コンテンツマーケティングのパフォーマンスの世紀へようこそ

#ThinkContent 2017で、NewsCredの共同創設者兼CEOであるShafqat Islamは、いかにコンテンツマーケティング業界がパフォーマンス時代に向かっているか、また、なぜそれでもマーケターは最も野心的でクリエイティブな仕事を行うことができるのかについて述べました。

5年前は、ただコンテンツマーケティングを行っているとだけで、すばらしいと言うことができました。

しかし、それからほんの短い期間で、この業界は一変しました。コンテンツマーケターにとっては、マーケティング組織の一員として働く機会があるというだけではありません。

大きな成功を勝ち取る、そしてマーケティングの未来を築くチャンスまでもが、今日のコンテンツマーケターにはあるのです。

言い換えれば、私たちはコンテンツマーケティングに対する全体的な考え方にシフトする必要があるということです。ブランドがパブリッシャになるという発想はもはや過去のものです。私たちは違います。Webサイトへの訪問者数が目標ではなく、ビジネス活動を加速することを目指しているのです。

昨年の#ThinkContentでは、コンテンツマーケティングの移り変わりを3つの世紀に分けて紹介しました。

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まずは、ページビューと恣意的な指標で成功を評価していました。当時はそれ以上できることがあまりなかったためです。

その後、エンゲージメントの世紀に入り、私たちはアテンション時間に注目してきました。

1年前、パフォーマンスの世紀が到来したと申し上げました。

今、確実に言えることは、もはやパフォーマンスの世紀に突入しつつあるのではなく、すでに真只中にいるということです。

すなわち、コンテンツマーケターとしての私たちの目標は、ストーリーを語ることに秀でているというだけではないのです。コンテンツを利用してビジネスの結果を加速することこそが目標なのです。

企業のリーダーがコンテンツマーケティングに投資し続ける理由

CEOやCMO、CFOと話すとき、私はなぜ彼らがコンテンツマーケティングに投資し続けるのかを尋ねます。その答えはたいてい次の3つに分かれます。

マーケティングに起因する収益を伸ばす

企業のリーダーは、コンテンツマーケティングにはマーケティングに起因する収益を伸ばす効果があると言います。それこそが究極の目標です。NewsCredのお客様であるFidelity Investmentsは、その好例です。同社のチームはコンテンツを数百万ドルの退職拠出金に直接つなげようとしています。

経営効率を高める

エグゼクティブがコンテンツマーケティングに投資する2つ目の理由は、経営効率を高めることにあります。企業内では、非常に多くの部署で結果を評価せずにコンテンツが制作されていたり、あるいは業務がサイロ化され、重複したコンテンツが作成されていたりします。そこで考えなければいけないのは、どうやってコンテンツを組織全体を横断したものとするかということです。NewsCredの別のお客様であるRue La Laは、Rue Now コンテンツハブで1日15本のコンテンツを公開し、20~30人の寄稿者を抱えています。このようなきわめて円滑な仕事ぶりを、CEOやCFOは見たいと考えているのです。

ブランドエクイティを向上させる

企業のリーダーは、コンテンツマーケティングによってブランドエクイティを向上させることができること、つまり、コンテンツにはブランドに対する人々の印象を変える力があることを知っています。それらの効果を「シェアオブボイス」や「シェアオブウォレット」を通じて評価することで、そのコンテンツによってビジネスが成長していることを証明できます。

パフォーマンスマーケティングとブランドのトレードオフ

パフォーマンスに重点を置く必要があるとは思いますが、これまでパフォーマンスマーケティングにはコストがかかってきたという事実も忘れてはいけません。そのため、私たちはブランドと評価のいずれかを選ぶ必要があるように感じてきました。

ブランド面から見てみると、マーケターは強い感情を呼び起こす美しいビデオや心を揺さぶる作品を制作していました。しかし、ブランドの影響力を評価することがどれほど難しいかはご存じのとおりです。パフォーマンス面では、マーケターはダイレクトレスポンスなどの手法を追求していました。これらの手法は評価したり、パーソナライズしたり、ターゲットを設定したりもできますが、結局は煩わしい広告を扱うことになります。

ここ5~10年ほどで出現したパフォーマンスマーケティングに、良い印象を持つ人はいません。広告に付きまとわれるのは不快で気味が悪いものです。こうしたオーディエンスとマーケターの間にある緊張の高まりは、リターゲティング広告が増えてから見られるようになりました。このことを覚えておく必要があります。コンテンツマーケティングがパフォーマンスの世紀に突入しつつある今だからこそ、これまではパフォーマンスマーケティングが良いものではなかったということを念頭におくべきでしょう。

良いものではなかったという理由は以下の通りです。

アテンションがあまり望めない

私たちの生活において時間は最も重要なものです。記事を読もうとして、背後で広告が再生されたり、ポップアップが表示されて中断されたりといったことがあれば、本能的に嫌な気分になるでしょう。

