危機的状況下におけるリーダーシップコミュニケーション: PR責任者が共有するインサイト

Luis Alvarez

効果的なリーダーシップのコアコンピテンシーの1つは、緊迫した状況下でも利害関係者や同僚とコミュニケーションがとれることです。

思い出せる限り、コロナの大流行ほど世界中のリーダーにこれ程大きな要求が課された危機は他にありません。政治家は人々と経済を護るために計り知れないプレッシャーを受けており、彼らの戦略はつねに注目されています。

これは最高経営責任者やビジネスリーダーも同様です。

ブランドもまた、パンデミックの最中に自社が発信する内容やコミュニケーションの取り方について慎重になることを学んでいます。不運にも、同じ商品名であるコロナビールが、マーケティング活動の中で施策を講じようした事例では、数週間にもわたって論議が炎上しました。

Unileverは、供給不足に対応して手の消毒剤の製造と配布を対応したDiageo、Brew Dog、LMVHに続き、パンデミックが必需品に及ぼす影響を支援する競争に最近参入した大手企業です

「コロナウイルスがあらゆる場所で生活や生計手段に打撃を与えていることについて、私たちは深い悲しみを感じています。世界は数十年来で最大の試練に直面していますが、Unileverでは工場、配送センター、店舗における最前線の業務おいて、チーム史上、もっとも素晴らしい対応が見受けられました」と、昨年同職に就任して以来、ブランドの目的の重要性について非常に声高に表明しているUnileverの最高経営責任者であるAlan Jopeはコメントしています。

「当社が寄付した1億ユーロ分の石鹸、殺菌剤、漂白剤、食料が人々の生活を守ることに大きく貢献し、雇用者の収入と仕事を保護することで、先行きが不透明な時期でも心に平安をもたらすことを願っています。私たちは強力なキャッシュフローとバランスシートがあるからこそ、こうしたサポートを提供でできるのです」。

Diageoが800万本の殺菌剤を生産するという公約を発表するにあたり、最高経営責任者であるIvan Menezesは、「これは、医療従事者がパンデミックと最前線で闘う中で、彼らを保護するために可能な限りの支援を行う決意です。これこそ、弊社が世界中で急増している手の殺菌剤への需要を満たす、もっとも迅速で効果的な方法です」と発表しました。

彼らのコミュニケーションは明確です。連動性と先見的がありながらも思いやりと共感を与えています。消費者が意思決定者に確実性を求めている時期に、これはPRセクターの意思伝達が巧みであることを示せる領域です。

 

リーダーは「不確実な状況でも停滞させてはいけない」

Reputationの会長とMWWPRの最高戦略責任者を兼任するCareen Wintersは、ビジネスだけでなく従業員にとっても正しい意思決定を行うリーダーだと見なされている最高経営責任者と共に概説しています。

彼女は脚本がない今のような状況下では、企業が効果的なメッセージングと緊急時対応計画を所有できるように備えるべきであり、「不確実な状況を停滞状態にさせないことが不可欠だ」と語っています。

Wintersは続けて、ビジネスリーダーにコミュニケーションにおける優先順位を検討し、危機と問題管理におけるプリンシパルを導くよう助言しています。この状況に対する初動が彼らのキャリアにおける決定的な瞬間にもなり得るため、今までに培ってきた経験を最大限に活かし、利害関係者に配慮しつつも従業員を最優先するように促してくださいと彼女は論じています。

「コミュニケーションの役割について考える際に、今日の仕事がメッセージよりも大切であることを覚えておくことが重要です」と彼女は説明し、

「私たちは、決定事項とポリシーが自分の会社とその利害関係者に適したものであるかどうかを評価しなくてはなりません」。

「また、その決定事項が今日、そして長期的に会社の評判に及ぼす影響を考慮すべきです。場合によっては、企業のコミュニケーションリーダーだけがオーディエンスについて総合的に考え、企業戦略、優先順位、メッセージング間の不一致を指摘できる、唯一の存在になるのです」と付け加えました。

