BtoB企業が扱う製品・サービスは、専門性が高く言葉で説明するのが難しいことも。その場合、コーポレートサイトにWeb動画を掲載し、伝えていくのが有効です。BtoB企業こそWeb動画を取り入れるべき理由やメリットを、株式会社アマナでweb動画広告をプロデュースする土井俊介が説明します。
BtoB向けにWeb動画を作りたいという企業はけっこうあり、BtoC向けよりも、より実用的な使い方が見込めます。
その活用例の1つが展示会です。
以前は、ブースに人が立っていて、スタッフが製品やサービスの魅力を語っていましたが、最近では、Web用の動画を流す企業が増えてきています。
なぜかというと、セールスは、経験や社歴などによって、製品・サービスの知識深度に差があったり、セールストークのスキルに差が出てきてしまいます。誰もが同じレベルで営業ができればいいのですが、“人”の能力に依存する営業になると、売り込める人と売り込めない人と格差が出てきてしまうのです。
でも、しっかり練られた製品・サービスの魅力を伝える動画があれば、セールススキルの差を埋めることができます。つまり新人でも豊富に経験がある人でも、動画を使うことで売り込み先の企業に製品・サービスの魅力を正しく伝えられるのです。
展示会を例に出しましたが、展示会に限らず、動画を使ったセールスは、普段の営業活動にも活用が可能です。
BtoC向けのWeb動画広告は、ユーザーの共感性を得られればクオリティは素人っぽい映像でもいいとお伝えしましたが(「“自分ごと”で関心UP! パーソナライズされたWeb動画コンテンツを作るための視点」を参照)、BtoB向けの場合はその逆で、動画のクオリティは高い方がいいのです。
BtoB向けの商材は、専門性が高い上に金額も10万円以上といった高額になるので、企業が製品・サービスの導入を考える場合、他社製品と比較検討するのが前提です。購入を考える企業側は慎重になり、まずはネットで検索し、製品・サービスの情報だけでなく、販売している企業が、信用できるかどうかという点までリサーチをします。
そこで重要になるのが、動画映像の質です。
BtoC向けのように、スマホで撮影したようなカジュアルなクオリティの動画だと、その印象がそのまま製品・サービスのクオリティとして認識され、選択肢から外されてしまうことも。一方、上質でこだわりを持って作られた Web動画なら、その高いクオリティが製品・サービスの印象になり、購入まで繋がる可能性が高くなります。
また動画の質と同様に大切なのが内容、つまりコンテンツの質です。
企業がやってしまいがちなのが、スペックを並べるだけのWeb動画。コンテンツ作りの視点は、BtoBもBtoCも同じで、購入を考えている企業(ユーザー)に対して、「その製品がどれほど有益なのか」を伝えることが一番で、情報量が多くなりすぎない、尺が長くなりすぎないことがポイントです。
BtoB向けのWeb動画の場合、コーポレートサイトでアップすることが多いので、尺が決まっていないことがほとんど。言いたいことを詰めようと思えば詰められるのですが、長尺で、情報量が多すぎると、最後まで見てもらえず、結局何が言いたかったのか伝わらないという結末に……。
購入を検討する企業は、先ほども述べたように、明確な目的を持って、他社と比較検討すされていることを意識して、強みを整理。長尺にならないよう、伝えたいことを複数の動画に分けて作るのがいいでしょう。
複数できたWeb動画は、売り込みたい企業に合わせて動画をカスタマイズして提案することもでき、企業側の理解も深まります。
Web動画を採用するのにおすすめの企業は、精密機器業界やプロダクト系、また「今ないものをリアルに表現したい」といった企業におすすめです。
動画は、カメラを回して撮るだけでなく、アニメーションや3DCGといった方法もあるので、無形商材でも企業が伝えたいことをビジュアル化し、複雑なものでも顧客にわかりやすく伝えられます。
また、 Web動画を複数用意してコーポレートサイトなどに置くことで、コンテンツマーケティングとしても活用ができます。たとえば、「この動画をここまで見た人は感度が高く成約に繋がった」などのデータを取っていくことで、潜在顧客の発掘に繋がり、ビジネスに役に立つのではないでしょうか。
インタビュー/園田奈々
写真/(c)Image Source/amanaimages
デザイン・作図/下出 聖子(amana design studio)
BtoB企業のセールスは、営業能力の差によって、顧客への情報の伝わり方に差が生じることがありました。しかし、Web動画広告を活用することで、誰に対しても同じようにその商品の強みを適した見せ方で伝えることができます。その際に重要になるのがコンテンツのクオリティです。クリエイティブの質の高さはもちろん、顧客にとって有益だと思える情報を明確に伝えることができれば、他社との差別化もでき、インバウンドマーケティングにも活かすことが可能になります。