オーストラリアを代表するマーケティング担当者が明かす、コンテンツマーケティング3つの重要ポイント

Michael H

NewsCredとStoryationがシドニーとメルボルンで初開催したThinkContent Australiaでは、招待者限定の朝食やパネルディスカッションでマーケティングリーダーたちが顔を揃えました。刺激的なラインナップの講演者たちは、マーケティングサイロを打ち破る方法、統合型キャンペーンの計画立案、リーダーとしてリスクを負うこと、そしてコアラのストーリーまでを講演しました。

この記事では、Microsoft、オーストラリア政府観光局、Bupa、IAG、Mercerなど、オーストラリアを代表するマーケティング担当者が明かした3つの素晴らしいインサイトを紹介します。

創造性を発揮できるプロセスを構築する

合理化された集中型ワークフロープロセスの構築は、効率的なコンテンツマーケティングプログラムを拡張するうえで必要不可欠です。しかし、再現性のあるプロセスを構築したからといってクリエイティビティが後回しされるわけではありません。むしろ、最高のコンテンツ運用プロセスやテクノロジーを採用することで、クリエイティブ要素を発揮する時間が増えるのです。パネリストの何人かは、コンテンツをチャネル間で最適化して成功のチャンスを最大化するために、定期的なコンテンツ会議を行うことと、職能上の枠を超えたマーケティングチーム間のコラボレーションを促進していました。

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「リスクを負わないと、あなたの考えは骨抜きになってしまいます」。

IAGのコンテンツディレクター、Zara Curtis氏(撮影:Steve Christo氏)

Microsoft AustraliaのCMOであるPip Arthur氏は、マーケティングとコミュニケーションがかつて別々に機能していたため、コンテンツを統合して市場に投入する際に影響があったと説明しました。「2つの機能をまとめることで、ダイナミクスが根本的に変わりました」と彼女は言います。彼女のチームは、センター・オブ・エクセレンス(人材、ノウハウ、ツールなどを集約した横断組織)を中心に毎週ガバナンス会議を開催し、各ストーリーに適したアプローチとチャネルについて話し合っています。そこでの目標は、マーケティングによって「今までにない方法でコンテンツとストーリーを確実に最適化する」ことです。

1年ほど前に保険大手IAG にコンテンツディレクターとして入社した後、一から15人のコンテンツチームを構築したZara Curtis氏は、企業にはガバナンスプロセスが必要ですが「委員会による創造」は不必要だと語りました。

「コンテンツは、20人が一堂に会して承認するような広告であってはならないと非常に強く感じています」とCurtis氏は述べます。「誰もが認めるような、一番良いバランスはあるはずです。……しかし、『委員会による創造』では結局ペプシコマーシャルのようなものしか作ることができません。それは本当に恐ろしいことです」。

メルボルンに拠点を置くBupaのソーシャル&コンテンツ担当責任者であるAlex McDonald氏は、コンテンツチーム最大の課題は、競合する要求をクリエイティブなリソースでどのように処理するかだと言います。McDonald氏は、課題への対処方法として、タイムシートを作成し、投資収益率と同じように活動収益率を測定し始めたと語っていました。

優れたストーリーを生み出すためにコアラは必要ない(しかしコアラは助けになる)

オーストラリア政府観光局のクリエイティブ&コンテンツ担当GMであるSusan Coghill氏は、最近最も熱狂を巻き起こした成功例のひとつが、オーストラリア動物園で白いコアラが生まれたことだったと話しました。この話を聞いたコンテンツマーケティング担当者は、観光関連のブランドに勤めたいと思ったことでしょう。ストーリーテリングの題材に乏しい業界(例: 金融、保険、テクノロジー)の場合、より幅広いミッションに沿ったコンテンツの作成に注力することが今後の課題です。

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オーストラリア政府観光局のSusan Coghill氏(撮影: Steve Christo氏)

