note投稿コンテスト応募数4,000以上。キリングループnote開設の施策とは?

文明開花華やかなる明治時代の1888年、
「新時代の飲み物」として「キリンビール」の発売以来、
常に日本人の生活に寄り添い 「食と健康」の新たなよろこびを広げ、
こころ豊かな社会の実現に貢献し続けるキリングループ。

そんなキリンは今年の春、新たにnoteアカウントを開設。キリンの長文コンテンツとして、お酒の楽しみ方が知れたり、進行中プロジェクトの様子も覗けます。さらにユーザーが誰でも気軽に参加できる投稿コンテストを実施すると、4,000を超える応募があるほど話題に。
キリングループインタビュー前編では、「本搾り™」の担当をされているマーケティング部の原田桃子さんも同席して頂いて、デジタルマーケティング部の平山高敏さんにnote開設の背景をお伺いしました。

ファンと一緒に「これからの乾杯」を一緒に考える場として、noteのアカウントを開設

ーーまずはnote開設の経緯をお伺いしたいです。

平山 高敏さん(以下、平山さん):僕はキリンに入って1年半くらいですが、前職では『ことりっぷ』というブランドで旅好きなユーザーさん同士が旅先の情報を共有できるコミュニティを運営していました。そこで感じたのは、ブランドのコアなファンの方たちは、ブランド愛があるだけでなく、ブランドの「これから」を一緒に考えてくれる熱量を持っているということ。その熱量を起点にした活動を可視化できれば、これまでのようなマス型ではないマーケティングができるのではないかという予感がありました。

キリンに入社してからは、「DRINX」というECサイトの読み物コンテンツも担当しています。「このお酒にはこの料理が美味しいよね」といったペアリングの紹介なども行なっていますが、もっと造り手さんの思いに触れた方がいいのではないかと感じました。実際にウイスキーのブレンダーさんやビールの造り手さんに話を聞きに行くと、彼らはめちゃくちゃ想いがあるし話自体がすごく面白くて。特に僕は外から来た人間なので「この話を聞かせないのもったいない」と思ったんです。まずは、こちらから主語を伴って想いを伝えること。その想いに共鳴してくれる熱量のあるファンとゆるいコミュニティを形成し、一緒に育てていきながら広げていく方が健全だと思ったんですよね。そういった取り組みを行っていく場として、長文で素直に想いを伝えつつ交流もできるnoteがぴったりだったんです。ファンと一緒に「これからの乾杯」を考える場として、noteのアカウントを開設しました

ーーどのようにnoteでファンと交流をしていくのでしょうか。

平山さん:「一緒にこれからの乾杯を考えていきませんか」と読者に問いかけをすることで、発信してもらうきっかけを作れたらと思っています。そして読者とnote上でゆるやかに対話することで熱量を可視化できれば、今までと違うアプローチができるのではないかという期待がありました。そういう目的でnoteを開設した直後に「本搾り™」のファンミーティングの話があり、想いを伝える場としてnoteで記事化した方が「届く」と思い記事を作成したんです。

造り手の顔が見えやすいブランドは特に、noteと相性が良いんですよね。たとえば、キリンのクラフトビールブランドのSVB(SPRING VALLEY BREWERY)では、地域の農家さんとコラボしたビールを製造、販売して地域のPRに繋げる「FARM to SVB」という取り組みを行っています。noteでは、その様子を実況中継するように、ブランドの「今」を伝えることを始めました。こういったブランド側の主語を元に共感してくれる方を集めるという活動がnoteの役割のひとつ

もうひとつは、その周りにある「暮らし」の部分にキリンが寄り添っていくこと。noteとコラボして「#社会人1年目の私へ 」と「#あの夏に乾杯 」をテーマに投稿コンテスト開催したところ、3000〜4000件ほどの素晴らしい投稿がたくさん届きました。今振り返って思うのは、noteのクリエイターは、過去を振り返って自分をさらけ出す瞬間をずっと待っていたのかなということです。書くきっかけを与えることができたのは良かったと思い。投稿されたエピソードは直接キリンには関係ないかもしれないけど、きっかけを与えられたことで「いい機会をいただきありがとうございます」という言葉もたくさんいただきました。

ーー直接キリンに繋がりがないところでも、読者やファンにきっかけを与えられるのはすごいですね…!noteの投稿コンテストを実施したことで何か変化はあったのでしょうか。

平山さん:「#社会人1年目の私へ 」で入賞した方が、率先してイベントを実施してキリンの商品を宣伝してくれるようになりました。「平山さんイベント来てください」と呼ばれたり、「キリンのことみんなでアピールするのでビール提供してもらえませんか」と言われたり。自らキリンの広報大使になってくれているのがすごくいい傾向だなと思っていて。投稿コンテストがきっかけで書くことが好きになったり、noteの人と仲良くなれたのもキリンのおかげという方もいて、すごく嬉しいですね。

まずは多くのユーザーが自ら発案することがゴール

ーーnoteの中には、オンラインサロンのメンバー募集記事もありましたよね。

平山さん:先日オンラインサロンの『KIRIN BEER SALON』を始めました。ビールについて学べるビールセミナーは横浜の工場でずっと行なっていましたが、もっとひろがりのある取り組みにしたいという課題があったんですよね。私の今までの経験から言うと、もっとビールを語りたい人はいるし、ビールが好きという切り口でなくても、クラフトビールを中心としたカルチャーに興味がある人たちも非常に多いと思っていました。

そういった人たちにアプローチする施策として、計5回のリアルなセミナーをパッケージングした、人数限定のオンラインサロンを開設することにしました。今までのビールセミナーはキリンの社員がセミナー講師としてビールについて教えていましたが、サロンでは地域のブルワリーの店主さんや、ビールジャーナリストさんなどを呼んで対談をします。さらにビール造りも体験をし、卒業。オンラインでもFacebookグループでコミュニティを作るので、交流も続きます。

『KIRIN BEER SALON』の募集記事の中でも、ビールジャーナリストとキリンのセミナー講師が企業の背景は無視して、クラフトビールなどについて語ってもらっています。最後に「ビールのこれからをみなさんと一緒に考えていきたいので、参加しませんか?」と呼びかけた結果、募集人数をはるかに超える応募がありました。
こういったファンが集うコミュニティがあることで、私たちが何か新しい取り組みを行う際に、1番最初に相談しにいける場になると思っています。そういったコミュニケーションを通じて、ファンの方からプロダクトやサービスについて語りだす状況が生まれることを期待しています。そういった文化をnoteであれば形成できると思いながら、「ユーザー起点」の企画を打ち出してい来たいと思っています。

ーー会社からの成果指標のようなものはあるのでしょうか?

平山さん:noteはこれから指標を作っていく段階ですね。広告で広めるのではなく、ユーザー自身から広めてもらうことを目的としている以上、「キリンのこのコンテンツいいよね」とどれだけ言ってもらえるかがひとつの指標になると思います。多くのユーザーがこちらからのコンテンツを起点に発信することがひとまずのゴールですね

キリンのnoteにもイベントレポートが上がっている「本搾り™」のファンミーティング。応募者が2000人と殺到した大人気イベントの第2回が11月22日に開催決定しました。
イベント詳細・応募は下記リンクを要チェック。
https://www.kirin.co.jp/campaign/alc/HS20191016/

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