コンテンツマーケティングおいて、なぜビジュアルが必要とされるのでしょうか? その意義と、最適なビジュアルとは何かについて、アマナでマーケティングディレクターとして企業のデジタルマーケティングを支援してきた渡邊隆尚が解説します。
ブランド構築とマーケティングには、一貫性が重要です。コンテンツマーケティング戦略において、ビジュアルに一貫性があればあるほど、より信頼性が高いと思われます。また、これらのビジュアルは、あなたのブランドのトーンを確立するのに役立ち、ユーザーがあなたをよりよく知っていると感じるのに役立ちます。ユーザーは、ビジュアルによって表現されたり、クールであったり、重厚であったり、楽しそうであったりするものに共感し、そのつながりを求めているのです。
人間の脳は、テキストより画像を60,000倍速く処理すると言われます。そのため、コンテンツにビジュアルを使用すると、ターゲットオーディエンスはデータや特定の情報を簡単に理解できるようになります。最近の調査によると、指示にビジュアルがついている場合、読者は説明されているアクションを完了する可能性が、テキストだけの場合より323%高くなることがわかっています。
また、そのほかにも以下のような調査データがあります。
人間の脳がビジュアルを処理する時間はわずか13ミリ秒
MIT(マサチューセッツ工科大学)のある研究チームは、人々が見た画像をわずか13ミリ秒(1000分の13秒)で識別できることを発見しました。これは単一のフィルムフレームよりも高速であり、テキスト行をざっと読んで理解するのにかかる時間の最大600倍の速度です。
人間は情報の80%を視覚から得る
Lester Inc.の2006年の学術記事によると、人間は情報の80%を視覚から得ています。また、アメリカの広告業界誌『Adweek』の記事でも、人は見た物、やったことの80%を記憶し、読んだことの記憶は20%に留まるというデータが掲載されています。コンテンツマーケティングにおけるビジュアルは、担当者が自社の商品やサービスを消費者の印象に残りたいと思うのであれば「必須」なのです。
B2Bの顧客の95%が、より短く視覚的なコンテンツが必要だと述べている
リード獲得のコンテンツとしてよく用いられる「ホワイトペーパー」は、さまざまなコンテンツタイプの中でも最も詳細な情報を提供しますが、ほとんどのビデオ、そしてインフォグラフィックなどのビジュアルコンテンツよりも遥かに多くの時間投資を伴います。顧客は製品やサービスに関する情報をできるだけ短い時間で消費したいと考えています。B2B購入者の95%は、より短いコンテンツ形式を好む傾向にあることを忘れてはいけません。
ブランドイメージ
退屈なテキストと活気のない企業ロゴだけのコンテンツの時代は終わりました。カラフルで美しい画像や、ブランドが体現された高品質な画像は記事間の流れを作り、ブランドの認知を生み出すことができます。ブランドイメージを向上させるには、美しく撮影されたストックフォトや、デザイン性の高い企業ロゴを使用したイラストなど、さまざまな物があります。また、ブランドカラーを取り入れることも重要です。
ブランドイメージを利用して
・記事を充実化する
・テキストの多い記事の理解度を深める
・より多くのイメージを生み出す
・一貫性のあるUXを体現する
マーケターやビジネスオーナーなどの主要な意思決定者は、統計とデータ分析に基づいて意思決定を行いますが、オンラインでブックマークした記事を読みこむ余裕があるわけではありません。その点、インフォグラフィックは消化しやすく、ソーシャルプラットフォームでも簡単に共有できる最も重要な情報と関連データが簡単に要約できるため、オンラインでのリーチが広がります。
インフォグラフィックを利用して
・調査と投票結果を視覚化する
・重要な統計を強調する
・興味深いファクトを強調する
・ブランドのタイムラインを共有する
世界最大級のコンピューターネットワーク企業・Ciscoの推定によると、2022年のすべてのインターネットトラフィックの82%がビデオになると予測しています。ビデオは数分で情報を配信し、短い記事でさえも立ち止まって読む時間がない顧客にとって適切なコンテンツとなるでしょう。
ビデオを利用して
・「About us」ビデオを作成する
・強力で焦点を絞ったトピックの動画
・How toやチュートリアル
・お客様の声
・製品レビュー
・記事・ホワイトペーパーなど、あらゆる形式のコンテンツを再利用するため
コンテンツマーケティングの主な目的は、見込み客を購入までの道のりへスムーズに誘導することです。個人情報を獲得するフォームへとユーザーを誘導するボタンやテキストリンクなどのCTA(Call To Action=行動喚起)は顧客にコンバージョンを達成し、意思決定に基づいて行動するように指示する上で重要な役割を果たします。例えば、目標到達プロセスの最上位コンテンツには、訪問者を目標到達プロセスのコンテンツの中央に誘導するCTAを含める必要があります。さらに、CTAを利用して、ユーザーが適切なリードをとるように促すことができます。ここでの目標は、潜在的な見込み客に興味を起こさせ、ウェブサイトの「お問い合わせ」ページ、または営業担当者から詳細について連絡する方法を見つけてもらうことです。これはほとんどのB2BのCTA戦略に適用されます。
