自社にコミュニティマーケティングは必要なのか? 〜実施するにあたっての「10の問い」〜

現在、コミュニティマーケティングを実施する企業が増えています。その背景には、企業のマーケティング活動における「3つの変化」により、顧客との関わり方に変化が生じているためです。

コミュニティマーケティングが注目される背景 〜企業のマーケティング活動における3つの変化〜はこちら

コミュニティマーケティングの定義

コミュニティマーケティングは、「特定のブランドや商品、または企業を中心にコミュニティを形成し、そのコミュニティを活性化することによって、期待する行動を起こさせるマーケティング手法であり、中長期的な関係性を構築し、LTVの向上を目指す手法」と私たちは定義しています。それは、「顧客と共にブランドをつくる」考え方であり、企業主体の「施策」ではなく、顧客を巻き込んだ「仕組み」をつくることであります。

一方で、背景や概念を理解しても、「実施するかどうかの判断が難しい」「どのようにはじめるのかノウハウがない」という声も多くあります。今回は、自社にコミュニティマーケティングは必要なのか?実施するにあたっての「10の問い」から、どのような目的でコミュニティマーケティングを実施すれば良いかを考えていきましょう。

既存のマーケティング活動を「10の問い」で評価する

はじめに、対象となる「ブランド」を選定し、以下の10の問いに答えてみてください。

1.ブランディング施策に予算を投資していない、もしくはできていない

2.新規顧客の獲得ができていない、または新規顧客による売上が減少している

3.既存顧客の継続購入・利用やリピートが減少している

4.顧客の声やデータを活用したマーケティング活動をしていない、もしくはできていない

5.既存顧客のフォローやサポートをしていない、もしくはできていない

6.昨年と同じようなマーケティング施策を実施している

7.顧客の声をもとに、新商品の開発や既存商品の改善ができていない

8.過去にコンテンツマーケティングやコミュニティマーケティングを実施したが失敗した経験がある

9.部署間の連携やコミュニケーションが不足している、もしくはできていない

10.PDCAのサイクルが遅い、またはPDCAするマネジメントが機能していない

次に、その要因を分析し、現在のブランドの状態及び自社にとって最も重要である項目を定義していきます。一人で分析するよりブランドに関わるメンバーで考えてみると、より客観的に現状を分析することができると思います。この10の問いのポイントは、自社のメンバーがブランドをどのように見ているか、何ができていて何ができていないのか、何をすべきなのかを可視化することにあります。

「10の問い」から読み取れること 

自社の状態と重要項目が把握できると、コミュニティマーケティングをどのような目的で実施するかが見えてきます。

例えば、重要項目が

1は、ブランディング(認知・エンゲージメントを高める)

2〜3は、パフォーマンス(売上を上げる、行動を起こさせる)

4〜5は、サポート(顧客の持つ課題を解決する)

6〜7は、コラボレーション(顧客との共創が行われる)

8〜10は、チームビルディング(社内で実施の方向性をつくる)

が、コミュニティマーケティングを実施するはじめの目的・役割になります。

全体を通して、自社のマーケティング活動が機能できていない状態で、重要項目が1〜7である場合は、コミュニティマーケティングの実施を検討してみてもいいかもしれません。既存の施策と組み合わせて、自社のブランドのことを知っている顧客とコミュニティの仕組みをつくるフェーズに移っていきましょう。

一方、マーケティング活動が機能できている状態の場合は、現在の活動からコミュニティを形成するための土台は出来上がっており、今すぐ実施ができる状態とみて良いと思います。これまでのマーケティング活動のノウハウや顧客情報を元に、コミュニティ形成をする準備のフェーズに移っていきましょう。

しかし、マーケティング活動が機能できていない状態で、重要項目が8〜10に該当する場合は、組織・チームが分断状態であるか、社内のコミュニケーションに問題がある状態かもしれません。コミュニティマーケティングを実施する前に、社内の状態を整備するフェーズからはじめましょう。なぜならば、この状態のまま実施をしている企業がコミュニティマーケティングを継続できない理由の大半を占めていると私たちは感じています。

自社の目的に合ったコミュニティを形成する

自社の状態を「10の問い」などでメンバーと客観的に診断することで、自社のマーケティング活動の強み、弱み、重要事項を把握することができます。

現状を把握した上で、どのような目的でコミュニティマーケティングを実施するのか、どのような課題を解決するのかを明確にすることが大切です。自社の目的に合ったコミュニティを形成することが、自分たちならではのマーケティング活動を実現することにつながるからです。

冒頭にも申し上げましたが、コミュニティマーケティングはコミュニティを活性化することによって、期待する行動を起こさせるマーケティング手法であり、中長期的な関係性を構築し、LTVの向上を目指す手法です。中長期的に継続することで成果を上げていく結果、企業やブランドにとっては欠かせない活動になっていくのです。

コミュニティが注目される背景やコミュニティマーケティングの概念を理解し、自社の状態をメンバーと定義した上で、何を実現するためにコミュニティを形成するのかの目的を決めることからはじめていきましょう。

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