飛行訓練からリスク回避の方法まで。空撮の極意が学べるアマナビの講座に参加!
加熱が止まらないドローン市場。空撮だけでなく、被災地での現場調査で使われたり、配達サービスに活用されたりと、日々メディアを賑わせていますね。VISUAL SHIFTでもドローンを使った空撮技術に注目し、記事をお届けしてきました。
■空撮を成功させる、ドローン撮影のプロの掟
■空から見下ろすだけではない、ドローンの特性を活かした空撮事例
4月末、JUIDA(※)の認定校で、ビジネススクールを運営するアマナビが「ドローン空撮講座プロテクニック体験合宿(1泊2日)」を千葉県・木更津市で開催しました。一体どんな体験ができるのでしょうか? 注目の合宿に編集部も参加しました!
※ドローンの産業振興を目指す一般社団法人のこと
編集部が参加したのは2日目。1日目はドローンの中でもプロからアマチュアまで使用する「ファントム3」を用いた離陸・着陸などの基礎訓練。さらに座学でみっちり空撮について頭に叩き込んだそう。受講生のほとんどがドローン初体験(!)とのこと、はたして一日でどれほど腕を上げているのでしょうか? 無風で快晴と絶好のドローン日和の中、広場に受講生が集います。
なんだかそわそわしている様子のみなさん。そう、この日は朝一から目玉イベントがあったんです。
そこへ両腕で抱えるほどに大きなドローン「シネスター8」が登場。カーボン素材のイカツい風貌です。シネカメラも搭載できる正真正銘のプロ用機材に「かっこいい!」と受講生から歓声が沸き起こります。
今回の講師であり、airvisionのパイロットを務める横濱さんからは、シネスター8での撮影についての説明が。プロの現場では、この機材を一台につき3人体制で飛ばすのだとか。
上図のように、撮影時はコミュニケーションを密にとり、カメラアングルの調整や事故防止につなげます。
機体が大きいだけに、操縦には万全の体制を整えているんですね。
受講生はカメラ操作を担当。パイロットにairvisionのエース・小林さん、撮影サポートに古賀さんを配して、撮影を行っていきます。
被写体は「走る車」。動く被写体を追随撮影するには高い技術が必要だそうですが、受講生でも撮影することができるのでしょうか……!?
前日にファントム3で基礎訓練を行った受講生も、勝手が違うコントローラーに戸惑いを隠せない様子。操作バーの繊細さに「焦りが手元に出る!」と思わず慌てる人も。パイロットと中継を行いつつの撮影なので「会話にまで気を向けることができない」と苦戦する人が続出します。
カメラアングルや機体の移動方向などを会話しながら、リアルタイムで操作が行われていきます。
最後はairvisionチームがプロの操縦を披露。パイロットとカメラ担当が息のあったコミュニケーションで華麗に追随撮影を見せると、受講生からは感嘆の声が上がります。
ファントム3を組み立てるairvisionのみなさん
前日に引き続き、ファントム3を用いた飛行訓練も実施。前後左右に配置されたコーンに沿って、ドローンを行き来させていきます。受講生それぞれ、始めたばかりと思えない巧みなコントロールを見せますが、そこでもプロの鋭い目が光る! 「右に偏る」「スピードを出しすぎている」などそれぞれの癖を見抜き、ズバズバと改善点を指摘していきます。
GPS機能を搭載しているファントム3は、コントローラーから手を離せば自動でその場に静止する機能が特徴です。これにより誰でも事故を防ぐことができるんですね。じゃあこの訓練は何のために? と尋ねると、横濱さんは「プロなら事故を未然に防ぐための技術も必要。たとえGPSを切った状態であっても、正確に機体をコントロールできることが必要です」と基礎訓練の重要性を改めて説きます。
実技の締めくくりとして、的確なオペレーションができるかのテストも行われました。先ほどの飛行訓練と同じく、コーンに沿ってドローンを飛ばしていきます。2日間の成果を見せるという緊張感の中、それぞれが飛行を披露していくと、見事に全員がテストをクリア!