IAGのCurtis氏は、保険会社が発信するコンテンツを心待ちにしている人はあまり多くないと認めていました。「始めた当初の課題は、ブランドとトーンの本質に到達することでした。私は、ブランドが何のために存在するのかを理解し、プッシュ型ではなく、オーディエンス主導の視点からコンテンツに取り組まなければなりませんでした。広告は何かを伝えて売るために存在しますが、私たちはストーリーを語って何かを示すために存在するのです」。

Microsoft Australiaにとっても、組織の目的にフィットするコンテンツの作成方法を突き止めることが課題でした。CEOのSatya Nadella氏が「地球上のあらゆる個人と組織がより多くのことを実現できるようにエンパワーメントを推進する」という同社のミッションを明示した後、Arthur氏は、今後コンテンツを作成する際に、オーストラリアチームはそのミッションを中心に据えるべきだと指摘しました。

健康保険会社Bupaのソーシャル&コンテンツ担当責任者であるAlex McDonald氏は、コンテンツは事実にもとづくもので、人間味にあふれ、こびへつらうことなく顧客に接していくべきだと言います。「午前3時にグーグル検索をしている人は、事実を知りたいわけではありません。ある種の安心感が欲しいのです」。

最後に、オーストラリア政府観光局のCoghill氏は、コンテンツ作成者全員が自制心を示すべきだと提言しました。「観光業界は、観光機関、航空会社、電車、レンタカー、OTA(オンライン旅行会社)、旅行商品を販売する銀行など、コンテンツで溢れかえっています。そのため、適切な情報を送り出すためにも、何かを発信するときは有意義で付加価値がコンテンツであることを確認してください」。

コンテンツの目標を理解してから測定する

活発な会話とオーディエンスの質問からも、測定とROIは相変わらずコンテンツマーケティング担当者にとって重要なトピックのようでした。パネリストたちは、「ROIを持続させるにはどうすれば良いか」という質問に対して、それぞれのブランドのマーケティングエコシステムでは、さまざまな種類のコンテンツがそれぞれに異なる役割を果たしているため、特効薬はないと口を揃えて言います。

MicrosoftのArthur氏は、コンテンツをデマンドジェネレーションコンテンツとブランドコンテンツの2種類に区別しています。「ブランドコンテンツは、当社にとって重要です。なぜなら、Microsoft Australiaブランドに命を吹き込むには、コーポレートブランドの約束を使うことが非常に重要だからです」と彼女は話します。「しかし、一番重要なのは、当社の全事業分野をサポートするマーケティング計画です」。彼女は、同社が市場で12種類のマーケティングイニシアチブを持っており、その大半がデマンドジェネレーションに焦点を当てていることを明かしました。

Mercerのアジア担当CMO兼B2Bマーケティング責任者のNatalie Truong氏も、コンテンツを、インスピレーションを与えて楽しませるヒューマンストーリーと、キャンペーンを重視した真面目なコンテンツの2カテゴリーに分類していると述べました。「ROIがない場合は、予算の一部を切り出しています。目標は、美しいブランドストーリーを伝えることだけです。その他の予算はB2Bビジネスのデマンドジェネレーションで使用し、リードを生成したらセールスチームに引き継いでいます」。

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NewsCredの共同創立者兼CEOShafqat Islam

NewsCredのCEOであるShafqat Islamは、オーディエンスの一人からの質問に答える形で、顧客生涯価値(LTV)を成功の尺度にしているブランドがますます増えてきていると指摘しました。「今までのマーケティング担当者は顧客獲得に重点を置いてきましたが、LTVといった言葉が登場し、マーケティングの焦点が顧客獲得から顧客維持へと移行しつつあります。それが現在起きている大きな変化です」。

Lauren QuaintanceはシドニーのコンテンツエージェンシーであるStoryationの共同創立者です。NewsCredとStoryationは2018年末に戦略的パートナーシップを締結しました。

元記事「Three Takeaways and One Koala Story from ThinkContent Australia」は2019年2月12日にInsights.newscred.comに掲載されました。

この記事はNewsCred BlogのLauren Quaintanceが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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