今、企業のマーケティング戦略に活用されているInstagram。この連載では、Instagramのビジネス活用を成功へ導くポイントを紹介。まずは現在のマーケティング事情をふまえ、Instagram活用のメリットをお伝えします。
みなさんは初めての買い物をするとき、どうやって商品を選んでいますか?
デジタルメディアやSNSが普及した今、消費者は何かを買おうとする前に11.4個のコンテンツに触れているそうです。
従来の企業が発信する広告だけではなく、SNSやブログ、比較サイトなど、いろいろなコンテンツを見てから購入することが当たり前になりましたね。私も先日、InstagramやAmazonのレビューを見て、デザイン性が高いちょっとリッチなイヤホンを購入しちゃいました。
企業が発信して売り込む“プッシュ型”のマス広告の時代は変わり、アドブロックで広告を避けながら必要な情報を探す“プル型”のユーザーが増えています。そんな中注目されているのが、ユーザーがほしいコンテンツを常に発信して購買アクションへつなげるためのマーケティング。世界のコンテンツへの投資は2018年〜2021年の間に約2倍になるという予想もあるほどです。
すでにコンテンツの重要性を認識している企業も多く、多額の予算が投じられています。でも実のところ、多くのブランドが「コンテンツが十分に消費されていない、消費者に響いていない」と感じているのが現状なんです。せっかくお金をかけて作っているのに、十分に見られていないのはもったいない……!
ここで大事なのがユーザー目線。ユーザーが信頼しているのは、どのような情報ソースなのでしょう?
1位は友達からのオススメ、2位はユーザーレビューやクチコミなどのオンライン上にポストされた顧客の意見、3位はブランドウェブサイト。その後にマス広告やSNS広告、バナー広告などが続きます。
世の中にはたくさんのSNSがあり、どれをどのように使いこなしていくか悩んでいる方もいると思いますが、友人のオススメ、オンライン上の顧客評価、ブランドサイトの3つをつなぐメディアとして注目されているのがInstagram。国内外の多くの企業で、すでにマーケティングに活用されています。
では実際に、ビジネスシーンでInstagramがどれほど活用されているのでしょう? 気になりますよね。
このように多くの企業がInstagramを活用し、多くのユーザーから見られていることがわかります。
また、Instagramのユーザー層は20代前半〜30代後半のミレニアル世代(特に女性)の割合が高いことも特徴の1つ。Instagramは、テレビ離れが顕著でアドブロック利用者が多いミレニアル世代へのアプローチに有効です。
Instagramがこれほどまでに成長したのはなぜでしょう? これには、Instagramの理念“Capture and share the world’s moments(世界の瞬間を切り取って共有する)”を体現する2つの要素がポイントとなっています。
①ビジュアルコミュニケーション
人間の脳について考えてみましょう。左脳は論理的思考を司る言語脳、右脳は感性や直感を司るイメージ脳と呼ばれ、SNSに当てはめるなら、Twitterは左脳メディア、Instagramは右脳メディアといえます。
左脳による言語コミュニケーションはネガティブイメージを生み出すことも多く、逆に右脳を刺激するビジュアルコミュニケーションはポジティブなイメージを生み出しやすいもの。結婚や出産など、嬉しいときはメッセージと一緒に写真を投稿する人が多いですよね。そしてポジティブな意見も集まりやすい。ビジネスにおいても、ポジティブなイメージを通して企業メッセージを発信できるのが、Instagramのメリットです。
②ストーリーズ
ストーリーズは、撮影した写真や動画を即座にかつ24時間限定でシェアする機能。日常の何気ない瞬間を気軽に発信できると人気で、5億以上のアカウントが毎日ストーリーズを利用しているそう。
ちなみに私がつい最近ストーリーズにアップしたのは、友達とピザを食べているシーン。1ピースで顔が隠れるほどボリューミーで、思わずストーリーズに載せちゃいました!
こうして誰もが気軽に投稿できるストーリーズですが、人気のある投稿の1/3は企業によるものなんです。驚きですよね。日々いろいろな商品が発表されるビジネスの世界では、そのローンチと共にリアルタイムでお客さんに共有できるという点で、多くの企業が活用しているようです。
他のSNSより優れたこの2つの要素があったからこそ、Instagramはここまで成長したのではないでしょうか。
ブランドとターゲットとの「つながり」を作るコンテンツマーケティングですが、ブランドが届けたいメッセージや情報を一方的に宣伝するのではなく、ターゲットのインサイトも含めた魅力的なコンテンツを作って発信することが求められています。
そこで鍵となるのが、Instagramの強みである「ビジュアル&ストーリー」。ビジュアルを通して、ブランドが持つ個性や、
さらに、いいねやコメント、参加型のキャンペーンなどを通してユーザーとのコミュニケーションを重ねることで、ターゲット層を巻き込み、ビジネスを加速させることができるんです。
次回はInstagramビジネスを成功させるための戦略を解説します。
元記事「Instagramは企業で取り入れるべき? そのメリットとは」は2019年6月20日にVISUAL SHIFTに掲載されました。
テキスト:吉永美代
イラスト:山崎真理子
amana Content Marketing
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