ロッテ|SNSで自然と話題にしたくなる企画とクリエイティブ

ロッテ|SNSで自然と話題にしたくなる企画とクリエイティブ

2024年の発売時には、皮のもちもち感と生クリームのふわふわ感が想像以上においしい!と大好評だった、ロッテの「生雪見だいふく」。さらにおいしく進化して、2025年1月28日に再び販売されました。そのキャンペーン施策のコミュニケーションデザインをアマナが担当。「ハムスターの後ろ姿と雪見だいふくって、なんだか似てるよね?」という、以前SNSで拡散された話題に全力で乗った、LPとビジュアル、ゲームコンテンツ制作について、アマナのプロデューサー・菱田陽子とプランナーの神田美咲に聞きました。

生雪見だいふくLPデザイン

「生雪見だいふく」2025年のLP。キャンペーンは終了しています。

すでにあるネットミームで話題化の文脈をつかむ戦略に

「生雪見だいふく」は、発想のおもしろさとあまりのおいしさから、発売と同時にあっという間に完売してしまった商品。買い逃した方やリピーターの熱い要望を受け、今年はさらに「おもち」が進化して、よりできたて感を味わえる生菓子として再登場しました。

発売がリリースされると、昨年以上に大きな話題に。待ち焦がれていたファンやまだ食べたことのない方たちからの待望の声が、SNSにもあふれました。

「あえてキャンペーンを打たなくても売れるであろうことはわかっている、期待感の高い商品でした。TVCMなどの広告に頼らずとも情報が拡散される施策は何か、プランナーにはその戦略を立ててもらい、クライアントに提案しました」(菱田陽子)

「ポイントにしたのは、アマナの強みを生かしつつ、売れる手法は何かということ。いろいろな施策の中でもX(旧Twitter)で話題になるのがいちばんコストコンシャスで、しかも拡散されやすいと考えました。世の中にはさまざまなネットミームがありますが、ネットにある話題化の文脈をつかめば、広告費を大きくかけなくても勝手に広がるかもしれません。何年か前にハムスターの白くてふわっとしたフォルムと『雪見だいふく』が似ていると話題になったことがあり、すでに存在しているミームからヒントを得ました」(神田美咲)

思わず並べたくなるようなハムスターの後ろ姿と「生雪見だいふく」をアマナが全力で撮影したらおもしろいのでは。そんな思惑に加えて、「どれが生雪見だいふく?クイズ」というゲームコンテンツにしようとアイデアがふくらみ、クライアントのOKも出てLP制作がスタートしました。

「どれが生雪見だいふく?クイズ」の画面。

「どれが生雪見だいふく?クイズ」の画面。

Xで拡散されるゲームコンテンツを作るポイント

コンテンツだけで話題を作るにはどうしたらいいのでしょうか。まず、ゲームコンテンツはX民との相性がいいと考え、TikTokなどではなくXでの展開にしぼりました。その際に、神田が注力したポイントは3つ。

1.ハムスターと「生雪見だいふく」をできるだけ似せる

ハムスターに負担をかけないよう、無理に演技をさせるのではなく、自然な動きを撮影する方針を徹底。そのうえで「生雪見だいふく」のほうをハムスターに寄せて似せるという演出意図を、ADはじめスタッフ全員に共有しました。撮影は専門家であるアニマルトレーナーの立ち会いのもとで行い、事前にテスト撮影を実施。ハムスターの行動習性を丁寧に観察したうえで、どのようなポーズが自然に引き出せるのかを把握し、本番で無理のない範囲で撮影可能なカットをあらかじめプランニングしておきました。

ハムスター1

生雪見だいふく1

2.話題化の理由は、「とにかく似ているから」だけではない

なぜ以前の「ハムスター×雪見だいふく」は、拡散されたのでしょうか? とことん似せればいいのではなく、ハムスターの「まんまるでふわふわな感じ」「雪見だいふくと同じ手のひらサイズ」という愛らしさにも話題化の理由があると分析。人の手にのせているカットで「まんまるふわふわ」な手触りを伝えたり、小道具でサイズ感を見せたりする工夫を行いました。

ハムスター2

生雪見だいふく2

 

3.オウンドメディアを軸に、UI/UXからキャンペーンまで一貫設計

リーチを稼ぐために、ロッテのオウンドメディア(「雪見だいふく」公式SNSなど)での告知を実施。SNSでシェアをすることでプレゼントがもらえるキャンペーンに設定し、自然とコンテンツが広がる仕組みにしました。また、LPを見たユーザーがスムーズにSNSに移行できるよう、UI/UXの設計を徹底的に。

