「統合型マーケティング」は、バズワードとして目新しいものではありません。しかし、組織内のサイロを簡単に壊せるようになったマーケティングテクノロジーの進歩と複雑化する業界の課題において、昨今では非常に重要とされています。マーケティングチャネルの急増により、消費者はメッセージやコンテンツ攻めに遭っています。コンテンツの海で際立つには、ユーザージャーニーを通じて強力な戦略と一貫したメッセージが欠かせません。
統合型マーケティングとは、一貫性と関連性の高いコンテンツエクスペリエンスをすべてのチャネルでオーディエンスに提供するプロセスです。IMC(統合マーケティングコミュニケーション)、360°キャンペーン、オムニチャネルマーケティングと同じ意味合いで使用されることがよくありますが、それぞれ若干の違いがあります。統合型マーケティングの究極の目的は、ブランドに成果をもたらす一貫性のある顧客中心のエクスペリエンスだからです。
ブランドが真に統合されたカスタマーエクスペリエンスを提供するには、統合型のマーケティング組織を構築しなくてはなりません。多くのマーケティングチームは機敏なアプローチを持ち、総合的な顧客体験ではなく、特定のチャネルを中心に構成されています。また、「デジタルマーケティング」の台頭により、代理店以外のマーケティング機能も細分化されました。昔はテレビと新聞がメインでしたが、デジタル時代へと移行してから、デジタルと家庭外のチャネルにチームが分かれました。モバイルは多くの組織において(少なくとも一時的に)分離され、有料のソーシャルメディアに伴う責任はさらに別のチームに委ねられます。
このような最新の(サイロ化された)マーケティングチームは、統合型マーケティングの成功を目的として設けられたものではありません。予算、帰属、アイデア、栄光をめぐる競争を含め、内部チームが本質的に衝突する状況が数多あるのです。健康的な競争文化はクリエイティブなアイデアを育むと思われていますが、コラボレーションの文化がクリエイティブな結果を生み出すためには「チームのためのチーム」モデルが有効であり、長期的な成功に向けたチーム設定を繰り返し実証しています。
統合型のマーケティング組織は、内部の競合や一方向性、万能型のカスタマーコミュニケーションよりも、パーソナライゼーションとカスタマーエクスペリエンスを優先します。統合型マーケティング組織を構築するにはまず、コラボレーションの文化を構築してください。
NewsCredは、統合型マーケティング組織を構築するためにADEPTフレームワークを開発しました。これは、チームと戦略のギャップを特定するのに役立ちます。ADEPTの5つの機能性(連携、設計、実行、プロセス、および技術)は、サードパーティーのアナリストのインサイトと顧客との10年以上におよぶフィールドワーク、そして社内のマーケティングエキスパートチームにより開発されました。
連携: 統合型マーケティングはサイロを解消し、部門を超えたコラボレーションを強化する必要があるため、内部連携が不可欠です。これは、エグゼクティブスポンサーシップを超えなければならず、変更管理、予算支援、ガバナンスを備えた積極的な参加が必要となります。
設計: 計画モデルを検討します。チームは、さまざまなマーケティング分野で主要テーマに優先順位を付けるために協力し合っていますか? 主要なキャンペーンに紐付き全アクティビティを共有するカレンダーはありますか? また、文書化されたマーケティング分類法と共通言語はありますか?
実行: 実行要素は計画、プロセス、およびガイドラインを順守するという厳密さを考慮します。あなたのチームは予定通りに提供していますか?メタデータと分類法に適切にアセットをタグ付けし、関連性と冗長性を監査するベストプラクティスが順守されていますか? この要素では、アジャイルマーケティング手法がよく活用されています。
プロセス: プロセス要素は、マーケティングの実行をガイドするワークフロー、これらのワークフローがどれほど高度で完全であるか、ドキュメント化されているかを掘り下げます。あなたのワークフローは、さまざまなアセットの種類と承認、コンプライアンスとローカリゼーションを考慮していますか?
テクノロジー: テクノロジーの基準は、自動化インテリジェンスを含む長期的なコラボレーションのために、ブランドが安全で柔軟な計画テクノロジーソリューションを採用しているかどうかです。コンテンツのアイデア、提案、計画、制作、公開、配信、最適化、および測定に関して明確な見通しが立っていますか? 最終的に、テクノロジーは実行を加速し、コラボレーションや統合プランニングなど、チームの行動をもとに構築し、成果の測定をサポートしなくてはなりません。これには、キャンペーン、コンテンツ、運用実績に関する柔軟なレポートも含まれます。
あなたの組織には、5つのADEPT機能の一部またはすべてが備わっているかもしれません。重要なのは、これが線形モデルではないと理解しながら、乖離のある領域を文書化し、優先順位を付けることです。連携とテクノロジーを導入していても、実行と設計にずれが生じている、またはその逆の場合もあります。NewsCredの統合マーケティング成熟度評価を活用して組織のベンチマークを開始しましょう。
組織が統合に失敗していることを表す明確な兆候がいくつかあります。
競合する優先事項の副産物と最初に市場に出ようとする際の圧力として、ほとんどの企業は上記の兆候の1つ以上に苦しんでいます。これらの問題を積極的に解決しようとするチームでさえ、組織内のサイロが深く浸透しているために、牽引力を得るのが困難な場合があるのです。
統合マーケティングへの投資は、以下の3つの方法でROIを促進します。
統合型マーケティングのビジネスケースを構築する必要がある場合には、以下の貴重な調査結果をご参照ください。
マーケティング組織では変更管理が必要です。
チームコラボレーションを改善するための強力なビジネスケースがあります
テクノロジーのサイロを取り除くことにより、顧客体験が向上します。
統合マーケティングにより、キャンペーンのパフォーマンスが向上します。
NewsCredによる統合マーケティング成熟度のADEPT方法論では、統合的なテクノロジースタックの重要性を強調しています。しかし、エンタープライズマーケティング組織の構造が複雑であるため、これは困難な課題です。すべてのテクスタックは組織に固有するものであり、冗長性の異なる範囲と排除を要します。開始に最適な場所は、ステークホルダーの調査とサイロおよびチーム全体を網羅するテクスタックのマッピングを行うことです。そうすれば、マーテクスタックを機能カテゴリー別に分類できます。
統合型テクスタックを構築する主な目的は、顧客データとエクスペリエンスを一元的に可視化することです。統合型マーケティングプログラムを構築する組織の一般的なマーテクカテゴリーは以下のとおりです。
テクスタックの視覚化を対象とした表彰プログラムのThe Stackiesは、統合型のマーテクとプラットフォームの分類法について素晴らしい例を提供しています。
元記事「What is Integrated Marketing?」は2018年12月7日にInsights.newscred.comに掲載されました。
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