PageFarによると、現在、広告ブロック機能を利用しているデバイスは6億1,500万台に上ります。この数は前年比で30%増加しており、モバイルでは2015年から2017年にかけてさらに顕著です。誰もディスプレイ広告を見ていません。また、ミレニアル世代の場合、テレビやデジタル画面からこの層に訴えかけるのはまず無理でしょう。

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ロイヤルティは死んだ

これはマーケターにとって恐ろしい考えです。私たちは皆、ロイヤルティがあるからこそ、いかに既存顧客に投資する必要があるかという話を聞かされてきたからです。しかし、調査では異なる結果が示されました。McKinsey は、ロイヤルティプログラムに登録した買い物客の58%がプログラムをまったく利用していなかったと報告しています。また、顧客の87%が買い物のたびに複数の店舗を見て回ります。貴社が購買検討の対象でなければ、競合他社が選ばれるでしょう。あらゆる購入サイクルが顧客争奪戦の場なのです。

ムダ

広告インプレッションのうち、1秒以上見られたものはわずか9%です。広告のたった35%が人の目にふれるにすぎません。

パフォーマンスマーケティングの皮肉は、結果に結びつかないということです。とはいえ、実際のところ、私は何か選択を行う必要があるとは考えていません。

なぜもはやコンテンツ対パフォーマンスではないのか

致命的な欠陥はパフォーマンスにあるわけではありません。パーソナライズ、結果の評価、オーディエンスのターゲティングをおこないたいと望むべきであって、これまで最適化してきたものは誰にも求められていない、不快な広告だったのです。

パフォーマンスマーケティングを最大限に活かし、より良いものにすることができればどうでしょうか。マーケターが最適化する以外のなにかこそが、人々が望み、必要とし、インスピレーションを受けるものなのです。

それが未来です。

視聴回数が3,200万回を超えるTEDトークで、Simon Sinek 氏は、「人は『何を』ではなく『なぜ』に動かされる」と言っています。

Jim Stengel氏は、目的を持って事業を進めるブランドはS&P 500の平均的な企業より3倍速く成長することに気付きました。また、その理念によって消費者に認識されたブランドは、S&P 500の平均的なブランドよりも収益率が4倍になったと報告しています。

ブランドが制作するコンテンツは、ブランドの存在理由を示す最高の手段です。彼らの人生の中に存在する問題の解決には、ブランドが有用なのかを人々に伝えましょう。

私にとっては、関心を邪魔するものではなく、興味を持つ対象そのものになったときが、コンテンツ が意味を持つときなのです。

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NikeやMassMutualがいかにコンテンツとパフォーマンスマーケティングとを結びつけたのか

米国オレゴン州にあるシューズメーカー「Nike」は、そのブランドの目的に「If you have a body, you’re an athlete(身体があるかぎり、あなたはアスリートだ)」を掲げています。

同社はブランドの目的に従って事業を進め、並外れたコンテンツを制作しています。

最近の例としては「Breaking2」が挙げられます。このライブイベントでは、3人の世界的ランナーがマラソンで2時間を切るという、かつてない偉業を達成することを目指しました。Nikeはこのイベントをライブストリームで配信したほか、ビデオ、ブログ記事、コンテンツハブを周りに配置しました。このライブストリームは400万人を超える人が視聴し、金曜日の午後11時30分(東部標準時)に放映されました。

Nikeはページビューを稼ぐためにこれをやったわけではありません。人々に対して、境界を取り除き、人間ができることの限界を押し上げ、意志さえあれば誰もが成し遂げられるということを示したい、同社のミッションに忠実に従ったのです。

Breaking2はシューズではなく、人々が乗り越えられないと考えている障害を打ち砕くことを目指すものです。

これは実際のイベントの予告です(現在動画はご覧頂けません)。

2時間でマラソンを走る人はいないでしょう。しかし、誰もが達成したいと願う自分自身のBreaking2を持っているのです。

以下の数字は、Nikeによる発表ではなく、Brandwatchによるものですが、当初の結果です。

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そして、こちらがファネルの底部の結果です。Nikeのコンテンツハブでは、非常に強力なコールトゥアクション(CTA)が存在していることに注目しましょう。

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皆さんがお考えのことはわかります。

「じゃあどうすればいいのか。予算はないし、フリーランサーを雇うために5万ドルを確保することさえできない」と、疑問を感じておられるでしょう。

しかし、それほど難しく考える必要はありません。

別の例として、MassMutualを見てみましょう。この金融サービス・保険会社は、独立した事業として「Society of Grownups」を立ち上げました。同社は、若年成人層がお金について話すのを嫌う一方で、多くの金銭的問題に直面している状態を見てきました。彼らは負債を抱えており、それが米国で大きな問題となっています。そこでMassMutualは、この問題に対処することをミッションに掲げました。

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Society of Grownupsは、若年成人層がお金に関する知識を得て、自分の将来のために責任を持って貯蓄できるように手助けすることを目的とする専用Webサイトです。また、このWebサイトはブログ記事の投稿だけではなく、教育コースや、ガイド付き学習、インタラクティブなツールも提供しています。