編集部も少しドローンを触らせてもらいました。操作はおろか、間近でドローンが飛ぶ姿を見ることすら初めて! 緊張が高まります。
なんと、この日初めて操作を行った私も、ファントム3を飛ばすことに成功。ただ、コントローラーは想像以上に繊細です! 前進バーをぐっと倒すと思った以上のスピードで機体が前進し恐々。
想像以上に前後感覚がうまく掴めない
ゆっくり走行させているつもりが猛スピードを出している
まっすぐ飛ばせているはずが、そんな風に見えない……
独特の操縦感覚と目の錯覚に、とにかく慌てふためいた数分間でした。「繊細な操作ができない!」と嘆くと「10年はやいよ(笑)」と横濱さん。ドローンを”飛ばす”ことと”コントロールする”ことは全く別物なんですね。
座学ではドローンを飛ばす際の注意点やリスク回避のための手段が、シーンごとに丁寧に解説されていきます。さらに、
日々更新されていく航空法まわりの最新情報
撮影前の許諾や周辺地域への告知をスムーズに済ませるための秘訣
国からの飛行許可を得るために準備しておくべきこと
などの細かなテクニックや裏事情も公開。受講生からはひっきりなしに質問が飛び、その度にairvisionの方々も蓄積してきた知識を惜しげもなく披露していました。
座学の最後には「シネスター8」で受講生が撮影した映像を上映。さらに2日間の訓練を終えた受講生に、横濱さんから履修証が手渡され、合宿は幕を閉じました。
講師の横濱さんが、履修証を受講生一人ひとりに渡していきます。
JUIDAの操縦技能資格をとるためには、まずJUIDA認定講師の監督のもと、実技を10時間程度、座学を6時間程度行うことが必要です。今回の受講を通じて、受講生は実技4時間分が免除されたため、あと6時間の訓練を行えば試験を受けることが出来るようになるそう。もしかすると受講生のどなたかがパイロットになる日は、そう遠くないのかもしれませんね。
配送サービスや被災地の調査で活用されるなど、ドローンが登場するシーンは確実に増えています。今回の合宿の受講生も、映像制作に従事されている方だけでなく、建築写真家やブライダルフォトグラファー、はたまた損害保険の調査をされている方など、さまざまな業界の方が参加されており、ドローンが多方面から注目されていることを肌で感じることができました。今後研究が進んで、ドローンがさらに高機能化していけば、活用の幅はますます広がっていくに違いありません。
アマナビでは6月にスタートする「JUIDA認定ライセンス取得講座」を皮切りに、ドローン空撮にまつわるセミナーを複数開いていくとのこと。ドローンの波に乗るには今が絶好の機会のはず。気になる方はぜひ受講してみてはいかがでしょうか。
<今回ご紹介した講座について>
「ドローン空撮講座プロテクニック体験合宿 in木更津」
開催日程:
①4月25日(月)〜26日(火)
②5月23日(月)〜24日(火)
募集人員:20名限定(定員になり次第締切/最小催行人員8名)
主催:株式会社アマナビ詳細・お申込みはこちら (セミナーは終了しました)
<アマナビからのご案内>
■操縦技能証明証取得コースについて
2016年7月〜10月にかけて「操縦技能証明証コース」を開講いたします。本講座はJUIDAが発行するライセンスを取得するための実技・座学講座です。
詳しくはこちら
■「アマナドローン空撮講座」無料説明会のご案内
2016年6月、JUIDAの認定ライセンス取得のための講座を開講いたします。説明会では「JUIDA操縦技術コース」「安全運航管理者証明取得コース」の概要から講座内容(座学・実技・修了試験)についてをご案内いたします。さらに、JUIDAライセンスの申請手順についての解説や、アマナグループからのドローンビジネスについてのご提案も行います。お気軽にご参加ください。
開催日程:
6月5日(日)10:00〜12:00
6月17日(金)19:00〜21:00
会場:株式会社アマナ本社ビル(東京都品川区東品川2-2-43)
参加費:無料
お申込みはこちら
プロフィール
株式会社アマナビ 空撮運営部 マネージャー アマナドローンスクール校長
ドローンによる空撮を専門とする新進気鋭の撮影部隊airvisionを率いるかたわら、アマナドローンスクールの校長をつとめる。airvisionでは大型のドローンを主力とし、高性能な撮影機材を用いた広告撮影や、ドラマのムービー撮影などを担当。国内のドローン撮影の草創期から独自に研究・ノウハウの蓄積を行ってきたことから、日本屈指のドローン撮影の先駆として注目を集めている。