事例から学ぶ、メールマーケティングを成功に導く5つのデザイン要素

顧客とコミュニケーションを取るにはさまざまな方法がありますが、メールには、最も効果的で顧客を引き込める方法となる可能性があります。メールは、すべてを管理できるチャネルであり、1対1でオーディエンスと会話する方法であり、無限の創造性を発揮できる媒体なのです。

メールニュースやキャンペーンメールは強力なコンテンツマーケティングツールですが、可能性は簡単に失われます。削除、未読、未開封。全業界を通じて、開封率は約25%ある一方で、クリック率は5%を下回っています。しかし、読んでもらい、かつ読者に狙い通りの行動をとらせて、最大の成果を得る方法があります。

それは、素晴らしいデザインを導入することです。

効果的なデザインによって、気を引いて、注目を集めることができます。そして一番重要なのは、読者を積極的にコール・トゥー・アクション(CTA)に導かせることです。Eメールコンテンツは、受信トレイの中で、購読者に助言やインスピレーション、価値を与えるものでなければなりません。しかし、最高のEメールコンテンツは、素晴らしい見栄えも備えています。

メールニュースを美的に補強し、クリック率を向上させるために、次の5つのデザイン要素を考えてみましょう。

レイアウト

どのような背景のデザインであろうとも、レイアウトによって、コンテンツの流れと、読者が情報に触れる順序が決まります。退屈なテキストブロックは無視されやすい一方、創造的なデザインはあなたが望む場所に読者の目を向けることができます。

消費者向け、B2B向けに関わらず、Eメールのテンプレートは、一般に2〜3個の水平レイヤに分割されているので、読者が探ったり試したりするたくさんの可能性があります。読者が読み進めやすいように、まずはメールの上の方を十分に面白い内容にしましょう。

大手建設会社のCaterpillarは、読者がすぐに目を向けるように、際立ってシンプルなヒーローイメージとヘッダーを採用しました。矢印のようなグラフィックによって、視線を下に誘導し、アイキャッチとなる特集記事や、素晴らしいブランドストーリーへと読者を誘います。そして、これらの記事は、強力なコール・トゥー・アクション、魅力的なCTAボタンで終わるのです。

ボタンがキーになります: Eメールマーケティング会社のCampaign Monitorは、ボタン型のCTAは、テキストリンク型のCTAに比べて、クリック率を28%向上させることを見つけました。

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ヒント: メールマーケティング企業のMovableInkによる、米国の消費者向けデバイス嗜好調査によると、メールの66%がモバイルデバイスで開かれています。そのため、使用しているメールテンプレートが、スマートフォンやタブレットで読みやすいレスポンシブデザイン、またはシングル・カラム・デザインとなっているかを確認しましょう。そして、画像やテキストを使いすぎないように。適切なバランスがとれていれば、ミニマルなメールが魅力的に見えるようになります。

配色

着手しているさまざまなデザインプロジェクト同様、メールマーケティングでも、配色によってメッセージのトーンが決まり、強い感情的反応や深い親しみ感を引き出すことが可能になります。

メリーランド州のLoyola大学の調査によると、ブランドは、色によって最大80%識別しやすくなることがわかりました。納得できる話です。自分の知っているポピュラーなブランドを思い浮かべてみましょう。どれも皆、色と結びついているはずです。スターバックスは緑。IBMやヒューレット・パッカード、Dellは青、Targetは赤。

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ではeasyJetは? もちろんオレンジです。

この航空会社は、創立20周年を記念して革新的なEメールキャンペーンを実施しました。このキャンペーンでは、パーソナライズされた旅行のストーリーを提供するのに、ユーザのデータを活用しました。easyJetの特徴的なシェードによって、クリエイティブなグラフィックの隅から隅まで読者の目が向くようになっています。そこには読者の過去の旅に関する楽しい事実がちりばめられているのです。魅力的なアイコン、夢のようなブルー系の画像、暖色のアクセントは、ブランドのイメージカラーであるオレンジを美しく引き立たせています。ストーリーのCTAは、次の休暇に、旅行の予約をしてもらうためのセールスではなく、easyJetのヨーロッパトップ20の目的地を見ながら、読者が自身の旅行という冒険の継続を促すことです。