生雪見だいふく3

「食べ物をおもちゃにしているように見えないように、またハムスターに無理をさせているように見えないように、撮影時にはあらゆることに気をつけました。拡散を狙ってはいても、ユーザーがネガティブな気持ちを抱いてしまったら元も子もありません。動物の撮影はとても難しく、やらされている感があると動物がかわいそう。一方で、商品である食べ物もおいしそうにシズル感ある表現で撮影をしたい。どちらのファンの気持ちも大事にしたいという思いを常に考えて、制作を進めました」(菱田)

食べ物のシズル撮影は、アマナの本領を最も発揮する部分でもあります。「生雪見だいふく」の特徴でもあるふわふわ感ともちもち感、そしてハムスターと見紛うようなまるっとしたかわいらしさ。2名のフォトグラファーが、「かわいくて、おいしそう」な表現を叶えました。

企画とクリエイティブの力で、話題にしたくなるコンテンツに

ゲームコンテンツは、どうしたらX民の皆さんが楽しんでくれるかを考えて仕立てることに。油断していると簡単には解けないし、「ちょっと難しい」絶妙なレベル感に設定しました。

「ADと相談して、トリミングにも凝りました。ゲームは7パターンを作成。違うパターンがあると、スクショしてシェアすることでさらに盛り上がるかなと。『他のパターンも見たいからあえて間違えてみたい』と、多くの方に遊んでもらえたようです」(神田)

解説用:正解と残念の画面イメージ

解説用:正解と残念の画面イメージ

キャンペーンが始まってすぐに、「#どれが生雪見だいふく」「#生雪見だいふくor ハムスタークイズ」がトレンドワード入り。検索ボリュームは前回よりも6%上昇、とX民の皆さんがおもしろがってくれた様子が見受けられました。

「クライアントからは、X上で話題を作る重要性がわかった、というコメントをいただきました。そもそも商品が持つ魅力の強さに加えて、ビジュアルの相似をゲームコンテンツ化したこと、SNSの中でもゲームコンテンツと相性のいいXに絞ったこと、ビジュアルのシズル撮影をきちんと行ったことなど、さまざまな要件を掛け合わせていい方向につなげることができました」(神田)

コンテンツだけで話題を広げるにはどうしたらいいのか、多くのヒントを得ることができました。

<スタッフクレジット>(すべてアマナ)
ビジネスプロデューサー:山本章夫、菱田陽子
プロデューサー:竹元正行、由良浩樹、埋金祐馬
プランナー:神田美咲、井川文恵
アートディレクター:岡田麻由子
Webディレクター:金本祐太郎
フォトグラファー:高橋草元 (ハムスター×商品)、大野咲子 (商品シズル)
レタッチャー:根本英明

これらの記事も読まれています
シズル撮影で魅せるハーゲンダッツ40周年のアニバーサリー感
「カゴメらしさ」を昇華させた、デザインアイデンティティ策定プロジェクト
シスメックス|企業認知度をアップする戦略策定とクリエイティブ制作

<記事制作>
取材・文:大橋智子
Top画像:中村圭佑

お問い合わせ先.jpg

メルマガ登録.jpg

PROFILE

菱田陽子

株式会社アマナ
菱田 陽子

株式会社アマナ
菱田 陽子

ビジネスプロデューサー。出版社や事業会社などでビジュアルディレクターとして撮影制作に従事したのち、アマナに入社。雑誌やwebでの豊富なファッション撮影の経験をもち、現在は企業の課題に応じた統合コミュニケーション企画を担当。編集視点を基軸としたプロジェクト設計と多様なクリエイターとの協業に強みを持ち、コンテンツを通じた企業価値の最大化に取り組んでいる。

株式会社アマナ
神田 美咲

株式会社アマナ
神田 美咲

プランナー。総合広告代理店、データマーケティング会社、フリーランスなどを経てアマナ入社。一貫して広告マーケティング業務に従事し、現在はプランナーとして事業会社の統合戦略企画を行う。中でも特にデジタルマーケティング分野は深い実務経験と幅広い企画経験を持ち、強みとしている。

SOLUTION

amana visual

amana visual

amana visualでは、フォトグラファー、レタッチャー、CGクリエイター、ムービーディレクターをはじめとしたビジュアル制作に携わるクリエイターのポートフォリオや、個性にフィーチャーしたコンテンツを発信中。最新事例等も更新していきます。

サービス資料ダウンロードはこちら

amana WEB PRODUCTION

amana WEB PRODUCTION

訴求力のある効果的なWebサイトをご提案

撮影、CG制作、映像プランニングなど、広告ビジュアル制作で培ったノウハウをフルに活用。写真やCG、動画などのビジュアル素材を効果的に用いたWebサイトを企画制作します。プランナーやWebデザイナーなどのプロフェッショナルが、お客様にとって効果的なプロモーションアイデアやキャンペーンプランをご提案します。

KEYWORDキーワード

本サイトではユーザーの利便性向上のためCookieを使用してサービスを提供しています。詳しくはCookieポリシーをご覧ください。

閉じる