見下ろすだけではない!ドローンの特性を活かした空撮事例

空撮を成功させる、ドローン撮影のプロの掟」で、ドローンの特性や撮影のポイントを把握したら、次は実際の制作です。事例を通して、意外なドローンの使い方を知ることで、観る人に新鮮な驚きをもたらす作品を生み出すことができるかもしれませんよ。

CASE1:被写体と並走する

空撮と聞くと、どうしても上空からの風景を俯瞰する映像ばかり思い浮かべてしまいがちです。でもドローン撮影なら、もっとユニークな映像表現を行うことができます。たとえば、疾走するクルマを被写体にしたLEXUSの作品です。空撮とはいえ単純な俯瞰ではなく、サーキットを走行するクルマをドローンがリードしたり追随したりすることで、迫力の映像に仕上がっています。相手がレーシングカーですから、ドローンも必死です!

出典:LEXUS – “DANCE of F”
https://youtu.be/Jw2Ym16RPXI

CASE2:低空域を前進して迫力を出す

地面すれすれの低空域から地上150メートルの高空域まで、自由に移動することができるのもドローンの魅力。クレーンでは届かないポジションにも難なく到達することができます。立て替えのために一時閉館した、ホテルオークラ東京・本館の最終日の様子を追ったCasa BRUTUSの映像は、この特徴を活かした事例です。床に沿ってロビーに向かっていく映像や、天井から美しい照明を次々に捉えた映像・・、レールやクレーンを使わずに、ドローンで空間を立体的に捉え、建物の魅力的なディテールを優雅に表現しています。

出典:Casa BRUTUS – ホテルオークラ東京 https://www.youtube.com/watch?v=vz-GI6WKT3M

CASE3:ドローンがドローンを撮影する

基本的に被写体を追いかける役目を担うドローンですが、あえて被写体としてドローンを登場させたユニークな作品もあります。SANYO ESSENTIALSのプロモーション動画では、ドローンに商品のシャツをセットして飛行させて撮影。シャツの軽やかな仕立てや心地よい上質さを、斬新な美しい映像で表現しています。映像の途中では、カメラを携えたドローンが、飛行するドローンを撮影している模様を見ることができます。先ほどの「Casa BRUTUS – ホテルオークラ東京」と同様に、室内でもドローン撮影を行っており、屋外とはちがう新鮮な印象を与えることができます。

出典:FLYING ESSENTIALS / SANYO ESSENTIALS https://www.youtube.com/watch?v=dzjWuRXWIMs

CASE4:レールやクレーンの代わりに使う

CMなどの撮影では、スムーズにズームやパン(カメラを左右に振ること)を行うために、機材を移動させるレールを頻繁に設置します。また、ある程度の高さから撮影するためにクレーンを使用する場合も。しかしロケ地の状況によっては、そうした大きな機材が持ち込めないケースがあります。
そんな時にドローンを使えば、レールやクレーンで行うのと同様の映像を撮影することができます。また、ドローンなら内蔵されたセンサーにより自動で水平を保つことができるので、レールを水平に敷くために、重ねた板で高低差を埋めていく手間と時間が省けます。この利点を活用して撮影されたのが、JR東日本のCM「大人の休日倶楽部」です。

撮影用のカメラとともに、日々進化しているドローン。先月、横浜で開催されたカメラと写真映像の総合イベント「CP+ 2016」でも、さまざまなプロ向け動画セミナーが催され、アマナの空撮ユニット「airvision」からもチーフパイロットの小林 宗が登壇し、ドローンでの空撮を語りました。その質疑応答では、ドローンによる具体的な撮影技法や機材について、さらにはお金に関する話まで、撮影に関わるプロの方々ならではの熱心な質問が次々に。ドローン空撮に対する関心がますます高まっていることを肌で感じました。

現在、操縦者や安全運航管理者を養成するスクールの認定制度も始まろうとしており、ドローンを利用した表現の可能性はさらに広がっていきそうです。ぜひ、ドローンを上手に活用して、今までにない映像を探求してみてください。

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