コンテンツマーケティングの人気は年々上昇し続けています。過去5年の検索トレンドを見ても、その人気が絶えず上昇し続けていることがわかるでしょう。
しかし、この測定には問題があります。私たちが現在いるのは、コンテンツマーケティングのパフォーマンスの世紀。単にページの閲覧数をプログラムの結果として表示させても、来年度の予算確保にはつながりません。最高マーケティング責任者(CMO)は、ビジネスレベルでの影響を確かめたいのです。
しかし現状として、どんなに熟練したマーケターであっても、コンテンツマーケティングを測定するのは容易なことではありません。
ユーザージャーニーの道のりは長いだけでなく、蛇行もしているため、ストーリーに沿いながら目標に向かって一直線に進むことができないものが多いのです。アンゲーテッドコンテンツによって、ユーザージャーニーに複数のインタラクションが関係していることが多く、その要因や性質を特定するのはかなり困難なことだと言えます。実際、ページ閲覧数などの表面的な測定は、分析リソースが不足しているコンテンツマーティングチームにとって理解が困難なものなのです。
コンテンツマーケティングが成熟したことにより、コンテンツに着目した解析プラットフォーム(たとえばNewsCredが開発したものなど)が利用できるようになりました。これらプラットフォームは、マーケターがプログラムを分析する手段に変化をもたらしました。分析ツールでは、コンテンツをどのようにエンゲージメントさせるか、どのトピックに対して読者が共感するか、読者が何件の記事を読んだかなど、ページ閲覧数以上のデータを提供し、戦略にもとづいた情報の意思決定を可能しました。
さまざまなクライアントを見ていますが、コンテンツのエンゲージメントが完璧であったとしても、継続的なプログラムの構築やマーケティング予算の確保が、ままなりません。これからの時代、ビジネスの影響を明らかにしなくてはなりませんので、マーケターはそれに対処できる測定基準が必要です。
この記事では、この新しい見解があなたのコンテンツマーケティング・プログラムに対してどのような形で当てはまるか、どのように意思決定に影響するか、そしてそれをプログラムに実装する方法について説明します。
目標達成に向けて進む前に、コンテンツマーケティングの測定基準がどのように分類できるかを理解しましょう。大まかに、コンテンツマーケティングでは以下の3種類の測定基準が存在します:
ソフトウェアプラットフォームによるコンテンツ分析が提供されるまで、マーケターはページ閲覧数、直帰率、タイムオンサイト(ページへの平均滞在時間)など、標準的なサイト分析に頼る必要がありました。これらはマーケティングプログラムとして十分に価値のある測定基準ですが、ジャーニー全体では、ひとつの見解にしか過ぎません。
ここではコンテンツハブの健全性を価値として示す量的測定基準を挙げていますが、この量的測定基準には質的な概念がありません。
10,000人のサイト訪問者をコンテンツに誘導したことを認知するのは大事な一歩ですが、この測定基準の本当の凄さを実感するためには、以下のことを知っておいてください。
この質問はコンテンツマーケティングに関する質的測定基準の例です。ひとつ目の質問は回答が難しいかもしれませんが、慎重なターゲティングと分析で得た人口統計学データを考察できれば、答えは見えてくるはずです。しかし、ふたつ目の質問の回答を出すには、さらに困難を極めます。
その解決策は、アナリティクスの行動測定基準を分析することです。セッション時間、訪問者あたりのページ閲覧数などから、読者体験の改善方法を質的な視点から考え、表現することができるようになります。
この測定基準のソース次第では、Google Analyticsなどのプラットフォームの設定の関係上、データに対して厳重な注意が必要です。そのため、コンテンツマーケティング・プラットフォームでは、平均注視時間やエンゲージメント率など、エンゲージメントの測定基準を構築し、コンテンツのみに着目しながらサイト訪問の種類に応じた行動をスコア化しました。
そして、これによって多くのマーケターが確信できるようになりました。現在、マーケターはコンテンツ機能への見解を持ち、質的かつコンテンツに着目した測定基準によって戦略を構築しています。しかし、この考え方ではコンテンツマーケティングの成功プロセスにおける重要な部分を見落としてしまいます。
コンテンツマーケティングはエンゲージメントを発生させ、情報を伝え、なおかつ楽しいものでなくてはいけませんが、何よりも行動のきっかけになることが重要です。つまり、コンテンツの発信とコンテンツマーケティングは別物として考えるべきなのです。
目標は、優れたコンテンツを作るのではなく、コンテンツを上手に活用しながらビジネスを展開することです。コンテンツマーケティングが機能すれば、読者はあなたのビジネスの目標に向かって行動するようになります。この行動をコンバージョンと言いますが、コンテンツによって読者がエンゲージメントし、さらにその先を確認するにはモニタリングを続けていかなくてはなりません。
ただし、コンテンツマーケティング・プログラムの多くが、直接的に収益などの結果につながらない点を理解してください。ブランドエクイティ、ブランドアフィニティ、またはブランドパーセプションが十分であれば、マーケターはエンゲージメントの測定基準に対し、不安を解消できるようになります。しかしそれでもなお、コンテンツへの重要な見解として十分とは言えません。
リードジェネレーション、購入製品または情報請求など、利益につながる可能性が高い行動をコンバージョンと定義するのが一般的です。しかし、コンテンツの共有や別のコンテンツへのエンゲージメントなど、目標に到達する前の動き、つまりマイクロコンバージョン(中間コンバージョン)という形で機能する場合もあります。重要なことは、常に読んでほしいコンテンツがあり続けることです。