ここで、自社のミッションと、解決しようとしている顧客の問題について考えてみてください。皆さまは自社のビジネスだけでなく、他の人々に対しても非常に大きな変化をもたらすことができます。MassMutualの場合は、明るい未来を望む若年成人層、Nikeの場合は、障害を打ち破りたいと考えているすべての人が対象です。皆さんの手の中には非常に大きな力があるのです。なぜなら、皆さんはストーリーテラーだからです。

ストーリーは存在理由を示す最高の手段です。人々は皆さんが語るストーリーに心動かされ、それらのストーリーから感じたことをずっと忘れないでしょう。

これはとてつもなく大きなチャンスなのです。

しかし、このチャンスをつかむことは非常に難しいこともご存じのとおりです。すばらしいストーリーを伝え、結果を測定することは簡単ではありません。

マーケターがコンテンツマーケティングのパフォーマンスを測定するのをNewsCredはどのようにサポートするのか

過去12か月の間、NewsCredはこの課題に取り組んできました。

当社はコンテンツマーケティングの体系的知識作りに注力しました。そして、コンテンツマーケティングから予測可能な成果を得るうえで役立つ、一連の手法、フレームワーク、ツールキットを開発しました。

私はどのマーケターにも何らかの支援、自身の創造力を生かし、パフォーマンスを示すのに必要な結果を得るためのプレイブックが必要だと考えています。

最初のステップは、自分たちがコンテンツマーケティング成熟度曲線上のどの位置にいるのかを特定することです。

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当社のすべてのお客様と業界内の数百人を対象に行った調査で、誰もがある時点で行き詰まっていることがわかりました。たとえ認めたくなくても事実です。

ほとんどの場合、「あの時点」とは、マーケターがすばらしいコンテンツを制作していながらも、コンテンツが業績という結果につながっているように見えない時点です。

行き詰まった状態から抜け出すために、当社はNewsCredメソッドを開発しました。これによって、マーケターは予測可能な成果を得て成熟度曲線を上ることができます。

NewsCredメソッドは次の5段階から成ります。

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このメソッドは、予測可能な成果を引き出すために繰り返し利用できます。

私たちは「コンテンツマーケティング成熟度指標」も作成しました。コンテンツマーケティング施策がどの程度成熟しているか、どれだけうまく機能しているかを評価する手段を確立することが目的です。また当社は、皆さまが自社を業界や競合他社と比較できるベンチマークを提供する予定です。これにより、自社のコンテンツマーケティングがいかにうまく機能しているか、より深く理解できるはずです。そして、当社のメソッドを組み合わせることで、改善策を見つけることができるでしょう。

当社が特に注目している領域は、まだデータを精査している段階ですが、成功するコンテンツマーケティングに、初期段階で適用できる指標が存在するかどうかです。

最初からシステムやプロセスを構築することが、コンテンツマーケティングの成功と拡大につながり得るのです。

そして何より重要なのは、成功を決める最大の指標は、コンテンツマーケティング戦略を会社が最も優先戦略へと昇格させることができるかどうかだということです。自社における、CEOが設定した事業目標はどのようなものでしょうか。また、コンテンツマーケティングをいかにその目標に昇格できるでしょうか。もちろん、その過程には多くのステップがあるはずです。

コンテンツがパフォーマンスマーケティングを促進する理由

私たちは優れたコンテンツ〜私たちが愛するブランドマーケティングのあらゆる優れた面〜を、パフォーマンスマーケティングの優れた側面と融合させることができます。つまり、コンテンツをターゲットとし、パーソナライズし、それがどこで使われるのかを知り、誰に見られたのか、読まれたのか、共有されたのかを把握できます。

実のところ、人々はマーケターが最適化するコンテンツを望み、気に掛けています。コンテンツは人々の心を揺さぶり、楽しませ、彼らにインスピレーションを与えます。私たちが触発されるのはまさにそこです。

とはいえ、それが難しいことはわかっています。だからこそNewsCredが存在するのです。オーディエンスが何を気に掛けているか、彼らの心をとらえるにはどうすればいいかを既に皆さんは知っているのです。当社は独自のメソッド、フレームワーク、ソフトウェアで、皆さまをサポートしたいと考えています。

私は、現代の革命的マーケターが、マーケティングの未来を書き換えると信じています。我々は、人々が興味を失い、ブロックしてしまう広告から距離をとっています。マーケティングの未来はもっとクリエイティブなものであり、ひいては消費者にとってもより好ましいものとなるでしょう。そして、この革命にたずさわるすべてのマーケターは、大いに誇りに思うべきなのです。

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#ThinkContent 2017で登壇するNewsCredの共同創設者兼CEO、Shafqat Islam

Shafqat Islamは、NewsCredの共同創設者兼CEOです。

元記事「Welcome to the Performance Era of Content Marketing」は2017年5月22日にInsights.newscred.comに公開された記事です。

 

この記事はNewsCred BlogのShafqat Islamが執筆し、NewsCred パブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。

また、日本におけるNewsCred パブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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