北海道のほぼ中央にある小さな町、東川町をご存じでしょうか?
1985年に町おこしの一環として「写真の町」を宣言。毎年、「写真の町東川賞」を贈る写真の祭典「東川町国際写真フェスティバル」や、全国から写真部の高校生たちが集結する「写真甲子園」を開催するなど、“写真文化”によるさまざまな町づくりの取り組みで注目されています。
アマナでは、10年ほど前から東川町のオフィシャルサイトの制作などをサポート。成功する地域ブランディングの実際を、東川町の取り組みを通してご紹介します。
全国の地方自治体が人口減少にあえいでいる中で、継続し人口が増加しているのが東川町です。2014年には、42年ぶりに人口が8千人を突破して話題を集めました。国道と鉄道、それに上水道という、3つの“道”がない町なのに、です。
どうして東川町では、理想的な町づくりが実現できているのでしょうか? もちろん「写真甲子園」などの取り組みが功を奏しているのもあります。しかし、それ以上に私たちが仕事を通じて強く感じるのは、役場職員のみなさんの意識の高さです。
町から情報を発信していくことに積極的で、Webサイトやツールなど、いわゆるソフト面を充実させていくことに対して深い理解をいただいています。
これは、「町の職員はみんな営業マン」と公言することで、長年にわたって役場職員のみなさんが実際に外に赴いて“営業活動”を続けていったこと、つまり、マーケットの動向に敏感な土壌が備わっていることが、大きかったのかもしれません。
東川町とアマナとの間では特に4〜5年ほど前から取組が活性化し、以前に制作させていただいた東川町のオフィシャルサイトのリニューアルのほか、町のロゴマーク、名刺や封筒などの基本ツール、サイネージコンテンツ、東川町ワイン「kitoushi」のパッケージデザイン、それにふるさと納税や移住促進事業のためのさまざまなツールの制作などを行っています。
ひとことで言えば「地域ブランディング」なのですが、企業相手の仕事ではなく、あくまでお客様は地方自治体。
場合によっては、交付金や補助金などもうまく活用して、あるべき軸からぶれないようにしながら、さまざまな事業を着実に実施していくための工夫を一緒に考えていくこともあります。
そのために私たちも、行政の予算の仕組みをはじめ、行政が行政として考えなければならないさまざまなことをきちんと理解することが大切だと考えています。
私は、日本各地の自治体の「地域ブランディング」や、その発想に根ざしたさまざまな事業のお手伝いを推進していますが、いつも大切にしているのは、その町や市ならではの“らしさ”です。
多くの地方自治体の方は、「うちの特徴と言われてもねぇ・・・」と言います。
確かに、“らしさ”というのは、なかなか簡単に見つけだすことができるものではありません。ですが、私たちの仕事はここからがスタートだと思っています。
どこでも同じように海があって山がある状況では、一見、特徴はないと考えてしまう人もいるでしょう。しかし、みんな同じ顔では決してありません。
その地域の“らしさ”は必ずあり、それがなんなのかを地域のみなさんと一緒に見つけるために、私たちはできるだけ長い時間をかけてたくさんお話をするようにしています。その地域に住んでいる人たちではなかなか気づかないことって、結構あるものです。その“らしさ”をきちんと見つけ出したいのです。
いろいろな地域を訪ねてみて感じるのですが、なにもおカタい話だけではなく、言わば雑談のような話のなかから、意外とその町や市の“らしさ”が浮かび上がってくることも多々あります。
その“らしさ”を軸に、地方自治体の想いを、一人でも多くの方にしっかりと「伝わる」形でコンテンツにすることが、地域の情報発信力の向上に繋がると考えています。
「地方創生」「東京オリンピック・パラリンピック」が盛んに謳われている今、地方自治体にとって情報発信力は重要なキーワードです。しかし、1年間限定のキャンペーンを打ち上げ花火的に行っても、その後が続いていきません。それでは「もったいない」です!
行政が本質的に取り組むべきことはなんなのか。
私たちは、最終的には自治体の方たちが継続的に自走できるようなフローまでを含め、一緒にこつこつと丁寧に情報発信力の向上に取り組んでいく—— それがミッションだと考えています。
amana BRANDING
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共感や信頼を通して顧客にとっての価値を高めていく「企業ブランディング」、時代に合わせてブランドを見直していく「リブランディング」、組織力をあげるための「インナーブランディング」、ブランドの魅力をショップや展示会で演出する「空間ブランディング」、地域の魅力を引き出し継続的に成長をサポートする「地域ブランディング」など、幅広いブランディングに対応しています。