つまり、これはコンテンツマーケティングの測定基準の対象を、エンゲージメントから行動に切り替えるということです。どちらも必要ですが、エンゲージメントの測定はあなたが作成したいコンテンツの種類を形にし、行動の測定はあなたが読者に望む行動のきっかけを作るようなコンテンツから、読者が適切な経験をしているかについて確認するための手段になります。
測定した情報がコンテンツ戦略に対してどのように機能するか、NewsCredのインサイトハブで確認しましょう。
上のグラフは、ユーザーがコンテンツで取る行動を追跡することができるNewsCredの新しい行動分析表です。NewsCredの場合、ニュースレターへの新規登録、インサイトの新規登録ユーザー、プラットフォームへのログイン状況などを追跡しています。NewsCredにとって大変貴重なこの行動は、結果的にリードジェネレーションにつながり、収益の40%を占めるまでになりました。
とはいえ、ユーザーの行動を数のみで把握するだけでは、戦略の意味がありません。重要なのは、各コンテンツがプログラムにどのような影響を与えているのか、データを細かく分析して考察することです。
“Opt In Monster Sign-ups”と呼ばれるこの考え方で、どのコンテンツがInsightニュースレターへの登録を促しているかを調べます。これは新規訪問者を獲得しながら、私たちのデータベースへと誘導して関係を構築するための最適な手段です。この表から、トップオブファネルにいる新規訪問者の注目を集めるために最適なコンテンツストーリーやトピックを見つけることができます。また、2014年から現在に至るまで、どの程度業績を残すことができたか、制作したコンテンツをどれだけ成長させてきたか、その過程を見ることができます。
しかし、カスタマージャーニーの全体像を把握するためには、ボトムオブファネルの行動も確認しなくてはなりません。
下の表は、コンテンツ別に表示されたInsights New User Sign-ups(インサイトにおける新規ユーザーの登録)を表します。インサイトに登録したユーザーがリードとしてスコア化されるようになっています。
ホワイトペーパーやシリーズ化したコンテンツなど、価値の高いゲーテッドコンテンツから見込み客を獲得するための重要な行動を推進しています。このようなコンテンツは低いファネルで機能するため、Eメールマーケティングやリターゲティングなどに有効です。
コンテンツマーケティングの分析プラットフォームに現在アクセスしていないのであれば、サイト分析を活用しながら重要なインサイトを把握してください。コンテンツが中心でなければ、同じような目標と中間コンバージョンを設定することで、あなたが求めるコンバージョンにつなげるチャネル、ページ、読者に関するコンバージョン率を確認することができます。詳細については「The Complete Guide to Setting up Your Content Hub to Measure Conversions」を参照してください。
読者に応じてコンテンツを制作している場合、ビジネスにより特化した考え方が生まれます。このような考え方がなければ、多くがエンゲージメントを発生させるコンテンツにばかり目を奪われてしまい、どこでカスタマージャーニーが発生するのかを見失ってしまいます。
このようなエンゲージメントと同時に行われる行動を理解するには、以下の2種類の方法が役に立ちます:
コンテンツマーケティングは、ここ数年で大きな進化を遂げてきました。私たちはすでに量的測定基準から質的測定基準に考え方を移行していますが、ビジネスインパクトの増加により、新しい要素や手段を考えざるを得ない状況になりました。行動分析という概念を取り入れたコンテンツマーケティング・プログラムに着目することで、カスタマージャーニーがどこに位置するのか、ギャップがどこにあるのかが見えるようになるのです。
ROIを実現するために、コンテンツマーケターは読者がどんな種類のコンテンツを読みたいかを考えるだけではなく、コンテンツがどのような行動につながるかについても考慮しなくてはなりません。新しいコンテンツ分析ツールを活用することで、コンテンツの存在感を出す要素を取り入れられるようになります。文章を書いて、それを読んでもらうというだけでは限界があります。コンテンツは行動のきっかけを作り、そのデータからコンテンツマーケティングに発展させる次のステップを明確に示すことができるのです。
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Liam MoroneyはNewsCredの分析ディレクターです。
元記事「Beyond Pageviews + Engagement: The Need for Content Marketing Action Analytics」は2018年7月12日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事はLiam MoroneyがNewsCred blogで執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。
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コンテンツマーケティングの本場であるアメリカで、業界を牽引するリーディングカンパニーであるIndustry Dive。国内唯一の独占パートナーであるアマナがその集合知を活用し、成果へと繋がるコンテンツマーケティングをサポートします。
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