コミュニケーションコンサルタントがクライアントに伝えるべきアドバイスの見識を提供している、MHPにおけるブランド&レピュテーション担当ディレクターであるSam Holdは、企業がどのサービスを継続すべきか、どのように改善をすべきか、そしてコロナウイルスの規模が危機的状況になった際に何を一時停止とすべきかを検討することから始める必要があると確信しています。

「最初のステップは、従業員の心情からソーシャル・メディア分析、ジャーナリストの会話まで含めたなど、自社の状況を『評価』することです。

次に、新たな世界に向けて新しい戦略を『調整』し、生み出しましょう。重要なメッセージから危機管理手順まで、すべてを見直し、更新してください」。

「最後は『行動』です。これには、ウイルスに関連するすべてのコミュニケーションに優先順位を付け、アウターよりインナーコミュニケーションを重視することが含まれます。『行動』は、再構築に向けて準備をすることです。コロナが過ぎ去った頃、ブランドが対応できる準備をしましょう」。

そして、「あらゆる物事が絶えず変化し続ける複雑な世界において、私たちはクライアントへのアドバイスを評価、調整、行動という実用的でシンプルに保つようにしています」と彼は結論付けました。

「ベストな状態のブランドにはビジョンと目的があります。そうしたブランドは、意味のある仕事とは、商業的成功を損なうなものではないと理解しています。彼らは、真実は逆であることを理解しているのです」と、Wireの共同創設者兼ディレクターであるPam Scobbieは述べています。

「世界に向けて真にポジティブな違いをもたらすことは、道徳的に正しいだけでなく、消費者にとって必須なことです。選択の自由はありませんが、その見返りに、人々は支出とエンゲージメントで感謝を示してくれるでしょう」。

「現在、私たちは奇妙で恐ろしい状況の真っ只中にいて、軌道修正をしてくれる多くのソーシャル・グッドを必要としています。世界な中で、自社の位置付けを理解しているブランドがステップアップする時がやって来ました」と彼女は付け加え、そうでないブランドは競合他社に追い抜かれる「危険なゲーム」をプレイすることになるだろうと述べています。

「これから数週間にわたって、自社のビジネスに忠実な方法で貢献できるブランドは、記憶に残るものとなり、貴重な、そして場合によっては持続的な認知度とロイヤルティ(忠誠心)を獲得することでしょう」。

KWT Globalの最高経営責任者であるAaron Kwittenは、「メディアの報道よりも、政府の不適切なリーダーシップとノンストップの誤報の結果、進行中のパンデミックが経済にも打撃を与えるでしょう」と述べています。

彼は、「騒ぎが沈静化すると、コロナに起因するパニックが病気よりも致命的となる可能性があります」と続け、ブランドが顧客との直接的なコミュニケーションに非常に積極的であることを目の当たりにし、 最高経営責任者が直々に記したメッセージを発信していると付け加えました。

「ブランドは顧客との直接的なコミュニケーションに非常に積極的になり、賢いブランドは最高経営責任者が作成したメッセージを個人的に送信しています」。

「さらに賢いブランドは、困っている人々を支援するためにリソースを再配置しています。今や、ブランドは事業継続計画を従業員に伝えるようになっています。この数週間のうちに、企業が広範な労働力の削減を含む費用抑制策を発表する様を目にすることでしょう」。

ますます多くの最高経営責任者が毎日Eメール経由でメッセージを送信していますが、一部の受信者は、ソーシャルメディアを介して連絡先の詳細をどのように取得できたのか、疑問を抱いています。

それは別の時代への疑問かもしれません。すべてのリーダーがやるべきことを一つあげるとしたら、それは未知の物事に直面しても、穏やかで統制の利いた空気を提供することです。

 

この記事は、The Drumを通じてStephen Lepitakが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

元記事「Leadership communications in times of crisis: PR chiefs offer insights」は2020年4月1日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事は、NewsCred BlogのVictoria Goldenが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

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