プレゼン資料が読みにくい原因は“文字の組み方”にあった

プレゼン資料が読みにくい原因は“文字の組み方”にあった

本記事では、広告制作の現場で多数のビジュアル制作を手がけてきたアマナのデザイナーが、ビジネス資料をぐっと見やすく、伝わりやすくするための「文字の組み方」の基本ポイントをわかりやすく解説します。


プレゼン資料を制作する際、文字を流し込んだ結果「文字量が多くて読みにくい」「文字が詰まりすぎて内容が頭に入りにくい」「文字が多すぎて、資料の大切なポイントが伝わりにくい」と感じたことはありませんか?ご自身が制作した資料や、誰かの資料を見たときに、このような印象を受けた経験がある方も多いのではないでしょうか。

一方で、小説や雑誌のように文字量が多くても、ストレスなくスムーズに読み進めるものもあります。

同じ文字量にも関わらず、読む気がするかしないかの分かれ道、それはズバリ、文字を「流し込む」作業で済ませるのか、きちんと文字を“組む”意識を持っているかの違いです。

一般的な実務において、デザイン職のような専門性の高い知識は必要ありませんが、いくつかのポイントを押さえるだけで、資料の読みやすさは劇的に向上します。

ここでは、重要ポイントを押さえながら、読みやすい「文字の組み方」をご紹介します。


読みやすい文字の組み方

皆さんは、資料に文字を流し込む際、文字の大きさに対する行間(文章と文章の余白)を意識して組んでいるでしょうか?

一般的な文字組みのお作法として、文字の大きさの2倍の行間を設計すると読みやすいとされています。たとえば、文字の大きさが12ptであれば24ptの行間、18ptであれば36ptの行間を設定するイメージです。

文字組例1

とはいえ、ドキュメント資料に、そこまで十分なスペースを確保することは現実的に難しい場合もあります。文章と文章の間に空間がうまれるような、空気の層がス〜っと流れるようなイメージで文字を組むとよいでしょう。

また、紙媒体よりもデジタルが主流になりつつある現在、スマートフォンやパソコンで読む際のスクロール回数を減らすためにも「2倍の行間」を確保する必要はなくなってきています。

読みやすい文字を組む際のポイントは、文章と文章の間に一呼吸おける空間がある、感覚的に表現するなら、目に見えない空気の層がス〜っと流れるようなイメージです。

文字組例2


文字のウェイトの活用法

資料を制作をする際、太い文字・細い文字をうまく活用していますか?

文字の太さ・細さは「ウェイト」と呼ばれ、項目や段落の切り替え時に注視しやすくするために使用します。

英字フォントになると、ライト/ブック/ミィディアム/デミボールド/ボールド/ヘビーなど複数のウェイトが用意されているものもあり、さらに太さに加えてイタリック(斜体)がある書体もあります。これらを総称して「ファミリー/ファミリー書体」と呼びます。

文字の大きさと行間に加え、このウェイトを使いこなすことで格段に文字組みのレベルが上がります。結果として、読む側にとっても視認性が高く、見やすい資料になります。

文字組例3

文字情報を資料にただ「流し込む」だけで終わらせず、行間、ウェイト、文字サイズの緩急、心地のよい空気の層が流れているかをぜひチェックし、読み手に優しい資料制作を心がけてみてください。

文:前田直子(アマナ)

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