
アジア圏からの観光客は、総じて日本での滞在期間が短め(3日〜9日程度)というデータがあります。日本の歴史・伝統文化体験に興味のある人欧米に比べ少なく、東アジア圏では半分以下の割合になることも。一方「ショッピング」や「日本食を食べること」への興味・関心は高いので、そのようなイメージ訴求が効果的と言えます。
一概には言えませんが、限られた滞在日数のなかで効率良くメジャーな観光地を巡り、残りはじっくりショッピングや買い物を楽しむというスタンスが主流なのかもしれません。
またショッピングでは化粧品や香水、衣料品、医薬品系の人気が高いようなので、定番の和食イメージにそうしたイメージを織り交ぜるのも良さそうですね。
ちなみに余談ですが、外国に行った時、ふとその国の日本食レストランに入ってみたくなることはありませんか? 自国の料理がどんな風に受け入れられているかちょっと気になりますし、やはり食べ慣れた料理を食べたくなる時もありますよね。
日本にはコリアタウンや中華街があります。特に自国の文化を重んじる中国や韓国からの観光客へ向けては、そうした場所のビジュアル訴求も面白いかもしれません。
一方欧米からの観光客は、総じて滞在期間が長く(10日以上)、「日本の歴史・伝統文化体験」や「日本の日常生活体験」への興味・関心が高いのが特徴です。買い物も日本の工芸品や和服の購入率が高く、美術館や博物館を訪れる人も多いようで、日本の歴史や伝統文化を、時間をかけてゆっくり楽しむスタイルなのでしょう。
「文化」という意味で、日本の風景や和食の写真などももちろんいいのですが、禅や茶道といった、より「体験」を想起させるイメージを用いるとさらに効果的かもしれません。
また、日本をより身近に感じてもらうために、外国人モデルの写真を使うのも良いのではないでしょうか。何気ない観光シーンやリラックスした食事風景は、来日後の体験をイメージしやすく、日本への期待感もアップするでしょう。
ダイレクトに雰囲気を届けるためには、日本らしさを切り取った動画も効果的です。3分程度の短め動画なら場所・時間を選ばず、スマートフォンで手軽に視聴可!
さらに、楽曲と効果音を組み合わせると興味を引きやすくなります。
@amanaimages inc./ニッポンの力
また、言葉の壁を解消するために、ナレーションを利用するのもいいかもしれません。Web上で手軽に制作&ダウンロードできるナレーションサービスがあるので、チェックしてみましょう。
最近のサービスは進化していて、日本語だけでなく、英語や中国語と言った複数言語をカバーしているものや、感情表現も細かく調整し、リアルなナレーションに近付けられるものもあります。展示会はもちろん、店内アナウンス、メニューなど広く活用可能です。
楽曲やナレーションを組み合わせた動画はインバウンド需要獲得だけでなく、訪日した外国人観光客をサポートする「おもてなし」ツールとしても利用できます。2020年に向けてぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
ライバル他社と競いながらインバウンド需要に応えていくためには、的確なイメージ訴求が欠かせません。商品やサービスだけでなく、ビジュアル選びにも外国人観光客それぞれのニーズに合わせた「おもてなし」が求められていると言えるかもしれませんね。今回ご紹介した3つの視点をぜひ参考にしてみてください!
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