秀でたリーダーシップは、市場の差別化を図り、格別のカスタマーエクスペリエンスを提供しようと努力する、すべての企業にとって欠かせないものです。
Bloombergのような巨大な企業では、複雑な組織のあらゆる部分で変化を促進する先見的なリーダーだけが進歩と革新を遂げることができます。Bloombergの最高マーケティング責任者のDeirdre Bigley氏はそうしたリーダーのひとりです。
2009年にIBMから転職してきたBigley氏は、Bloombergの企業グローバルマーケティング部門をいちから構築しました。現在彼女は、金融商品・メディア・垂直業界(バーティカル市場)など、世界におけるBloombergビジネスのマーケティング活動を率いています。
Bloombergの最高マーケティング責任者、Deirdre Bigley氏
Bigley氏は在任当初から、Bloombergブランドのユニークな価値を提供するために、コンテンツ・デザイン・テクノロジーで構成したチームの育成に注力してきました。そして、すべてのマーケティングプログラムで、同社のコアミッション「顧客が情報にもとづいた意思決定を行うことができるように、正確なニュース・経済データ・業界分析を提供すること」の反映を目指しています。
彼女の成功は、世界中の複数の地域に及ぶマーケティング組織だけでなく、彼女が管理および指導した人々に影響を与えた方法にも現れています。
私がBigley氏と初めてお会いしたのは、2016年の夏にBloombergでインターンをしたときでした。私は、部署に関係なく社内の若い女性12人を集めた女性コミュニティグループのメンタリングセッションに招待され、Bigley氏とつながる機会を得ました。業界に参入してすぐに昇進した若き専門的な女性として、自分自身の経験を引き合いに出した彼女のメッセージは、明確で意欲をかき立てられるものでした。
彼女は「自分がどのような人間で、どのような価値を持っているのか、常に注視しましょう」と強く呼びかけ、参加者たちに自身を定義する価値を理解するよう念を押しました。
そして彼女はネットワークを作り、メンターを見つけ、強く自信を持って意見を述べることの重要性を強調しました。「会議室に座っているのに何も意見を言わないのならば、あなたはそこにいないも同然です」。
2年後、Bigley氏とのディスカッションが若い専門家としての自己啓発に重要な瞬間だったと認識するようになりました。私は今日に至るまで、彼女の自信あふれるリーダーシップや、若い専門家へのコミットメント、賢明なアドバイスに感銘を受け続けています。フェミニストメディア企業であるMAKERSのリーダー兼取締役でもあるBigley氏は、職場内外のダイバーシティとインクルージョンの文化を育むことに全力を尽くしているのです。
事実として、BloombergはBloomberg D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)のブログとコンテンツマーケティングプログラムによって、NewsCredの【2018年版】ベストコンテンツマーケティングブランド50選に選ばれました。このプログラムは、インクルージョンを重視した職場づくりという同社のコミットメントを強調し、多様な従業員を誘致・維持するよう努めています。
Bloombergのマーケティング活動を構築する彼女の変革的な仕事や、ダイバーシティとインクルージョンに対するコミットメント、Bloombergブランドのユニークな価値提案を伝達するコンテンツの役割について、Bigley氏と情報交換ができたのは、私にとって非常に光栄なことでした。
ーー Bloombergの最高マーケティング責任者として、あなたの主な優先事項と責任は何ですか?
ーー 2009年にBloombergに入社する前、あなたはシニアレベルのマーケティング担当者としてIBMに13年間在籍していましたね。Bloombergはこの転職にどのようなインスピレーションを与えたのでしょうか?
偉大なブランドからの電話は、常に魅力的だと感じるものです。しかも、自分のメンターから電話があり、それがマーケティング組織をいちから構築するという仕事内容だったら、オファーを断ることは不可能です。
ーー Bloombergの企業マーケティング事業をいちから構築するにあたって、どのようにすべてのチームを連携させましたか?
ここまで進化するには9年もかかりました。連携させるために行ったのは、主に以下の3点です。
ーー Bloombergのような複雑な会社において、ユニークな価値を伝えるブランドをどのように確立していますか?
たしかに、Bloombergは事業がたくさんあってまとまりがないように見えるかもしれませんが、その中核にあるのはただひとつ、「顧客が情報にもとづいた意思決定を行うことができるように、データ・ニュース・インサイトを提供すること」ということです。すべてのビジネスとマーケティングプログラムは、そのミッションにたどり着くまでのはしごのようなものです。
ーー マーケティング担当者は、自社のブランドに命を吹き込むコンテンツエクスペリエンスを創造するために、ストーリーテリングをどのように活用すれば良いですか?
コンテンツを作成してそれを宣伝するのは簡単です。それよりも、人々に時間を投資したいと思わせるストーリーを伝えるほうがずっと難しいのです。開発する各コンテンツは、独自の立場に立つ十分なインサイトを備えていなくてはなりません。全体的に、コンテンツは階層化されたブランドストーリーを提示する必要があります。Bloombergは金融市場に対する深いインサイトや、慈善活動に対する献身、ダイバーシティとインクルージョンに対するコミットメント、稀有で特別な文化を要素として含みます。これらすべての要素を魅力的なインサイトと組み合わせることで、ブランドストーリーを伝えているのです。
ーー 長年にわたり、あなたは、広告業界で活躍するAWNY(Australian Women in New York)50人からWorking Mother Magazineのトップワーキングマザー賞に至るまで、職場や家庭での成功を讃える一連の賞を受賞してきました。ワークライフバランスをどのように管理していますか?
今は子どもたちも大学生なのではるかに楽になりましたが、経験者からするとワークライフバランスなどというものは存在しません。罪悪感に慣れることが必要です。仕事を優先しなければならないときも、家庭を優先しなければならないときもあります。そして、いつも誰かが損な役割を担っていると罪悪感を覚えるかもしれません。最善を尽くし、自分が欠点だと思うことも大目に見てください。
ーー 職場におけるダイバーシティ&インクルージョンに対するコミットメントについて教えてください。
これは私にとって非常にパーソナルなことです。私はBloombergの女性と積極的に関わっています。私はラテン系コミュニティのエグゼクティブスポンサーであり、MAKERSの取締役です。私は多様なチームのほうが優れていることを知っています。ですので、平等やインクルージョンを尊重し、多様な従業員を採用することに全力を尽くしています。最高の仕事は、全く異なる経歴や視点を持つチームによってもたらされるものです。
ーー 2018年も後半に差しかかりましたが、すべてのCMOが認識すべきことは何ですか?
データと分析の重要性や、メッセージングを狙ってROI(投資収益率)を高める必要性について明確な答えを出すのは簡単なことです。しかし私は文化の重要性も信じています。共通のミッションに導かれ、お互いを尊重し、毎日(訂正します…ほぼ毎日)仕事を心から楽しめるチームを作ることができれば、どんなことも達成することができるでしょう。
ーー マーケティングの未来を形作っている最も驚くべきトレンドは何ですか?
社内エージェンシーの台頭です。これは私の同僚が言っていた言葉ですが、コンテンツ・デザイン・テクノロジーをひとつのチームにまとめることで、迅速かつ効果的なマーケティング組織へと成長することができます。それは社内でしか実現できませんし、人材を確保することも可能です。
【2018年版】ベストコンテンツマーケティングブランド50選について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
Gaby TamaはNewsCredのソーシャルメディアおよびコンテンツマーケティング担当アソシエイトです。
元記事「Q+A: How Bloomberg CMO Deirdre Bigley Leads a Global Marketing Organization」は2018年6月25日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事はNewsCred BlogのGaby Tamaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
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