突然ですが、ここに実に興味深いデータがあります。
■ 企業グループA:155
■ 企業グループB:170
■ 企業グループC:201
これは、投資信託会社レオス・キャピタルワークスが、企業の株価データの推移を「ある基準」によってグループ分けしたものです。対象は時価総額が上位の企業200社。数値は2008年10月末のリーマンショック直後の株価を起点(100)としています。
リーマンショック後、2013年10月末までの5年間でいずれのグループも株価が上がっていますが、最も低いグループAと最も高く推移したグループCとでは、なんと約50ポイントの開きがありますね。いったい何がこのグループに差を生んだのでしょうか・・!?
このグループ分けを行った「ある基準」とは、「Webサイトに社長や役員の顔写真を掲載しているかどうか」だったんです。掲載の状況は以下の通りです。(2013年1月末時点)
■ 企業グループA:
いずれの顔写真も掲載なし
■ 企業グループB:
社長の顔写真のみ掲載
■ 企業グループC:
社長と役員の顔写真の両方を掲載
ニュースでも「企業の透明性」や「顔が見える経営」といった言葉をよく耳にしますが、やはり経営陣の「顔が見える」会社ほど業績が安定し、株価も高く推移する傾向があるようです!
たしかに、多くの企業のWebサイトに見られる「経営理念」や「トップメッセージ」も、社長の顔写真があるかないかで印象が大きく変わってきますよね。
どんなに素晴らしい言葉でも、話者が見えなければ温度感が伝わらず、強いメッセージにはなりません。その会社を知るうえで、「どんな人が経営しているか」視覚化されているのは非常に大切なポイントです。B to Bの関係でも相手のトップの顔が見える方が、安心して取引ができると思います。
古くから続く老舗の主人は必ず客の前に顔を見せるといいますし、サービスの行き届いたレストランほどシェフがホールに顔を出すことが多いのではないでしょうか。Webサイトが重要な情報発信の手段になった今、企業のWebサイトにも同じことが言えるのかもしれませんね。
企業として信頼を得るために、Webサイトへの社長の顔写真掲載は欠かせない要素です。ただ、上記の結果からも分かるように、それだけでは充分ではありません。グループBとグループCでは、30ポイント以上の差がありますよね。
企業のトップである社長に対して、実際に会社を動かしているのは、各部門を統率する役員です。株主総会でも具体的な事業戦略や施策のプレゼンは役員が担当することが多く、株主をはじめとしたステークスホルダーにとっては、ある意味で社長以上に身近な存在かもしれません。
企業のブランドをより確かなものにし、信頼感・安心感を高めるためには、社長の写真とあわせて役員の写真を掲載するのがオススメです。
一方、社長・役員の顔写真を公開することにデメリットはあるのでしょうか。
「顔が割れる」こと? 実際、過去に不祥事を起こした会社のWebサイトは、社長・役員の顔写真を載せないケースも多いようです。後ろめたさもあるでしょうし、顔を明かすことに対するさまざまな懸念もあるのかもしれません。
でも、そうした心配のない企業であれば、顔写真の掲載にほとんどデメリットはないでしょう。逆に顔写真を公開していないことが「顔を出せない理由があるのでは‥?」といった憶測を呼び、場合によっては悪い噂やデマの拡散につながる可能性もあります。高い予算をかけて立派なWebサイトを作ったとしても、クオリティが高いほど顔写真が掲載されていないことでかえって不信感が募り、「怪しい‥」という印象を与えてしまうこともあるかもしれません。
現代では多くの場合、「開示するリスク」より「開示しないリスク」の方が大きくなります。もしあなたの会社のWebサイトに社長・役員の写真を載せていないとしたら、それは思いもよらないほどのチャンスを逃しているかもしれませんよ・・?
もちろんこれはすべての企業に当てはまる法則ではないかもしれません。Webサイトに社長・役員の顔写真を掲載したからといって、すぐに業績がアップすることはあり得ませんよね。
ですが、企業の株価・業績とWebサイトへの顔写真掲載に一定の関係があるのは事実。企業のブランドをより確かなものにし信頼性を高めるためにも、やはりWebサイトには社長と役員の顔写真を掲載することをオススメします!
社長や役員撮影を行う場合は、スケジュール調整やカメラマン選びなど、いくつか注意するべきポイントもあります。 詳しくは関連記事「社長のポートレート写真撮影でやってはいけない4つのこと」でもご紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
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