【ドローン撮影の鉄則】バッテリー残量30%は下回らないように

ドローン撮影を行う場合、やはり気になるのが飛行時間ではないでしょうか? 私自身、撮影の前に「何分くらい飛ばすんですか?」と聞かれることが多いのですが、実は、ドローン撮影で最も注意すべきなのはメーカーがうたっている飛行可能時間ではなく、バッテリーの残量です。

ドローン撮影はどんな場合でもバッテリー残量が30%になったら引き返すのがマスト。これはドローン撮影を安全かつ効率的に行なうために絶対欠かせないポイントです。

ドローンのバッテリーを消耗させる3つの要因

そもそもドローンのバッテリーはどんな時に消耗するのでしょう? バッテリーが減る要因を知ると、残量30%で撮影を切り上げて引き返さなければいけない理由が見えてきます。

 風

まず挙げられるのが風の影響です。

ドローン撮影では、離陸して撮影ポイントまでは追い風ですいすい飛んで行っても、帰りは逆風になって行き以上にバッテリーを消耗することが少なくありません。また、突風を受けて体制を立て直しているうちにバッテリーがかなり減っていることもあります。

 気温・気圧

そして気温や気圧の影響も受けます。

ドローンのバッテリーに使われているリチウムポリマー電池は、気温15°を下回ると電気を生み出す化学反応が鈍くなり、10°以下では急激に電圧が下がります。上空は地上より気温が低いため、冬場の撮影では操縦者が考えている以上に急速にバッテリーが消耗することもあるんです。

また、ドローンの高度が上がると気圧が低くなります。気圧の低い上空では、揚力(機体を押し上げる力)を得るためにローターが高速回転し、その分バッテリーの消耗が早くなります。風に比べると目に見えにくいのですが、気温と気圧もバッテリーに大きな影響を与えるんですね。

 上昇

3つ目はドローン自体の動きが与える影響です。

ドローンのバッテリーは横移動より上昇している時により多く減ります。ドローン撮影というと、「離陸→上昇→移動→撮影→下降→着陸」という順序をイメージするかもしれませんが、ドローンでしか撮影できない橋の下や山の谷間などが撮影ポイントになることも多くあります。

そうした撮影では帰りが”上昇”です。つまり、バッテリーが減った状態で、帰ってくるために行きよりもさらに多くのバッテリーを使うことになるんです。

ドローン撮影は短時間勝負。段取りは本番さながらに

バッテリー残量30%で引き返すことを前提とすると、離陸から着陸までの飛行時間はDJI製のInspire1が約10分Phantom 3 Proなら約15分Epicなどの大型ドローンの場合は約5分になります。どうでしょう、かなり短いと感じるのではないでしょうか?

実際、バッテリーの消耗が早い冬場は5分以内に撮影を済ませる必要があることも‥ 5分だと、飛ばしてから撮影ポイントを探っているようでは、とても間に合いませんよね。そのためにロケハンやテストを行うのですが、本番直前も関係者全員で撮影の流れを確認し、どのタイミングで誰がどう動くのか、再度念入りにシミュレーションしています。

バッテリー残量30%で引き返すことは安全面だけでなく、効率面でもメリットがあります。バッテリーを使い切らないことで次の充電が早く終わり、切れ目のないスムーズな撮影が可能になります。

バッテリーの残量確認は操縦者の義務。ドローンの多くはバッテリー残量が一定になるとアラームが鳴るようにセットできるので、そうした機能も有効に使ってみてください。

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