広報担当者にとっていちばん多い撮影は、社員の顔写真ではないでしょうか。新入社員、中途入社、役員変更など、社員名簿が更新されるたびに撮影したり、新商品のリリースなどに合わせて開発者や功労者を撮影することも。そんな時に役立つ、身近にあるカメラを使った、目を引く人物写真を撮るテクニックをご紹介します。
被写体が人物や食べ物、建築物なら、それぞれに素敵に見える距離、おいしく見える距離、格好よく見える距離があります。どうしても一度カメラを構えると、なかなかそこから動かなくなってしまうものですが、フレームを見ながら寄ったり引いたり、体ごと動いてみると距離の写真に与える影響がよくわかります。
人物を撮影する際、撮影者との距離はどのくらいでしょうか? ほとんどの場合、その距離が近すぎることが多いようです。2mの距離からでは、上半分が強調されアンバランスなシルエットの写真になってしまうことも。また、4mほどの距離からズームを利用して撮ると、全身のバランスがよく、デフォルメされる部分もなくてスタイルのよい写りになります。
また、写真の見え方だけでなく、距離が近いとモデルが「撮られている」と意識し緊張してしまい、表情が硬くなりがちです。離れたほうが緊張感がやわらぎ、モデルも気が楽に。撮影中は、積極的にモデルに話しかけるようにして、「今、テスト撮影中だから」と本番を意識させないうちに撮影したり、「OKです!」と伝えた直後の緊張がほぐれた表情を撮る、という方法もオススメです。
よくモデルを中央に置いて写真を撮りますが、これではありきたりの写真になってしまいます。ちょっとバランスをくずすことも、印象的な写真を撮るために必要なこと。カメラを少し斜めに構えて撮影したり、左右のどちらかに空間をあけたりしてみましょう。
モデルの頭の上部が少し切れるぐらいのフレーミングにすると、表情が強調されて動きのある写真になります。天地左右がまんべんなく収まった写真は、大人しくてあまり面白味のないイメージを与えるので、ぜひ思い切ったフレーミングで。
人物撮影を行う際に一番良いのは、屋外に出て自然光で撮ること。でも、どうしても会議室など屋内で撮影しなくてはならない場合は、以下の方法で撮影すると人物が美しく写ります。
順光で撮影すると、人物と背景への光の当たり方が均一で、面白味のない写真になりがちです。背景を明るく飛ばす、または暗く落とすことで人物がフォーカスされて際立つので、順光ではない条件で撮るようにしましょう。
順光ではない条件といっても、完全に逆光で撮ってしまうと顔の左右にだけハイライトが入り、中央部分が暗く沈んで表情がわかりにくくなってしまいます。オススメなのは、半逆光。モデルの向きを変えて、顔の輪郭と鼻筋にハイライトが当たるようにし、片頬に明るさが出るように撮りましょう。これだけで、写真の印象が大きく変わります。
レフ板といってもプロが使うような専用のものではなく、黒または白い紙などで代用できます。黒は、光が回っている時に使います。影を濃くする役目も果たすので、顔がきゅっと引き締まって見え、男性の撮影にもオススメです。
白は、背景の影が暗く落ち込みすぎた時に光を当てて明るく飛ばし、人物が生き生きと見えるようにできるので、女性を撮影するのに最適です。
今回は窓のある部屋で撮影を行いました。撮影場所が会議室でも、少しの工夫で、より魅力的なポートレートを撮ることができます。「距離」「フレーミング」「光」を意識して広報写真をひとつ上のクオリティに仕上げましょう。ぜひ、カメラマンになった気持ちで自信を持ってチャレンジを。
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