今や企業のマーケティング手段のひとつになっているInstagram。ここでは投稿写真に添える“文章”に注目。ユーザーの興味を引き付けるため投稿文の書き方のポイントをご紹介します。お手本にしたい企業アカウントもチェック。
Instagramのメインは写真ですが、それと同じぐらい大切なのが、写真に添える“文章”。写真と文章をセットにすると、商品やサービスの世界感をより丁寧に表現でき、伝えることができます。
そこで気をつけるべきは、文章のトンマナ(トーン&マナー)が整っているか、商品・サービスのターゲット層・ペルソナに合う文章になっているか、その長さは適当かという点です。
まず、文章のトンマナは、写真と同様の考え方で揃えられます(vol.1参照)。
一方、ターゲット層・ペルソナに注目する理由は、ユーザーが共感しやすい文章や絵文字の使用頻度に影響してくるからです。たとえば、ビジネス向けアカウントで、絵文字を多用し、文章も浅いものだとビジネス感はなくなり、ユーザーの満足は得られません。また、若者向けアカウントなのに、かしこまっていて長い文章を投稿すれば、若いユーザーは途中で離脱し、伝えたいことが伝わらないということも。
このように、自社の商品・サービスのターゲットに合った文章と文の長さを見つけていくことは、Instagramを運用するときには大切なのです。
どんなテイストや長さがいいのかを知るなら、ターゲット層に人気のあるアカウントをチェックし、研究するといいでしょう。ただ、文章の長さについては、その商品・サービスが、書店系やカルチャー系のアカウントなら、文章が多少長くても読んでもらえるという傾向もあるので、ターゲット・ペルソナをきちんと設定して、仮説をたてながら投稿していくことも必要です。
Instagramユーザーはすべての投稿を文章までくまなく読んでいるわけではありません。写真から文章まできちんと読んでもらうためには、ちょっとした工夫も必要。Instagramのフィードを見ると、写真の下に見える文章の文字数は数十文字程度しかありません。それ以上は「続きを読む」を押さないと読めないようになっています。
つまり、見えている数十文字でいかにユーザーに興味を持ってもらえるかがポイントになります。この最初の部分は、雑誌でいう小見出し。続きを読みたいと思わせるように、いちばん伝えたいことや結論から書きましょう。
文頭には、伝えたいことはもちろん、気持ちが動く言葉を盛り込むと読んでもらいやすくなります。たとえば、寄せ鍋のレシピを投稿するとして、レシピ名の「寄せ鍋のレシピ」と書くのではなく、「寒い夜には体の芯まで温まる寄せ鍋レシピ」というように、シーンを連想できる書き方をするという感じです。気持ちを動かす一言があるだけで、ユーザーは共感し、興味を持ってもらえるのです。
さらに、少し手法は違いますが、写真の上に伝えたいテキストを載せるという手段もあります。この方法は、スクロールしていても写真と文章が自然と目に入ってくるので読んでもらえる可能性もアップ。ただ、デザインの質にも関係してくるので、クリエイティブに長けているメンバーがいるかどうかにも左右されます。
上記を踏まえ、文章の書き方を見本にしたいアカウントをセレクト。ポイントの解説と一緒にご紹介します。
【ここがポイント】
日本の工芸品をベースにした生活雑貨を展開するアカウント。各投稿、1文目がキャッチコピーのようになっているのがポイントです。「出番を待つ、迎春のお飾りたち。」、「気鋭の工芸メーカーが集結する展示会、開催中。」というように、商品の特徴やイベントの概要が一言でまとめられていて、投稿の内容がフィード画面だけでわかります。続きの文章は、絵文字を使わず、ですます調の優しい雰囲気。メインのユーザー層である、大人の女性を意識した書き方がされています。
【ここがポイント】
ネット専用のインテリアショップ「Scope」のアカウントは、クスッとしてしまうユニークな文章が特徴的。まるで友人と話しているような軽やかな文章からは、店主の人柄が伝わってきて親近感を覚えます。買い付け中の様子や感想など、商品紹介以外の投稿も多数。エッセイを読んでいるような面白さがあり、直接商品を紹介していなくても、ショップに興味を持ってもらえるきっかけになりそうです。
【ここがポイント】
コスメやスキンケア用品を紹介するアカウントで、コスメアイテムの切り抜きとともに、テキストを載せています。写真1枚に言いたいことを集約。手書き文字や絵文字を用いることで口コミ感も演出しています。それでいて見出しとなる大きめの文字と小さめのテキスト文字、マーカーを使うなどメリハリがあり、読みやすく工夫されています。
Instagramは、写真などのビジュアルはもちろんですが、それを補足する文章の役割も大きいもの。ユーザー層によって響く書き方も変わるので、企業のカラーを理解して、画面の向こうにいる人をイメージしながら文章を作ってみましょう。
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※TOP画像は、中川政七商店の投稿写真を使用しています。