コンテンツマーケティングの予算を確保するためにCMOを説得するのは決して簡単なことではありませんが、いざとなれば、プロジェクトを始める前にROIを証明する必要があります。
何がそんなに難しくさせているのでしょうか? コンテンツマーケティングは短期的なゲームではなく、結果を伴う長期的な戦略です。コンテンツへの投資は、従来のマーケティング担当者が慣れきっていた考え方とはまったく異なるマインドセットが必要です。また、CMOは従来のデジタル広告から、より顧客中心で価値観主導のマーケティングアプローチへと舵を切る必要があります。つまり、現状を変えるようチームを説得するには、「あなた自身」が組織のチェンジエージェントにならなければならないということです。
マーケティング担当者としてのあなたの仕事は、コンテンツマーケティングが機能して、事業に影響を与えていることを証明し、必要な予算とサポートを獲得することです。ここからは、CMOが気に掛けているブランドロイヤルティ、収益、運用効率、コスト削減についてお話しましょう。
NewsCredは、CMOを説得するためのサポートをしたいと思っています。この記事では、ビジネステーマごとに優れた具体例を紹介します。この記事を読めば、適切なプレゼンテーションを作成し、エグゼクティブチームと上司に提示し、必要な予算を手に入れることができるでしょう。
優れたコンテンツが、購入の決定を左右します(2014年Nielsen、2015年Forrester)。
CMOがコンテンツに多大な投資をしているのはそのためです(2015年Forrester)。
Forresterは、報告書「マーケティングとメディアの効率化によるコンテンツマーケティングの推進」において、コンテンツマーケティングがbottom-line(純利益)の効率性とtop-line(売上や総収入)の成長を促進する理由を次のように評価しています。
多くのブランドは、コンテンツの制作量を減らすためにコンテンツマーケティングイニシアチブを採用しています。Intelは、より効率的な計画立案とコラボレーションによって、少しのコンテンツ制作量で多くの再利用物と成果をもたらしました。マーケティング担当者は、少数の高品質コンテンツ資産を管理し、コンテンツの有効活用を目指しています。
クリック単価などの広告費は高まっているのにリーチ率が減少しているため、マーケティング担当者はコンテンツマーケティングを、「注目を集めたいときに毎回メディア所有者に料金を支払うもの」から「一度支払えば継続的に注目を集めることができるもの」に移行する手段として捉えています。Unileverの場合、登録者数が合計800万人にもなる大物ビデオブロガーたちと手を組み、フォロワーに直接スポンサードコンテンツを公開しています。マーケティング担当者は、価値の高い少数の資産を活用して、顧客のライフサイクル全体でより多くの注目を集めようとしています。
既存顧客の維持は新規顧客の獲得よりも6~7倍安価なため、マーケティング担当者は、コンテンツで自社ブランドと主要な顧客セグメントの強固な結び付きを維持しています。もっともわかりやすい事例は、ウェアがボロボロになるまで製品を使い続けている顧客のストーリーを紹介した、PatagoniaのWorn Wearです。この戦略は、新製品を買ってもらうことではなく、ロイヤルティを重視しています。
GEは、コンテンツマーケティングが、従来の広告よりも大幅にブランドリフトを向上させることを証明しています。
GEは、BuzzFeedと提携して、カスタマイズしたブランデッドコンテンツを作成しました。それによって、ブランデッドコンテンツがディスプレイ広告よりも認知度を大幅に引き上げることに気づいたと言います。結果として、GEのコンテンツを閲覧した大多数のユーザーはGEを「創造的」な企業だと見なすようになり、GEはソーシャルメディアを通じて138%のブランドリフトを達成しました。さらに、ソーシャルメディアのおすすめ機能(Facebookの投稿、ツイート、メールリンクなど)でGEのブランデッドコンテンツを閲覧した場合、80%近くの回答者がポジティブなブランド属性を割り当てました。
Intelは、コンテンツマーケティングはエンゲージメントレベルが高い購読者を増やす、費用対効果が高い方法になり得ることを証明しました。
Intelのグローバルメディア&コンテンツストラテジストであるLuke Knight氏は、テレビ広告とコンテンツの影響力によるリーチを分析しました。マーケティング担当者のほとんどは、500万ドルかけてスーパーボウルで30秒のスポットCMを流す機会を選ぶかもしれませんが、Luke氏はその予算をコンテンツマーケティングに投資すると、どのような影響があるのかを理解したいと考えたのです。
彼の分析は興味深い結論を導き出しました。
NewsCredの顧客は、コンテンツマーケティングが従来のバナー広告と比較して10.35倍もの利益をもたらすことを証明しています。
2015年第4四半期に、NewsCredの顧客であり、Fotune500に名を連ねる金融サービス会社が、コンテンツ主導型の広告ユニットによるメディアの効率性と価値を従来のバナー広告と比較測定するテストを実施しました。その結果、コンテンツ主導型の広告ユニットは、全社的に素晴らしいメディアの効率性、リーチ、エンゲージメントを示したのです。
Hubspotは、公開頻度を上げることで、より多くの顧客を獲得できることを証明しています。
2014年に実施されたHubspotの調査によると、毎日執筆しているマーケティング担当者の82%がブログ経由で顧客を獲得したのに対し、執筆頻度が月に1回のマーケティング担当者で顧客を獲得できたのは57%だけでした。
NewsCredの顧客は、時間が経つにつれてコンテンツマーケティングの複合的な効果を実感しています。コンテンツを着実に公開すればするほど、より大きなROIを実現できるのです。
