効果的なソートリーダーシップの3つの原則

コンテンツマーケティング業界は大きな問題に直面しています。今日のコンテンツは、大半が素晴らしいものではないということです。

とくに、LinkedIn、Forbesなどの投稿を読んでいると、大企業の経営幹部がソートリーダーシップについて書いているものを見かけますが、そこに書かれている内容はどれも同じで、実用性も独創性もありません。そのため、私も興味が持てないのです。

しかし、企業は当然のようにソートリーダーシップに投資し続けています。上手くいけば、コンテンツマーケティングプログラムの一環として、ソートリーダーシップが利益や成果に影響を与える可能性もあるでしょう。LinkedInと Edelman Digitalによる研究では、ビジネスにおける意思決定者と経営幹部の80%以上が、強力なソートリーダーシップは「ブランドの信頼向上に貢献した」と主張し、51.5%が「潜在的な代理店パートナーを探す上で重要な要素となる」と述べました。また、質の悪いソートリーダーシップが原因で、ビジネスチャンスを逃してしまう危険性についても指摘しています。

しかし、今日のソートリーダーシップが凡庸で効果的ではない可能性が大きいと、Fortune 500に名を連ねる経営者の代筆者としてつくづく実感しています。新しいお題を受け取るたびに、私は自分自身に次の3つの質問を問いかけながら「書く」作業を行っています。その重要な質問とは、「この人が実際にこれを言いたいと思っているのだろうか?」「この時代にこの発言は意味を持つだろうか?」、そして一番重要なのが「誰が必要とするだろう?」ということ。

効果的なソートリーダーシップは、入念かつ時代に合わせて制作する芸術であり、並外れたものを作るのはかなり難しいことです。PollockではなくMichelangeloのように、忍耐と創造性、独創性が求められます。ときには最先端であり、なおかつ後世に残る不朽の名作でなければなりません。それが常に読者の心を掴むのです。

クライアントがどうすれば群を抜けるのかを考えたとき、私は最適なソートリーダーシップを統一するための基本理念があることを理解しました。あなたが今後ソートリーダーシップに関する記事を作成する場合、この基本理念を思い出しながら読者と関わり、行動を喚起させ、最終的にコンバージョンにつながるよう活用してください。

価値を追求する

2014年のFortune’s Brainstorm Green conferenceで、Levi StraussのCEO、Chip Bergh氏が1年以上ジーンズを洗濯しなかったと発表しました。この発言は翌日、拡散されました。

数日後、Bergh氏はLinkedInの投稿で以下のように説明しています。「ジーンズの洗濯を週に1回のペースで2年間続けた場合、1着あたりおよそ3,500リットルの水を消費します。この3,500リットルのおよそ半分の水、または1,600リットルの水が、ジーンズを洗濯機で洗濯した際に消費されるのです。この水の量はコップ6,700本分の飲料水に相当するのです!」

 

Dirty Jeans Manifesto.png

 

顧客に環境推進を勧めるのではなく、Levi Straussはこうした発言に投資し、小売業界全体が持続可能な取り組みを展開しています。Levi Straussでは最近、ジーンズの製造業界初のWater Recycling and Reuse Standard(水のリサイクル・再利用の規格)を実施し、真水3千万リットルを節約しました。Watermade the Waterという革新的な仕上げ技術が発達して施行されていけば、2020年までにアパレル業界全体で500億リットルの水を節約することができると言われています。

これを聞くと、あなたもBergh氏の最初の発言を「安っぽい宣伝行為だ」とは言えないはず。この投稿は、彼と企業が関心を持ったことへ投資した理由を伝えて人々の関心を促す、素晴らしい方法でした。その結果、彼の言葉は反響を呼び、LinkedInの投稿には350件以上のコメントが寄せられたのです。

多くのリーダーが同じような内容の発言をしていますが、人の心を惹きつけ、つながることができるのは、ユニークな価値観を共有し、発言を実行に移す方法を発信できる人です。

恐れない

今日、目にするコンテンツハブには、大抵、会社役員や幹部などによるソートリーダーシップの「考え方」というセクションがあります。しかし、その話のどれもが、意見交換や討論を行うことだけを目的としていません。

あまりにも多くのブランドがリスクを恐れています。ブランドハブの「考え方」に掲載されていた「The Future Of AI In The Enterprise(企業におけるAIの未来)」や「5 Ways Digital Transformation Will Change Business In 2018(2018年にビジネスを変える、5種類のデジタル変換)」などのストーリーは、読者が求めている最新の考え方とは言えません。全業界の誰しもが話すような無難なトピックで、大事な意見が述べられていないからです。実際に、効果的なソートリーダーシップをインスパイアするには、The Wall Street JournalやThe New York Timesなどの意見セクションを追求しなければいけません。これらは、読者全員に関連する個人の経験とマクロレベルのトレンドを組み合わせるよう、調査にもとづいて上手に構成し、まとまりと説得力のあるエッセイが特徴です。ソートリーダーシップのブランド化は、これらのセクションにおけるストーリーと同じくらい刺激的でなければならないのです。