CTAを利用して
・目標到達プロセスの最上位から中間段階にトラフィックを誘導する
・Chatbotですぐに営業チームに連絡できるようにする
・読者にアンケートに参加するか、ニュースレターを購読できるように促す
・コンバージョン率を高める
今回紹介した中でも、特に利用頻度の高い「画像」を掲載する際に押さえておきたいポイントをいくつか紹介します。
適切なファイル名をつける
画像のファイル名が重要な理由。
・Googleが画像を理解しやすくなる
・画像検索トラフィックの獲得につながる
Googleが画像を理解しやすくなる
Googleがwebサイトをクローリング(ロボットによる情報収集)する際に、文章は理解できますが画像の理解はできません。そのため、ファイル名で画像の内容を伝える必要があります。適切なファイル名を設定することで、Googleのクローラーはより正確にコンテンツの内容を理解できるようになります。
画像検索トラフィックの獲得につながる
2016年から2018年の間にGoogleで画像検索をする人は60%以上も増加しているという報告があります。
出典:Think with Google
画像検索のニーズが高まっているため、画像検索でユーザーに選ばれる施策を行うことは重要です。
なお、SEO対策を高める画像ファイル名とは、以下3つを適切に設定したものとなります。
・ファイル名
・alt属性
・画像を挿入する位置
ファイル名
ファイル名は短めにすることを推奨します。Googleに対して端的に内容を伝えることが目的です。また、Googleは日本語のファイル名を認識できない、ローマ字も英単語として認識しまうため、英語のキーワードを含めたファイル名にしましょう。
OK: woman-running.jpg
NG: 走る女性.jpg
また、001.jpgやDCIM7581.jpgといったファイル名も、内容を理解できないためNGです。
alt属性
alt属性とは画像の詳細な説明を行う代替テキストのことです。画像が表示されなかったときなどに、代わりにalt属性の内容が表示されます。alt属性を設定することで、スクリーンリーダー(音声読み上げ機能)を使うユーザーにも情報が提供でき、また前述のクローラーに認識してもらうこともできます。
なお、alt属性はファイル名と違い、日本語での文章を利用することも可能です。また、alt属性内でキーワードの繰り返しはスパムと判定される可能性が高まるため、先程のファイル名の例であげた画像にalt属性を付与する場合は「ランニングをしている女性」などにするのが適切です。
画像を挿入する位置
画像を挿入する場所は、関連するテキストの近くにしましょう。また、Googleのクローラーは、上部にある画像ほど重要度が高いと認識するため、重要度の高い画像はアイキャッチ(メインビジュアル)や上部の見出しに利用しましょう。
また、ありがちな間違いとして、リサイズをしないで画像をアップロードすることもあげられます。撮り下ろした写真をフォトグラファーから提供された場合、往々にして横幅3000pxなどの必要以上に高解像度な写真であることがほとんどです。
解像度が必要以上に高い=ファイル容量が大きいということになり、ページの読み込み速度に影響がでてきます。Googleは特に近年モバイルフレンドリーを意識しており、画像ファイルの大きさはページの読み込み速度に直結するため、アップロードする際は注意が必要です。
メディアや広告用に利用する適切なサイズをあらかじめ決定しておき、フォトグラファーにも納品サイズを指定するようにしましょう。
企業サイトやブランドのオウンドメディアで利用すべきビジュアルの幅は時代とともに増えつつあります。ARコンテンツやCG(メタバース用コンテンツ含む)なども、遠くない未来にメディアで当たり前に活用されていくことになるでしょう。最適なビジュアルコンテンツの見せ方の第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。
文:渡邊隆尚(アマナ)
デザイン:中村圭佑
amana Content Marketing
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コンテンツマーケティングの本場であるアメリカで、業界を牽引するリーディングカンパニーであるIndustry Dive。国内唯一の独占パートナーであるアマナがその集合知を活用し、成果へと繋がるコンテンツマーケティングをサポートします。
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