「ブランドが目的を持つことほど重要なことはありません」。
これは、NewsCredのThinkContent New York 2018でマーケティング担当者たちを魅了した、Stacy Minero氏が話した講演テーマです。Minero氏は、Twitterの#Fuelチームのブランド戦略責任者として、日々、何百万人もの消費者がどんな反応を示しているかを把握できる立場にあります。
Twitter #Fuelブランド戦略責任者、Stacy Minero氏
今日のデジタルメディア界において彼女が認識していることは、ブランドはファンの心を掴むために、明確に定義された目的が必要であるということです。その理由は以下のとおりです。
「問題はさらに細分化しています。そのため、雲行きはより悲劇的です。さまざまな出来事がコミュニティを根本から揺るがしています。政治が二極化していくにつれて、社会的行動主義が高まっています。これらすべてが喪失感を生み出しているのです」と彼女は述べました。
このことはブランドにとって何を意味するのでしょうか? Minero氏は、人々が主流メディアや大きな政府にあまり信頼を置かず、「安定の島」としてブランドに目を向けていることを指摘したエデルマン・トラストバロメーター(Edelman Trust Barometer)を引き合いに出しました。
限りない混乱の時代において…人々は「安定の島」としてブランドに目を向けています。
Richard Edelman氏 / Edelman会長
「人々は、ブランドが道徳的なコンパスや何かの象徴になってくれることを期待しています」と彼女は語っています。
次のデータがその主張を裏付けています。Minero氏は以下の統計を共有しました。
この現実を踏まえると、今日成功しているブランドは、自らの目的を明確に定義し、その目的を行動の最前線に押し出しているブランドです。
人はあなたがすることにお金を出すわけではなく、あなたがそれをする理由にお金を出すのです。
Simon Sinek氏
Minero氏が強調した事例は以下のとおりです。
「『アウトドアを楽しむ人生は充実した人生だ』とは、REIが唯一焦点を当てていることで、この言葉がREIのすべての行動を導いている」とMinero氏は言います。
アウトドアグッズの小売をしているREIは、ブラックフライデーが商業化されたことに応えるかのごとく、最も注目すべきキャンペーンを立ち上げました。#OptOutside(この日はアウトドアに出かけよう)というアイデアです。これは、ブラックフライデーにすべての店舗を休業したうえで、アウトドアを楽しめるよう従業員に有給休暇を与え、消費者にもこの活動への参加を呼び掛けるというもの。REIはこの戦略をサポートするために、行動を喚起させるような動画や、郵便番号を入力すれば近くの公共の場所を検索できるモバイルエクスペリエンスを作成しました。また、外に出ることをリマインド通知で設定できる機能もあり、1対1のコンテンツのパーソナライゼーションの好例になっています。
さらに素晴らしいことに、#OptOutsideのメッセージはブラックフライデーという一時的なものだけに留まりませんでした。REIは、「スキーがあなたを待っている(slopes are calling)」ことを知らせるような写真を共有したり、アースデイを宣伝したり、自分の#OptOutsideの写真をソーシャルメディアで共有してタグ付けするようにファンに促したりすることで、このキャンペーンを日々のコールトゥアクションに変えたのです。
Verizonは、被災地に携帯電話の基地局を建設することで、第一対応者(災害や事故による負傷者に対して最初に対応する救助隊・救急隊・消防隊・警察など)向けに安定したネットワークを構築するための投資を行いました。彼ら第一対応者の仕事の側面を強調し、こうした職務に就いている勤勉な男女へ感謝の気持ちを示すために、Verizonは多くの人が後援することができるコンテンツキャンペーンを立ち上げました。それは「ありがとう」を伝えることです。
まず、同社はAllOurThanks.comのウェブサイトと動画を公開しました。次に、Twitter上で#AllOurThanksのハッシュタグを使った活動を行い、赤十字社への寄付を人々に促しました。「善意の気持ちを生かす集団の力を感じたでしょう」とMinero氏は語りました。
Jamie FoxxやPharrell Williamsといった有名人を含むTwitter上の大規模な反響に支えられたこのキャンペーンは、97%の人が肯定的な感情を抱くものになりました。
目的はTwitter上でも伝わっていきます、とMinero氏は述べました。「Twitterは、目標が発表され、ムーブメントが動き出す場所です」。しかし、このソーシャルプラットフォームも独自の目的を持っており、昨年のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)では、確固たる立場を表明することを恐れないと示しました。
Twitterは、CESに女性の基調講演者がひとりも含まれていないことを認識すると、独自のステージを構築し、ライブストリームを通じて有能な女性の遍歴を紹介するイベントを開催することに決めました。「これは、CESの主要ステージで講演を行った基調講演者の聴講者数を上回りました」とMinero氏は述べています。
We stand with women around the world to make their voices heard and their presence known. To bring them front and center, today and every day. Join us as we say
— Twitter (@Twitter) March 4, 2018
私たちは世界中の女性を支持して、彼女たちの声を広め、彼女たちの存在を知らせます。今日、そして毎日、彼女たちを表舞台に連れて行くために、#HereWeAreと一緒に声を上げましょう。
— Twitter(@Twitter)2018年3月4日
これ以降、#HereWeAreイベントは、女性の声を広げるための継続的な取り組みとして成長しました。
「ホワイトボードに目的は載っていません」とMinero氏は言います。「しかし、ブランドは多かれ少なかれ、人々の生活を変えることができます」。最も重要なのは、この目的が本物でなければならず、強制されているように感じるものではないということです。
ブランドの目的を定義し、それを広めるのに役立つMinero氏のチェックリストは以下のとおりです。
ThinkContent New York 2018の全セッションを視聴したい方は、こちらをクリックしてください。
Dawn PapandreaはNewsCredの寄稿者です。
元記事「The Power of Purpose in Content Marketing」は2018年6月18日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事はNewsCred BlogのDawn Papandreaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
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