Patagonia’s The Cleanest Lineは、ドキュメンタリやストーリー記事によって、大胆かつ奥行きのある宣伝を行っています。PatagoniaのCEO、Yvon Chouinard氏のストーリー「Telling the Dam Truth(ダムの真実を語る)」は、クリーンで環境再生エネルギーをもたらす水力発電のダムが、貴重な生態系を破壊する欠点があること、そして代替となるエネルギーを配置する必要があることについて説明しています。さらに、ブログの投稿「The President Stole Your Land and You Were Lied To(大統領、土地を奪い嘘をつく)」で、パタゴニア環境問題活動の副会長、Lisa Pike Sheehy氏はユタ州にある2つの国定記念物の規模を200万エーカー近くにまで縮小させるトランプ氏の大統領令を厳しく非難しています。

 

Patagonia_president stole your land.png

 

すべての企業が政治的な主張ができる立場にあるとは限りませんが、それでもいいのです。すべての経営責任者がソートリーダーシップについて書く素質があるとは限りません。説得力があり、誠実かつ力強い発言ができる人間こそが、ソートリーダーシップについて書く素質を持っていると言えるでしょう。

より保守的なソートリーダーシップの例として説得力があるのが、Goldman Sach’sのマクロ経済インサイトです。このセクションでは経済の専門家、Goldman Sach’sの経営責任者、アナリストなど、さまざまなマーケットの専門家から各業界の状況と潜在的な脅威に関して率直かつ誠実なコメントを取り上げています。過渡期の中国に関するページでは、多くの専門家が国内最大の経済的課題に関する動画やレポート、インフォグラフィックスで、種々多様な「考え方」を伝えています。このようなソートリーダーシップは、ブランドの信頼性を高めて前向きな考え方を推進するだけでなく、競争相手にも差をつけるのです。

無私無欲であること

コンテンツマーケティングはすべてROIにつながりますが、最初の段階で読者があなたの考え方に共感を持てなければ、コンバージョンにつながる事はありません。最高のソートリーダーとは、単にブランドや製品を売り込むのではなく、人に物事を教え、刺激や興味、そしてエンターテイメントを与えることを最終目標に持つような、無私無欲な人でなければなりません。例外的なソートリーダーシップは、読者を理解し、彼らの特定のニーズに応え、親身になってくれるような存在のことです。

この取り組みを効果的かつ正当な理由で行っている企業として、Gneral Electricを例に挙げましょう。Txchnologist.comGEレポート をざっと読むと、マーケティングマネージャーではなく元ジャーナリストなど有能なライターで構成されたチームが、科学技術へ興味関心を持つ人向けに独占的な記事を大量に作成し、WiredやPopular Scienceのようなニュースハブを運営しています。私が気に入っている最近の記事を紹介しましょう。

Game On: Augmented Reality Is Helping Factory Workers Become More Productive

Friends In High Places: The First American Jet Engine Was Born Inside a Power Plant

Old Flame: How ‘Waste’ Fuel Will Keep The Lights On In Ghana

3年前、NewsCredがGE レポートのチーフエディター、Tomas Kellner氏にインタビューしたとき、Tomas氏は説得力のあるストーリーの作成や、今日において正しいとされる基本的な考え方について以下のように述べていました。

「良いストーリーには主人公、挑戦、成果が含まれています。私たちはこれらのストーリーを気軽に伝えます。あなたは今日私に起こったことを信じないでしょう! 街でタクシーとぶつかりそうになったのです! 多くのマーケターは欠点や問題点について話すことを避けるようにしています。しかし、それはストーリーを誤魔化しているということでもあります。ブランドは、解決すべき問題を抱えている顧客のためにビジネスがあるということを理解しなければなりません。良いストーリーを伝えながら、顧客とwin-winの関係を築きましょう」。

 

Megan AnderleはNewsCredのコンテンツディレクターであり、Fortune 500に名を連ねる企業の代筆者としても活躍しています。このキャリアを通じて、彼女は2冊の書籍を執筆、TEDカンファレンスでの講演を経験し、The Wall Street Journal、Forbes、TechCrunch、The New York Times、Mashable、Huffington Postなどで100記事以上を執筆しています。

 

元記事「3 Principles of Effective Thought Leadership」は2018年5月23日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのMegan Anderleが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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