2024年版|4ブランドの事例から魅力的なブランドストーリーを学ぶ

Coca Cola Neon sign in American Diner

目次:


2024年に入り、新しいコンテンツマーケティングのキャンペーンが行われていますが、消費者の注目を集め続けるには何か特別なものが必要です。studioIDが実施した2024年のコンテンツマーケティングとデマンドジェネレーションの予測調査によると、コンテンツマーケティングの担当者の56%が、今年の最優先課題は、「より魅力的なストーリーを伝えること」だと回答しています。質の高いストーリーテリングを活用しコンテンツを盛り上げている4つのトップブランドの例から、魅力的なストーリーのヒントを探してみましょう。

ブランドストーリー事例①:DoveとNikeが協力して新たな物語を紡ぐ

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Dove Global Channel 🌎(@dove)がシェアした投稿

クリエイティブポイント:人間味あふれるストーリーテリング

ブランドのインスピレーション

2004年以来、Doveは身体への自信と自尊心を育むためのツールを次世代に提供し、若者の自尊心が損なわれることがないよう取り組んできました。
若い女性の自尊心とボディ・コンフィデンス教育の世界的リーダーとして、私たちは彼女たちの心身が危機にさらされた時、彼女たちをサポートする責任があります。

— Alessandro Manfredi、Dove最高マーケティング責任者

キャンペーンの詳細

DoveとNikeの共同キャンペーン「Body Confidence Sport」は、スポーツをする11〜17歳の少女たちが自身の体に対する自信(ボディ・コンフィデンス)を高められるようになるための、世界初のスポーツ指導者向けのプログラムです。指導者を対象としたオンライン学習や、ワークを通じてアスリートのボディ・コンフィデンスを高められる指導者主導型プログラムなどを展開します。Body Confidence Sportは、それ自体がマーケティングキャンペーンであるだけでなく、DoveとNikeによるボディポジティブなパートナーシップから生まれた新しいプログラムです。10代の少女の45%が自身の身体に自信がないためにスポーツをやめてしまうという調査結果を受け、両社は科学的根拠に裏付けされた新たな方法を開発し、若い女性が自尊心と自身の身体への自信を持ちながらスポーツで活躍できるよう支援しました。

『自分の身体がどう見えるか』から、『自分の身体で何ができるか』ということに話題をシフトすることで、より多くの女の子がスポーツを続け、そのメリットを体験できるようになります」と、Nikeのバイスプレジデント兼チーフソーシャル&コミュニティインパクトオフィサーであるVanessa Garcia-Britoは言います。

私たちは、世界を前進させる次世代の女性リーダーやチェンジメーカーを生み出していると信じています。
body cofr.png

注目の理由

DoveとNikeが2年かけて共同開発したこの新しいプログラムは、「11〜17歳の女の子が身体に対する自信を持つための科学的に証明された世界初のコーチングツール」です。Centre for Appearance ResearchとTucker Center for Research on Girls & Women in Sportに所属する世界的に有名な学術専門家の協力を得て、「世界中のコーチやアスリートが、活動的な身体が本当にすばらしいものであると称賛できるようにする」ことを目的としたさまざまなコンテンツで構成されています。

これらは、ビデオモジュール、ガイド、ワークブック、その他の教材、さらには保護者に役立つコンテンツ、ソーシャルメディアでの推進と、Venus WilliamsやLaurie Herandezといったスターとのパートナーシップを通じて大成功を収めました。

📚 関連コンテンツ(英語):  3 Brands Getting Purpose-Driven Marketing Right in 2023

 ブランドストーリー事例②: ラム酒ブランド「Ron Zacapa」はブランドストーリーに賭ける

クリエイティブポイント:予算に依存しないクリエイティブの力によるストーリーテリング

ブランドのインスピレーション

私たちは消費者の「奥深さ」への欲求を引き出し、人々がRon Zacapaを口にしたときに感じる瞬間的で感覚的なつながりを実現したいと考えました。

— Christina Choi、Diageoシニアバイスプレジデント

キャンペーンの詳細

グアテマラの高級ラム酒ブランド「Ron Zacapa」による「Lips to Soul」は、Ron Zapacaが持つダークスピリッツの世界を映像に落とし込んだ、初の世界的クリエイティブキャンペーンです。Lips to Soulの映像はデジタルOOHや一部市場のテレビ、FacebookやInstagramといったSNSなどを通じて展開されます。Ron Zacapaはこのキャンペーンで、ありのままのブランドの姿を発信しました。このキャンペーンは、Ron Zacapaが女性醸造家を持つ唯一のスピリッツカンパニーとして、女性中心のアプローチを貫いています。キャンペーンでは、2カ国語で表現した詩と直感的なイメージによって神聖な女性性を表し、Ron Zacapaのユニークかつ神聖な味わいと結びつけているようです。

「私たちの想像力をかき立て、不思議な感覚を抱く体験に驚かされることほど、すばらしい感情はないと信じています。それこそが『Lips to Soul』で達成しようとしていることです」と、DiageoのシニアバイスプレジデントであるChristina Choiは話します。

