コミュニティを活性化する3つの考え方

コミュニティマーケティングはブランドの独自性を発揮しやすい手法です。なぜなら、顧客と接点を持つことが前提にあり、顧客と関係性を構築して共にブランドをつくっていく考え方であるからです。

顧客と関係性を構築することで、よりブランドに強い愛着や共感を持つファンへと変わります。ブランドが自ら情報を発信しなくとも、ファンがSNSなどを通じてブランドについて発信してくれることがあります。

このような顧客やファンとの深い関係性のことを「エンゲージメント」と呼び、コミュニティが活性化している状態と言えます。今回は、コミュニティを活性化させる3つの考え方から、どのようにコミュニティを形成するかを考えていきます。

POOL型のコミュニティをつくる

はじめの考え方は、「コミュニティをどのような形態にしていくか」になります。ハーバード・ビジネス・レビューのブランドコミュニティに関する記事(https://hbr.org/2009/04/getting-brand-communities-right)にある「Three Forms of Community Affiliation」を参考に、以下の3つの形態を紹介します。

ブランドコミュニティの3形態 

①HUB型

中心的な人物との強いつながりと、お互いは弱いつながりを持つ形態。カリスマ的な人物がコミュニティの所属のポイント。

②WEB型

自分と似ているニーズを持つ人物と1対1の強い関係を持つ形態。個人的な関係がコミュニティへの参加のポイント。

③POOL型

共有された活動や目的、または価値観との強いつながりを持ち、互いに緩いつながりを持つ形態。共有された活動、目的、または価値観がコミュニティへの参加のポイント。

これまでのコミュニティ形成はHUB型かWEB型が中心でしたが、これからの時代のコミュニティ形成は、HUB型とWEB型の両方の要素が含まれるPOOL型がであると私たちは考えています。

ブランドを中心としたHUBと、同じブランドのファン同士の横のつながりを中心としたWEB型の要素を持って、ブランドとコミュニティへのエンゲージメントを高めて活性化するPOOL型で運営していくイメージです。ブランドとコミュニティ両方へのエンゲージメントやロイヤリティを高めていくことで、より多様な人たちを巻き込んでブランドをつくっていくことがPOOL型では可能になります。

株式会社アマナが展開するコミュニティマーケティングを構築するサービス「POOL」はブランドとコミュニティ両方のエンゲージメントを高める考え方に基づいて、企業のコミュニティの形成をサポートしております。

コミュニティに参加する習慣をつくる

続いてはコミュニティにどのように参加してもらうか?になります。ブランドのファンがコミュニティに参加するための仕掛けがコミュニティを活性化するためには必要です。

その際に、「お題の設定」と「行動の促進」の2点が重要になります。

お題の設定は、例えば、キャンペーンやコンテストなど、参加者に対してテーマを出すことです。ただ漠然と「参加してください」と訴えかけていては誰も参加してくれません。「私が解きたい!答えたい!」とファンが参加したくなるテーマの設定がコミュニティを活性化するためには必要になります。

行動の促進は、キャンペーンやコンテンツなどに参加してくれたファンに、参加を通じてどのような行動を起こして欲しいかを考えることです。例えば、SNSでシェアして欲しいのか、写真やコンテンツをアップして欲しいのかなどです。

ファンの発信によって、その友人や知人にリーチし、いいねやシェアでさらに拡散される。拡散が多ければ多いほど、ファンは自らの発信に価値があると感じて喜びます。リーチした人やいいねした人もキャンペーンに参加したくなったり、ブランドに興味関心を持つようになるという効果が期待できます。

ファンに参加を促すお題を設定し、その参加を通じて行動を促していくサイクルをつくることで、コミュニティに参加する習慣ができます。POOL型のコミュニティは、ブランドをもっと好きになってもらう仕掛けとファン同士をつなげる仕掛けの両方で、エンゲージメントを高めていくことができます。

コミュニティが自走するメンバーをつくる

最後はコミュニティに参加するメンバーのエンゲージメントが高まることにより、コミュニティを継続的に成長させていくことになります。コミュニティマーケティングは、「特定のブランドや商品、または企業を中心にコミュニティを形成し、そのコミュニティを活性化することによって、期待する行動を起こさせるマーケティング手法であり、中長期的な関係性を構築し、LTVの向上を目指す手法」であります。

そのためには、ファンが「ブランドの提供する価値に共感」することと、「他の参加者の価値観に共感」することの2つの共感が必要になります。以下の図のように、顧客の状態を区分して定義することが重要になります。

理想的な状態は、コミュニティメンバー(Member+Commiter+Leader)がコミュニティに参加し、コンテンツを発信したり他のユーザーを巻き込む存在となり、コミュニティに参加していない人に参加を促し参加させている状態です。

コミュニティメンバーがより参加したくなるように、企業は参加したくなる仕掛けや場といった外的要因をつくることによって、それらがトリガーとなり参加者がアクションします。さらに、参加の報酬や満足度を高めると今度は内的要因によって、次のアクションがつくられコミュニティが自走します。

コミュニティを活性化するためには、共感するコンテンツ・体験の継続的な提供が欠かせません。POOL型のコミュニティは自走するコミュニティメンバーをつくるのに最適で、そのメンバーが新しいメンバーの参加を促していく設計として有効です。

コミュニティは単なる施策ではなく、多くの人を巻き込んで関係性をつくる仕組みです。自分たちのブランドのファンを大切にして、共に成長していく姿勢を持って、コミュニティを活性化させていきましょう。

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