コンテンツマーケティングの戦略的始め方

コンテンツマーケティングを始めようとしている方、または、とりあえず始めたもののうまく行かない…という方のために、コンテンツマーケティングの始め方を解説したいと思います。

コンテンツマーケティングに対する、ありがちな2つの誤解

多くの方が、「コンテンツマーケティング=オウンドメディア運営」だと捉えているのではないかと思いますが、そうではありません。

以前にも書きましたが、もう一度コンテンツマーケティングの定義を確認すると、「コンテンツマーケティングとは、有益で説得力のあるコンテンツを制作・配信することによって、ターゲット・オーディエンスを引き寄せ、獲得し、エンゲージメントをつくり出すためのマーケティングおよびビジネス手法(『エピック・コンテンツマーケティング』(ジョー・ピュリッジ著・日本経済新聞社))」です。

ですので、あくまで、“自社のコンテンツ”を発信する場の一つがオウンドメディアであって、オウンドメディアがなければコンテンツマーケティングが出来ない、ということではありません。

また、もうひとつの誤解として、「コンテンツ=記事」という捉え方です。これも、間違いです。

コンテンツマーケティングにおける“コンテンツ”には、ざっと挙げただけでも下記のように多岐にわたります。

コンテンツマーケティングにおける“コンテンツ”とは?

http://www.smartinsights.com/wp-content/uploads/2012/05/content-matrix.jpg よりアレンジしています

こうして見ると、コンテンツマーケティングを始めるにあたって、ゼロから膨大なコンテンツを作らなくても、既に自社の中に活用出来るコンテンツがたくさんある、ということに気づく方もいらっしゃるかも知れません。

このように、コンテンツマーケティングとは、最近出来た考え方ではなく、昔から、あらゆるマーケッターが自然と取り組んできたものを体系化し、戦略的に実施しようとする考え方だ、と言えると思います。

コンテンツマーケティングを戦略的に始めるには?

では、どのようにすれば、コンテンツマーケティングを戦略的に始めることが出来るのでしょうか?

まず、以下に、コンテンツマーケティングを実施する際の、一般的なサイクルを示します。

コンテンツマーケティング運営サイクル

コンテンツマーケティング運営サイクル

この図にあるように、いきなりコンテンツを作り始めたり、また、とりあえずブログを立ち上げて記事を書き始めたり、ということをせずに、まず、しっかりと全体の戦略を設計することが重要です。

その戦略策定には、上記に記載しているように、以下の要素が必要となります。

・目的・ゴール設定
・KPI設定
・ペルソナ設定
・カスタマージャーニーマップ作成
​・コンテンツプランニング

コンテンツマーケティングは正しい戦略設計が必要

コンテンツマーケティングは正しい戦略設計が必要
 

戦略設計フェーズにおけるポイント

1.じっくりと戦略を練る

ここで重要になるのは、「この一連の各作業を時間をかけて丁寧に行う」、ということです。カスタマージャーニーマップを作ってみると分かると思いますが、ターゲットとなる見込客は、あらゆる場所で、さまざまな情報に触れ、意思決定をしていきます。そして、ゴールに至るまでの各フェーズにおいて、必要とする情報も異なります。これを、出来る限り、設定するペルソナの動きを予測し、必要なタイミングで必要な情報を届ける、という観点で、どこにどんなコンテンツを配置するか(=どの媒体を通して、どんなコンテンツを配信するか)、を設計する必要があります。

2.ゴール設定と連動してコンテンツを絞る

また、どこにどんなコンテンツを配置するかを決めたら、それを全て作っていくと膨大な量のコンテンツが必要となりますので、設定するゴールに合わせて、どんな種類のコンテンツから制作すべきかの優先度をつけて、制作していくことが重要となります。目的・ゴール設定における注意点でもありますが、最初からゴールを「売上の向上」などと設定をしてしまうと、成果がすぐに表れず、経営層に対しての説明にも困りますし、現場のスタッフのモチベーション低下にもつながります。ですので、最終的なゴールは「売上の向上」であったとしても、その手前の、初期段階、あるいは、中間地点でのゴールの設定を行い、その達成のためのコンテンツ作りからスタートをする、ということが非常に重要となります。

3.KPI達成のために広告の併用も含めたプランニングをする

コンテンツマーケティングは、一般的に成果が目に見えるまで時間がかかると言われています。実際、最低でも3~6か月はかかるでしょう。だからといって、その間、ただコンテンツを作っているだけで何の成果もなければ、経営陣から「やめてしまえ!」と言われかねません。そこで、オウンドメディア等へのアクセスが少ない初期段階においては、広告による誘導も、並行して実施する必要があるでしょう。この段階で利用する広告メニューとしては、コンテンツ自体を拡散させるレコメンドエンジンがおすすめです。1クリック当たりのCPCも、リスティング広告などと比べると10分の1程度から出稿が可能です。まずは、じっくりと練って質の高いコンテンツをいくつか作成し(もちろんCTAをつけて)、そのコンテンツに対して広告から誘導をかける、ということからスタートするのがよいでしょう。

このように、コンテンツマーケティングを開始する際に、いきなり、やみくもにコンテンツの制作を行うのではなく、十分に時間をかけて、戦略設計を行うことが重要です。既にメディアを運営していて、なかなか効果が表れないという方も、これから新たにコンテンツマーケティングを始めようという方も、まずは、誰に、いつ、どうやって、どんなコンテンツを、何のために提供するのか、ということを検討することをお勧めします。


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