ECサイトを運営していると新商品などが登場するたびに、商品撮影、いわゆる物撮りが必要になります。ただECサイト用の写真ならば、自分たちで撮れたらいいな、と思うこともあるのでは? そこでアマナのフォトディレクターが消費者の気持ちをそそる撮影テクニックをご紹介します。
まず、商品撮影で大切なのは、被写体とカメラの距離です。左は被写体から離れて撮影したもの。2つの商品がほぼ同じ大きさで並んでいて優劣はありません。これに対して右は、ぐっと商品に近づいて撮影したもの。手前に置いた白いバッグが大きく強調されています。写真を撮る距離によって、これだけ存在感のちがいが現れます。説明的に撮りたい時は遠い距離から、一部を強調したい時は近い距離から撮ることを心がけましょう。
撮影の際に、商品の下や背景によく使うのが白い紙。でも、オススメの色はシルバーマットなんです。反射が強くて撮影しづらいと思われがちですが、実は白い背景のほうが、商品に白く映り込んだり、光の加減によってはグレーのような暗い落ち込み方をしてしまうことがあります。シルバーマットなら、映り込みが少なくなり、商品に対する明るいレフ板の効果もあって、商品撮影にはぴったりです。
商品が魅力的に見えるように、背景と影に色を付けるのもオススメです。もし被写体が食べ物なら、ハンバーグは茶色やオレンジ系。サラダであればブルー系など、被写体の魅力が増す色合わせをするのがポイントです。
ちなみに、撮影用のセッティングは、チリトリ、ホウキ、S字フック、伸縮棒、洗濯バサミを組み合わせて作ったもの。身近にある物でカンタンに作ることができます。
平面にただ商品を置いただけでは、魅力的な写真にはなりません。ある程度の重さがある商品を撮る時には、ビーズクッションに布をかけ、そこに置いて撮るとよいでしょう。商品の重みで自然にシワができ、それが立体感を醸し出します。綿のクッションでもよいですが、クッションの反発力が強いときれいなシワが寄りません。身の回りの物でもいろいろ試してみてください。
画面に変化をつけたいと思った時には、分割線を入れてみてはいかがでしょう。直線のテーブルだと線がまっすぐに入りますが、どちらかの端が傾いて見えるとかえって不安定な印象を与えてしまうので、丸テーブルがオススメです。物撮りには直径60cm程度のテーブルがぴったり。テーブルのゆるやかにカーブしているラインがうまく見えるように、物を置いて撮影しましょう。暗さが気になるときは、光とは反対方向に鏡を置くのも効果的です。
撮影する際に、迷いがあったり、ためらっていたりすると、なんだか勢いがない写真になってしまうもの。撮る人の気持ちは、写真に現れます。「多少はフレームからはみ出してもOK」ぐらいの気持ちで撮影にのぞむと、印象の強い、心に残る写真が撮れるようになるはずです。
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