マーケティングに大きな変化が起きています。
何十年もの間、マーケティングチームは時代遅れのテクノロジーに悩まされてきました。マーケティングツールが7,000以上もあるのに、実作業のほとんどがローテクな(またはテクノロジーをともなわない)ツールを寄せ集めた環境下で行われています。ワークフローはメール、コンテンツの作成はMicrosoft Word、カレンダーはスプレッドシート、キャンペーンと概要はPowerPointで計画されているのです。しかし、これらのテクノロジーはどれも、マーケティング専用に構築されたものではありません。
私は、なぜマーケティングだけが取り残されてしまったのかとよく疑問に考えていました。企業内のその他の部署には、営業部にはCRM、開発部にはJIRA、人事運用部にはHRISシステムなど、ある種の運用システムが存在します。最近まで、マーケティングチームの規模はかなり小さく、少数のチャネルに集中していたため、管理が難しくありませんでした。コンテンツ制作に関する要件は最小限だったため、それに応じて予算も制限されていました。しかし、直近の5年間で状況は変わり、チャネル数が爆発的に増加し、チーム、予算、期待値も大きくなっています。すべてのチャネルに力を注ぐために、必要なコンテンツの速度と品質が向上しています。そのうえ、CMOたちはこれまで以上に説明責任を負うようになりました。昨今、マーケティングの複雑さは史上最高の水準に達しています。
業界として、時代遅れのテクノロジーと古い働き方を変えない限り、マーケティングの変革を提唱することはできません。変革には、より優れた異なる働き方を可能にする配慮の行き届いたシステムと最新テクノロジーが必要です。
この問題を解決して大規模なチャンスを掴むために、弊社はさらに2,000万ドルを調達し、非常に興奮しています。今、1億ドル以上を調達したと言えること自体が夢のようです。私は、弊社についてより理解を深めていただけることを期待しつつ、このジャーニーについて率直かつ正直にお伝えしたいと思いました。起業家、お客様、パートナー、好奇心旺盛なマーケターまで、すべての方々に弊社のストーリーを簡単にご説明します。
はっきり言いましょう。多額の資金調達が必ずしも功を奏するとは限りません(ただし、役立ちます)。できることなら投資した資本がほとんどない巨大ビジネスを構築したいものです。実行可能なビジネスモデルを見つけ、それに対する問題を解決するだけで数年かかりました。調査に費やした初期の数年間に弊社が費やした現金は非常に少なく、3年間で100万ドルです。弊社はマーケターと長い時間をかけ、エンタープライズ向けのコンテンツマーケティング企業を設立するという、本当にエキサイティングな機会を発見しました。
そして、2012年から2015年の間に、約9,000万ドルを調達しました。その理由は2つあり、そのうちの1つは、カテゴリーの定義付けです。これは非常に難しく、時間がかかり、資本を必要としました。弊社では自社製品を構築し、伝道すると同時に、カテゴリーの確立にも多大なリソースを費やしました。しかしそれはストーリーのほんの半分に過ぎません。2つ目の理由は、弊社は非常に急速に成長を続けており(毎年100%)、その成長に資金を投資していたことです。ですが、この成長は効率的ではありませんでした。全力で問題に取り組みながら、採用を強化していきましたが、弊社の優先事項は、販売効率や粗利益率を改善することではありませんでした(こういった言葉が弊社のオフィス内で聞かれることはほとんどありませんでした)。
2016年はかなり大変な年でした。コンテンツマーケティングのカテゴリーは巨大でしたが、お客様の成熟サイクルにおいてかなりの早期段階にあることに気付きました。弊社のお客様はまだ、コンテンツマーケティングの実施にソフトウェアプラットフォームが必要かどうかを検討している段階でした。また、CMPに投資したお客様にとって、コンテンツの作成変更は困難だったのです。採用が難しいとされ、結果的にお客様を維持することが困難になっていました。そこで私たちは一度仕切り直し、節約して、高成長な企業ではなく、高品質な会社を設立することに決めました。
2年間にわたり、生産性の向上に注力し(従業員一人あたりARR10万ドルから、従業員一人あたりARR20万ドルに倍増させました)、粗利益率を改善させました。非常に効率的な販売チームを構築しました(販売達成率は主に90〜100%以上です!)。NPSに注力しました(弊社のNPS製品は過去3年間において毎年劇的に改善しています)。弊社はお客様のビジネスの成果に焦点を当て、お客様の成熟度の向上を支援する、成功とサービスに目を向けた組織を構築したのです。これにより、劇的に定着率が向上しました。収益性に向けて邁進し、本年度の初めには営業によるキャッシュフローが初めて好調になった四半期を迎えました。端的にいうと、大変な年でしたが、大規模かつ質の高いビジネスを構築しました。
