企業やブランドのInstagramのビジネス活用を成功へ導くために、運用を始める際にチェックすべき項目は何でしょうか?事例を交えながらお伝えします。すでに運用を始めている人も、これからの人も、今一度具体的な目標を設定し、戦略を立てましょう。
Instagramをビジネスで活用するといっても、その目的は企業によってさまざまです。もし、まだ何のためにInstagramを運用するのか決められていなければ、次の3つを参考にしてみてください。
Instagramのビジネス活用で目標とすべきゴールの1つめは、ブランドの価値向上。その成功事例として紹介したいのが、リプトンジャパンのアカウントです。以前はイベント情報を中心に発信しているアカウントでしたが、商品を取り入れたライフスタイルを見せていくスタイルにシフトチェンジ。
“期間限定店をやっている紅茶ブランド”というだけではなく、商品も含め、より包括的に「リプトンを飲む人が自然体でいきいきとして、前向きな気持ちで一日をすごせる」というコンセプトをビジュアルに落とし込み、「人生を豊かにするお茶」というブランドイメージを表現しています。
ブランド・ショップのリピーターや固定客を増やし、ロイヤリティ向上を目的としたアカウントも多数存在します。世界各国でコワーキングスペースを提供し、そこで出会う人々のビジネス拡大をサポートするWeWorkもその1つ。
WeWorkで出会い、ビジネスが広がった入居者の様子や各拠点のファシリティ、周辺情報などが投稿されています。
また、ストーリーズには、ロンドンやニューヨークなど世界中の拠点の様子がアップされ、各拠点の雰囲気を感じることができます。
こんなふうに楽しそうな様子がアップされると、「ここで仕事したい!」、「このコミュニティに参加したい!」という気持ちが高まりそうじゃないですか?
こうして既存顧客のブランドに対するロイヤリティを高めることで、入居者にはリピーターになってもらえて、入居を検討している人からは「このコミュニティに入りたい」と思ってもらえます。
Instagramを通した売上アップも夢ではありません。Instagramのショッピング機能「Shop Now」を使えば、アプリ内で製品ページを作ることができ、そこからECサイトへ遷移させて購買につなげることもできます。
また、ブランドの価値向上やロイヤリティを上げることに重きを置いて運用するアカウントであったとしても、ユーザーを巻き込むアクションを起こすことで、結果的に売り上げに貢献できることも。ユーザーに参加してみたいと思ってもらえるようなハッシュタグを使ってキャンペーンを実施することで、ブランド自体の認知も上がりますし、自然な形で購買を後押しすることができます。
ブランドの価値向上、ロイヤリティの向上、収益の増大、この3つはどれもInstagramのビジネス活用において欠かせません。「収益の拡大」だけを目的にしてもファンはついてこないので、すべてのポイントをバランスよく意識することが大切です。
また、Instagramのビジネス活用を始める前にやっておきたいことの1つが、市場の把握です。たとえば、企業やブランドが運営するライフスタイルをテーマとしたアカウントの市場を調べてみると、フォロワー数ごとに以下のようなアカウントが出てきます。
600万フォロワー超:Tasty Japan
50万フォロワー超:北欧、暮らしの道具店/IKEA JAPAN
10万フォロワー超:無印良品の家 mujihouse/Casa Brutus
1万フォロワー超:BALMUDA
こうしたリサーチは市場を把握すると共に、自分が運用するアカウントがどの辺りに位置するのか、どこを目指すかの指標にもなります。目指すアカウントがどのようなコンテンツを投稿しているか、どのようなコンテンツの反応がいいかをチェックするのもポイントです。KPIとなるフォロワー数の参考にもなりますね。
Instagramのビジネス活用前に、まずはInstagramをはじめる目的を明確にしましょう。ブランドの価値向上、ロイヤリティの向上、収益の増大をバランスよく意識するのがポイントです。
そしてもう1つ大切なのが業界の現状把握。Instagramにおける同業界の市場を把握し、自社がどこに位置するか、どこを目指すかの指標を決めること。目指すアカウントがどのようなコンテンツを投稿し、どのコンテンツの反応がいいかをチェックしましょう。
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テキスト:吉永美代 トップ画像・作図:メルクマール