Instagramの企業アカウントをうまく運営できているか、何に基づいて測定すればいいのでしょうか。またそれは、どのくらいのスパンで測定し、フィードバックしていくべきなのでしょう? 今回は、Instagramの効果測定についてお伝えします。
あくまで標準的なものですが、企業Instagramを運営していくうえで、KPIとして設定するものは以下の3つが多いです。
・Instagramアカウントのフォロワー数
・連携している自社サイトへの遷移数
・Instagram経由でのカートイン数 (購入機能を使っているアカウントのみ)
1つ目のフォロワー数はわかりやすい指標ですが、実際はどれくらいの数値を目標にするのがいいか迷うところ。キャンペーンを実施したり、インスタグラマーを起用したりしたうえで、1万フォロワーを達成するまでに平均で2年かかるとされているので、半年で2500人ずつフォロワーを増やしていくことをKPIにしてみるのもいいでしょう。
2つ目の自社サイトへの遷移数は、Instagramに記載している企業のウェブサイトやオウンドメディアに遷移したPV数のこと。最初から数値を決めるのは難しいので、3ヶ月〜半年ほどは計測して様子を見つつ、具体的な数値を決めていきましょう。
3つ目のカートイン数は、ShopNow機能を利用してInstagramから商品を購買できるようにしているアカウントの場合、重要な評価指標になります。
KPIを継続的に計測していくと、「フォロワーが◯◯人増えると、PV数が◯◯上がる」というふうに傾向がわかるようになり、KPIの数値も統計的に算出することができ、現実味のある数値を設定できますね。
KPIはアカウント全体の効果を見ていくものですが、それとは別に投稿ごとの数値も見ていきましょう。そのときに指標となるのが投稿ごとのエンゲージメント数です。エンゲージメント数を継続的に見ていくことで、ユーザーに響くコンテンツの傾向がわかります。
たとえば健康志向のユーザーを対象にしたある飲料メーカーのアカウントでは、商品紹介の投稿や、モデルを起用したライフスタイルを感じさせる投稿よりも、その飲料を使った健康レシピや日常に取り入れられるストレッチのやり方など、ノウハウ系のコンテンツのエンゲージメントが高くなりました。
この結果を企画の参考にすることもできますし、ノウハウ系コンテンツの比率を増やすのも効果的ではないでしょうか。
Instagramには世界中の情報が集まるため、今や検索エンジンとしての役割が大きくなっています。特に10代〜20代の女性はInstagramを検索エンジンとして使用している人も多く、気になる商品があればブランドのアカウントやUGCを検索しますし、旅行先で泊まるホテルや観光スポットなどもハッシュタグやスポット情報を使って検索する人が多いのが現状。そのため、投稿数の多いハッシュタグを付けて投稿すれば、ユーザーに発見される確率も上がります。
さらに、ハッシュタグは効果測定にも有効なんです。オリジナルのハッシュタグを作り、その投稿数を見ていくと、ブランドの人気度合いやユーザーの自発的なファンポスト数を測ることができます。また、キャンペーンごとにオリジナルハッシュタグを作ればキャンペーン自体の効果測定がしやすいですし、ハッシュタグ自体の認知度を上げることにもつながりますね。
KPIやエンゲージメント数を、どのくらいのペースで推移を見るべきかも悩みどころ。実際に企業アカウントの企画を立て、運用するときは2週間ごとに計測して共有しつつ、3カ月ごとに数値から見えてきた傾向や改善点をレビューすることが多いです。出てきた結果をコンテンツ作りに活かしながら、アカウントを育てていきましょう。
Instagramは短期間ですぐに成果が出るものではないので、少なくとも半年〜1年は最初に決めたトンマナを変えず、同じチームで運営を続けたいもの。そのためにも、見切り発車をせず、スタート時に目的や目標設定をしっかり行うことが理想です。
Instagram運用の最終的な目標(KGI)を何にするかによって、どのような数値をKPIに設定するかが変わるので、自社に合うKPIを見極めることも必要です。また、Instagramは効果が出るのに時間がかかるもの。方針をぶらさず、長い目で見て運営していくことが求められています。
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テキスト:吉永美代 トップ画像・作図:メルクマール