NewsCredのすべての顧客を見渡してみると、「コンテンツマーケティングには複合的な効果がある」という一貫したインサイトがありました。つまり、月に一回でも着実に公開し続ければ、時間の経過とともにコンテンツのROIが増加するということです。これは必ずしも多くのコンテンツを公開しなければならないという意味ではありません。大事なことは、一貫性(コンテンツを定期的な頻度で公開すること)」があることです。すでに持っているコンテンツを効率的に利用し、よりシームレスなワークフローとコンテンツ管理を行い、スマートな配信戦略を実行してください。そうすることで一貫性を達成できるでしょう。
NewsCredの顧客である、Fotune500の金融サービス企業を例に見てみましょう。
結果、ビジネスにどのような影響があったのでしょうか? 当社の顧客はなんと、たった1年でコンテンツマーケティングによる大幅なtop-line(売上や総収入)の成長とbottom-line(純利益)の効率性を促進しました。
Kraftは、コンテンツマーケティングで広告より4倍も高いROIを実現しています。
Kraftは、オーディエンスの行動とウェブコンテンツとのエンゲージメントにもとづき、22,000種類以上の属性をタグ付けして追跡しています。ウェブサイトの訪問者が年間100万人もいる(そして米国の世帯における製品普及率が98%であること)ことを考えると、これは非常に手間のかかる作業です。では、なぜKraftはこのことに熱心に取り組んでいるのでしょうか。
eConsultancyのインタビューによると、Kraftはコンテンツマーケティングでデータを所有し、コンテンツとのインタラクションをもとにして顧客への理解を深めることができたそうです。つまり、Kraftは新しいトレンドを即座に特定できるだけでなく、その特定した関心の高まりに乗じた広告を打つこともできます。Kraftは2年間で、コンテンツマーケティングが、従来の広告よりも4倍も高いROIをもたらすことを証明しました。
Xeroxは、コンテンツマーケティングで、受注パイプラインにおいて13億ドルもの収益を生み出しています。
Xeroxは得意先上位30社との関係を深めるために、ターゲットを絞った「Get Optimistic」キャンペーンを立ち上げ、Forbesと連携して仕事のコツを紹介する雑誌を制作しました。キャンペーンによって、ターゲット企業の70%以上がマイクロサイトとインタラクションし、読者数は過去に実施したメールキャンペーンより300~400%増加しました。もっとも重要なことは、このコンテンツマーケティングの取り組みをbottom-line(純利益)のパイプラインに結び付けたことです。Xeroxは、このキャンペーンを通じて、2万人の新規連絡先を獲得し、1,000件以上のアポイントメントを創出し、受注パイプラインで13億ドルもの収益を生み出しました。
ASUSは、コンテンツを活用してブランドの認知度を高め、全世界の売上を16%向上させています。
ASUSは16の市場で展開していますが予算が限られていたため、認知拡大をするためのテレビキャンペーンを行う余裕がありませんでした。とはいえ、彼らはブランドの認知度に大きな問題を抱えていたのです。彼らは世界で5番目に大きいPCベンダーであるにもかかわらず(2014年の販売数を元に集計)、多くの人が会社名すら聞いたことがないと答えていたからです。
2013年、ASUSはMicrosoftと提携して、メディアに精通したインフルエンサーの特定グループを対象としたコンテンツマーケティングキャンペーンを立ち上げました。そして、並外れた創造性や想像力のストーリーを讃える「In Search of Incredible」というマイクロサイトを制作しました。彼らは、記事や動画でエディトリアルコンテンツや顧客コンテンツを組み合わせ、8カ国でキャンペーンを実施しました。
Microsoftによると、ASUSは信じられないほどの結果を実現しています。
NewsCredのマーケティングチームは、コンテンツマーケティングによって、顧客獲得数、更新率、アップセルが向上することを証明しています。
NewsCredの自社ブログでも、他社と同じような傾向が見られました。NewsCredのマーケティングチームは、ブログ記事の公開頻度を週2回から週6回へと増やし、通常の顧客獲得費用の50%で、月に30%ずつ購読者を増やすことができたのです。
有料配信の費用を含めると、1つのホワイトペーパーのROIは800%近くです。つまり、1ドルを投入するごとに8ドルが返ってくる計算です。
さて、ようやく最後までたどり着きましたね! この記事で紹介した具体例によって、コンテンツマーケティングのビジネスケースを構築し、プレゼンテーションが成功することを祈っています。さらに情報が欲しい方はお問い合わせください。
NewsCredがコンテンツマーケティングの目標達成にどのように役立つかについて、さらに詳しく説明させていただきます。
Alicianne RandはNewsCredのマーケティング担当VPです。
元記事「The Ultimate Guide to Building the Business Case For Content Marketing」は2016年2月19日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事はNewsCred BlogのAlicianne Randが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。
amana Content Marketing
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コンテンツマーケティングの本場であるアメリカで、業界を牽引するリーディングカンパニーであるIndustry Dive。国内唯一の独占パートナーであるアマナがその集合知を活用し、成果へと繋がるコンテンツマーケティングをサポートします。
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