この視覚的にパワフルで、パーソナライズされたメールコンテンツマーケティングの大変優れた事例の結果は、どうだったのでしょうか。ブランド自身の発表によると、全12,473,608通が送信され、「平均のeasyJetのニュースレターよりも100%以上高い開封率、25%以上高いクリック率を記録しました。(中略)そして、マーケット全体を通して、完全にパーソナライズされたバージョンのメールを受け取ったeasyJetの顧客の7.5%が、30日以内に旅行の予約をしたのです」。

ヒント: メインカラー1色だけ取り上げる、または複数の色を取り上げるーーどちらであっても、ブランドに忠実であることと、すぐにブランドと識別してもらえるような一貫性を保ちましょう。「すべてのメールサービスプロバイダがメール内の画像をサポートしているわけではありません。デフォルトで画像が表示されないようにしている場合もあります。そのためすべての画像に代替テキストを追加することを忘れないようにしましょう。背景画像には、さらに背景色を敷くようにしましょう」と、EmailMonksのマーケティング責任者Kevin George氏は言っています

ネガティブスペース

ネガティブスペースとは、余白、コントラスト、目立つシルエットによって生み出される強力な視覚的ツールです。

このデザイン要素を認識して、上手く利用すると、コンテンツに息が吹き込まれ、視線を集めて興味をそそる個性的な形態が生み出されます。とくに多くの人がスマートフォンやタブレットでメールを読んでいることを踏まえると、画像を何点も用い、たくさんのテキストラインで出来たメールは、読者をすぐにぼう然とさせるかもしれません。

とくに小さなスクリーンでは、小さなネガティブスペースでは、逆効果になってしまいます。

「デザイナーの主な目標は、メールをシンプルに見せることと、しばしばメッセージを邪魔するような視覚的な散漫さを取り除くことです」とReally Good Emailの共同設立者であるMike Nelson氏は書いています。

画像やテキストを広げましょう。そして、ヘッダ―、文字や符号、テキストブロック、およびビジュアルの間に適切な余白を設けることは、コンテンツをスムーズに閲覧し、脳が情報をたやすく取り込み、整理するためには必要であることを忘れないようにしましょう。

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この例では、Sephoraは余白に熱心に取組み、遊び心のある構成を試みました。黒と白のヘッドライン、ストライプのラッピングペーパー、化粧品の容器は、製品情報と下のスペシャル・オファーに目を向けさせます。罫線と”New at Sephora”という文字の間隔、パウダーの配置に注目です。これは偶然の産物ではありません。一方で、メール全体がSephoraのホームページへと誘導するボタンとなっているという驚くべき事実のために、多くの製品のCTAがどこにあるのかが曖昧で、役に立たなくなってしまい、読者にフラストレーションを与えてしまっている可能性もあります。

ヒント: カラフルな化粧品を塗りつけたり、こぼしているようなちょっとした演出、手書きのメモやスタンプのようなグラフィックは、メールの新鮮で楽しい見た目を形作っています。このようなクリエイティビティを自身のメールコンテンツに、どのように適用すれば良いのか考えてみましょう。ただしデザインの一番の目的は、読者にCTAをクリックさせることです。できるだけコンバージョンを妨げるものを少なくしましょう、そしてランディングページがメールの内容と関連していることを確認するのも忘れずに。

タイポグラフィ

使用する書体によってブランドの個性を大きく左右するのは驚くべきことです(そして間違った選択が、すぐさま傷になるのも驚くべきことです)。ブランドは通常フォントを設定していますが、特別な機会やキャンペーンでは、ときとして他のフォントが混在する可能性があります。