そしてさらにエキサイティングなできごとが起きます。昨年、弊社では上記のマーケティング変革に伴う問題を解決するために、独自のIntegrated Marketing Edition(統合型マーケティングエディション)を立ち上げました。それは私たちの想像を超えるものになりました。市場はマーケティング専用のオペレーティングシステムを構築するという弊社のビジョンを熱心に受け入れてくれました。弊社では、数百人(または数千人)ものマーケターを当社のプラットフォームに投入する世界最大のマーケティング組織の数社と契約を結ぶことになったのです。
私たちは、マーケターの働き方変革、つまりキャンペーンとコンテンツの計画立案、作成、コラボレーション方法について、これまでも(そしてこれからも継続して)変わらぬ努力を続けてきました。作業管理は魅力的ではありませんが、解決すべき重要な問題です。McKinseyは、マーケターがリソースの60%を下準備に費やしていることを示す調査を行いました。マーケティングチームの可能性を解き放つ唯一の方法とは、重要事項に集中するために時間を解放することです。弊社独自のIMEを使用して、私たちは残存する問題を解決するテクノロジーを構築しました。
このような過程を経て、現在に至ります。従業員と製品(中核となるContent Marketing Platformと新しいIntegrated Marketing Editionの両方)へ投資するために、さらに2,000万ドルの資金があります。今後はソフトウェアの両方のエディションが基本製品となります。コンテンツマーケティングのサポートと投資を継続すると同時に、20〜30名のエンジニアを増員して、統合型マーケティングに向けたビジョンに積極的に投資します。弊社はこの分野におけるリーダーであり(GartnerによるCMP向けのMagic Quadrantにおける明確なリーダー企業の2倍)、追加カテゴリー(マーケティングリソース/作業管理など)においてリーダーシップをとることを楽しみにしています。私たちはすでにこのカテゴリーにおいて最大規模の企業として、世界中に拠点を置き、急速に拡大しています。弊社はヨーロッパの最大手企業であり、今では、弊社のパートナー(および新規投資家)であるDentsuとAmanaとの提携で日本においても最大のプレーヤーになりました。今年はオーストラリアとアジア圏にも拡張し、Boulderに新しいオフィスを開設します。なぜBoulderなのかというと、最近買収した競合他社の1つであるKapostで、素晴らしい営業チームとカスタマーサクセスチームを採用したからです。
それは11年におよぶ本当に素晴らしいジャーニーでした。率直なところ、弊社はすべての競争に勝利し、それが成長に寄与しています(余談:「Outlasting(長く続けること)」が起業家に強くお勧めする成長戦略です)。ただし、長く生き残るのは簡単なことではありません。根性と決断力が必要です。弊社の中核的な企業価値の1つに、「Grit(気概)」が掲げられています。そして、私は感謝の言葉と共にこの記事を締めくくらなければなりません。この取り組みにご参加いただいた主要投資家の皆様に感謝申し上げます。そして、新しく投資企業となっていただいたDentsuとEscalateに感謝を述べさせていただきます。これまでそして現在の素晴らしい同僚たち全員に感謝します。あなたたちの粘り強さ、スキル、そしてお客様へのこだわりに感謝しています。いつも伝えているように、あなたたちのために働けることは私の人生における最大の特権です。
そして最後に、お客様みなさまに感謝申し上げます。お客様方のおかげで、私たちは毎日仕事に行き、好きなことを続けることができるのです。弊社に信頼をお寄せいただきありがとうございます。弊社はその信頼に報いることができるよう精力的に努力を続けていきます。私たちの使命は、マーケティングチームの可能性を解き放つことです。それは、成功を収めるために山を動かすことを意味します。まだ始まったばかりです。
Shafqat IslamはNewsCredの共同創設者兼 CEOです。
元記事「Something Big is Happening in Marketing: Why We Raised Another $20M!は2019年7月11日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事は、NewsCred BlogのShafqat Islamが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。
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