Instagramを使って購買行動を促すには? 導線の作り方とリピーターを生むポイント

企業でInstagramを活用するとき、目標として設定されることも多い売上への貢献。今回は購買行動につなげるためのInstagramの機能と、リピート購入を増やすために意識するべきポイントをお伝えします。

購買機能を使う前に、まずは自社アカウントを見直そう!

ここでは、企業やブランドのInstagram運用を4つのステップで考えていきます。今回はステップ4「アクションにつなげる」について解説します。
ステップ1ステップ2ステップ3も合わせてご覧ください。

Instagramのいいところは、購買行動につながりやすいよう設計されている点。Instagramに備わっている機能を使えば、検索から購買までの導線が明確になります。

しかし、最初から購買だけを目的としてしまうのは危険! ブランドや製品が認知され、フォロワーが増えた状態でなければ、せっかくの購買機能も十分な効果が発揮されません

【思わず見たくなるアカウントを作るには?】

見たい!と思われるInstagramのアカウントを作るには、Instagramの特性を解説したvol.3でもお伝えした3つポイントをおさえましょう。

◆コミュニティとして機能しているか
コメント欄でユーザーとやりとりしたり、アカウントオリジナルのハッシュタグを作って、ブランドや製品についてのファンポストを引き出したりと、企業とユーザーがお互いに好意を送り合う関係性ができていますか?

◆毎日見たくなる“メディア”になっているか
トーン&マナーを守っていることはもちろん、時代性や季節を感じさせる内容を挟みながら、“今この瞬間”に知っておきたい情報を日々投稿できていますか?

◆ユーザーの生活に寄り添う形でブランド・商品の魅力を伝えられているか
企業やブランドが伝えたい世界観を反映しつつも、ユーザーのライフスタイルに合わせた身近な雰囲気でブランドの魅力を伝えられていますか?

 

購買につながるInstagramの機能

Instagramに備わっている購買につながる機能とは、一体どのようなものがあるでしょう? 近々日本でも導入が検討されているものも含めて紹介します。

◆ShopNow(ショッピング機能)
2018年6月にリリースされた「ShopNow」は、投稿に製品タグを付けることでInstagram内の製品ページへ遷移させ、その後企業が持つECサイトへ飛ばすことができる機能です。

まずFacebookページを新設し、Instagramアカウントと連携。Facebookのカテゴリを「ビジネス」に変更し、「ショップ」セクションにECサイトで販売している商品と遷移先のサイトURLを設定すると、Instagramのフィード投稿やストーリーズに商品タグを貼ることができます。

今やInstagramは検索ブラウザとしての機能も果たしており、購入検討段階でInstagramのブランドアカウントやユーザーの投稿を見るユーザーもたくさんいます。「ShopNow」を使うと検索から購入までの導線がシームレスになり、コンテンツを発信すればするほど購入アクションの機会も増やすことができます。 

◆IGTV
「ShopNow」と同じく2018年6月にローンチされた長尺動画アプリ「IGTV」、特徴は大きく5つあります。

・スマートフォンで見やすい縦長フォーマット
・動画にリンクを設置でき、他サイトへの導線を作ることができる
・商品の詳細情報を掲載できる
・最長60分の長尺動画を配信できる
・ユーザーの視聴の妨げとなる広告が表示されない

海外では、ルイ・ヴィトンがファッションショーやデザイナーのアトリエでの様子を配信したり、ナイキが目標に向かって努力するアマチュアアスリートの姿をおさめた動画を掲載したりと、さまざまな企業が活用しています。

左端・中央左:ルイ・ヴィトンのIGTV、中央右・右端:ナイキのIGTVより。

一方、IGTVを使って購買を伸ばした国内の事例といえば、アパレルブランドのAKTE(アクテ)です。

アクテのIGTVより。

そのシーズンの新作を商品画像で訴求しつつ、スタッフがアイテムを着て、ポイントを説明していくというスタイルです。ECサイトなどに掲載されている画像だけでは、着用したときの形や体への馴染み具合がわかりづらいことも多いですが、着用の様子を動画で伝えることで、ユーザーが購入を検討しやすいようにしています。

◆Checkout
3つ目は、現在アメリカで数社がトライアル中の「Checkout」機能について。日本ではまだ導入されていませんが(2019年10月現在)、近い将来のリリースが予想されるので、概要を把握しておきましょう。

「Checkout」は「ShopNow」と違い、ECサイトに遷移させず、Instagram上で決済までできるというもの。フィード投稿にもストーリーズにもタグを挿入でき、検索から購入までの流れをシームレスに完結させられます。また、InstagramのDM(ダイレクトメッセージ)でオススメの商品を友人にシェアできるのもいい点です。

ユーザーと深い関係を築くための次の一手とは?

Instagramのビジネス活用の目標の1つは、「認知→理解→共感→購買」を循環させること。Instagramは企業が持つコンテンツを発信する有効なツールですが、あくまで1つの点でしかありません。この輪を循環させるためには、Instagramだけで完結させるのではなく、ターゲット層のファネルに応じたさまざまなコンテンツを充実させていきましょう

たとえば、ブランドをもっと深く知りたい人のためにWebサイトのコンテンツを充実させたり、同じコミュニティの人と出会えるリアルイベントを実施することが挙げられます。こうした拡張施策を並行して行うことで、コミュニティの中でのブランドへの愛が大きくなり、リピーターが育つことにつながっていくのではないでしょうか。

まとめ

Instagramに備わっている購買につなげるための機能は、ShopNow、IGTV、Checkout(日本未導入)の3つ。安易に導入するのではなく、まずブランドや製品が認知され、フォロワーが増えた状態であるかを確認してみましょう。導入後もファンとの関係を深めるために、Webサイトのコンテンツの充実や、リアルイベントの実施も積極的に行っていくといいでしょう。

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テキスト:吉永美代 トップ画像・作図:メルクマール

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