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ジャックダニエルは、リセラーへ新製品を紹介する際、ボトルの特殊フォントを借用して魅力的なタイポグラフィックでディスプレイを作成しました。デザイナーは、「Tennessee」部分の筆記体を、メールのヘッドラインとスタイリッシュなCTAボタンに限定して使用し、サブヘッダーは大文字と小文字の組み合わせで遊んでいます。同じセリフフォントは、本文に、より小さいサイズでも使用されていて、全体で使われているフォントの種類は、わずか2つです。彼らの才能からしたら、それ以上のフォントの組み合わせは、やり過ぎでしかありません。

ヒント: フォントの種類は少ないほど良いのです。凝りすぎないようにしましょう。メール1通の中には3~4種類のフォント、色だけが使われているようにしましょう。メールをシンプルに保ち、フォントと色にこだわることです。タイポグラフィは、とくにCTAボタンについては、コピーを補うものであって、コピーよりも強くなってはいけないものです。見やすく読みやすい組み合わせを生み出すことに注力しましょう。

アニメーション

素晴らしく、慎重に選択されたビジュアル表現が、メールマーケティングに必要であることは言うまでもありません。

では、アニメーションはどうでしょう。「動き」は注意を引くものですし、メールサービスプロバイダは、まだ動画をサポートしていないので、メールにGIFスチルを用いることには、まだ目新しさがあります。5〜10のGIFスチルに多くの情報を収めることができますし、すぐに動き出すというメディアの性質のおかげで、読者はすべてを見る傾向があります。

キャンペーンにちょっとした輝きを加える場合でも、少ない空間に多くの情報を表示するツールとして使う場合でも、GIFには、広大なストーリーテリングを行い、読者を惹きつける可能性があるのです。

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インテリア雑貨ブランドのSerena&Lilyの事例は、画像とテキストを組み合わせたGIFを使用して、魅力的なアイデアと、目を引くゴージャスなインテリアデザインを代わる代わる表示させています。ライフスタイル系の高級ファッション雑誌のように読めるため、この美しいキャンペーンでは、読み手はメールメッセージの制約を超えて、サイトへと誘われています。すべて大文字で書かれた“CREATE THIS LOOK >”が、定番の“Shop now”や“Learn more”などを超えた魅力的なCTAとなっています。このように美しいメールを見せられたら、「いいえ、結構です」と言うのは難しいでしょう。

ヒント: 誰でもGIFをまとめて設置することは出来ますが、それが良い結果になることを意味するわけではありません。良い結果を出すためにも、使う前にGIFを含めることが適切なのか、目的にかなうのかを確認しましょう。準備が整っていれば、完璧なGIFの作成を支援するツールは、たくさんあります。

最高の事例: Plated.

このメールは、ミールキット配送会社Platedの事例で、ここまで挙げてきた各デザインの要素が申し分なく利用されています。メール上部には、きれいなGIFアニメーションでメッセージが表示されます。アニメーションは、よくあるようにループするのではなく、一度きりで停止しています。シンプルで穏やかなジグザグのレイアウトを使用することで、最高級の春の素材を案内し、十分な余白によって印象を和らげ、シンプルな色で印象付けられたビジュアルが強調されています。このビジュアルはPlatedウェブサイトで詳細情報を見るためのボタンとして機能します。一方で、緑色のタイプライターフォントはコピーのちょっとしたアクセントになるほか、メール本文の上部と下部のCTAリンクや、最後の大きなサイト誘導ボタンとしても使われています。

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ヒント: 複数のCTAを使っていることは多少の議論の余地があるかもしれませんが、メールマーケティングの専門家Aaron Bolshow氏は何年ものテストの結果、「複数のCTAを使用することは、最低でも20%のエンゲージメントを日常的に引き上げる」と見ています。適切な場所にわかりやすいリンクと、目を引くボタンを設置しましょう。そして、読者がこれらのCTAをクリックして特定の適切な場所、あなたにとっても、将来的な顧客にとっても役に立つ場所に遷移できるようにしましょう。

Anastasia DyakovskayaはNewsCredの寄稿者です。

元記事「5 Elements of Successful Email Marketing Design [EXAMPLES]」は2017年8月16日にInsights.newscred.comに掲載されたものです。

 

この記事はNewsCred BlogのAnastasia Dyakovskayaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

 

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