注目の理由

有能なクリエイティブチームがいれば、予算に関係なくどんなことでもできます。「クリエイティブコンセプト全体を通して、カラーグレーディングの選択、光の使い方、詩的な感性は、見る人を感覚的な旅に誘うようにデザインされています」と、Ron Zacapaの担当部門のグローバルヘッドであるNiamh Burnsはいいます。「私たちはダークスピリッツの世界を再定義し、ブランドを大胆で現代的な空間へと導きます。私たちの使命は、ラム酒を紹介するだけでなく、世界中の多様な消費者の共感を呼ぶ没入型の体験を提供することです」

📖 関連コンテンツ(英語):  How to Tell an Unforgettable Brand Story

 ブランドストーリー事例③: コカ・コーラが真のブランドストーリーテリングの魔法にかける

クリエイティブポイント:最新技術を用いたストーリーテリング 

ブランドのインスピレーション

まずプロジェクトは専門家と共に始めます。彼らが(生成AIを)どのように使っているか、コカ・コーラが有している資産とどのように相互作用するか、そしてそれより大衆ウケし、かつ広がりのある体験とつなげる方法を学びます。

— Selman Careaga、コカ・コーラ・グローバルカテゴリー担当プレジデント

キャンペーンの詳細

コカ・コーラは、100年以上にわたるブランド資産とビジュアルアーカイブに、人工知能(AI)という最新技術を織り交ぜた新しい方法で、クリスマスのブランドストーリーを伝えるホリデーキャンペーン「Create Real Magic」を行いました。キャンペーンは、OpenAIを活用した同社の画像生成AIツール「Create Real Magic」を一般公開し、消費者は「テーマ」「シーン」「スタイル」の3つのカテゴリーで提示される選択肢を選ぶと、オリジナルのクリスマスカードを生成できるというものです。Create Real Magicはベイン・アンド・カンパニーと2023年の初めに制作したもの。キャンペーンのプラットフォームからは、12万を超えるUSG(ユーザー生成コンテンツ)が集まりました。「私たちはCreate Real Magicキャンペーンで集まったアート作品から、20人のトップクリエイターを選びました。夏に(Real Magic Academyで)彼らと会い、今後、どのようにこのキャンペーンを改善していくかについて話し合いました」とSelman Careagaは話します。

今、クリスマスに向けてみなさんが目にしているのは、私たちがこのプラットフォームで学んだことです。つまり、私たちが、より人々が簡単に、よりエキサイティングに交流できる方法を学んだ結果です。愛する人に送るクリスマスカードを作成するために、より使いやすいプラットフォームができたと信じています。

注目の理由

ますますAIが身近なものになり、新しいブランド体験や顧客体験の機会は無限に広がっています。Selman Careagaは、「以前は、コンテンツやクイズ、すばらしいクリスマス広告などを作成して、人々に気に入ってもらえることを願っていました」と話します。「クリスマスカードを例とすると、我々が消費者と関わり、消費者がコカ・コーラのような象徴的なブランドで遊べるという点で、我々と消費者は双方向の関係になっています…【略】今、私たちは、消費者の人々が拡張性の高い方法でブランドと対話できるプラットフォームを手に入れました」とSelman Careagaは述べます。2024年には、さらにわくわくするようなことが起こるでしょう。

🔮 関連コンテンツ(英語):   4 Brands Leading Future-Focused Content Marketing Strategies

 ブランドストーリー事例④: 顧客をストーリーの主役にするThe INKEY List


skicanre.png

クリエイティブポイント:ソーシャルメディアのストーリーテリング

ブランドのインスピレーション

保湿剤はスキンケアアイテムの中でも、多くの競合が存在する最大のカテゴリーです。このカテゴリーで大きなインパクトを与えたいのであれば、消費者のインサイトを活用し、市場がまだ見たことのない強力なイノベーションを提供する必要があります。

— Stephanie Davis Michelman、The INKEY List CEO

キャンペーンの詳細

英国のビューティーブランド「The INKEY List」は、保湿剤「the Bio-Active Ceramide Repairing and Plumping Moisturizer」の発売キャンペーンで、顧客層のリアルなスキンケア事情に寄り添ったSNS動画を発信。The INKEY Listは、主にInstagramを中心に顧客基盤を築き、美肌にこだわるミレニアル世代の強力なコミュニティを形成してきたブランドです。そのコミュニティが年齢を重ね、進化していく中で、ブランド自身もいっしょに進化していこうと努めており、今回、リペア&プランピングの新製品を発表しました。そのローンチを記念して、同社はこれまでで最大のキャンペーンを行い、屋外広告だけでなくテレビスポットやソーシャルメディアでの有料広告を展開しています。

「TikTokは我々にとって、当社の中核となるZ世代の視聴者との強力なブランド・エンゲージメントを実現する、重要なプラットフォームです」とDavis Michelmanは言います。しかし、「今回のローンチは、肌の老化に関して悩むミレニアル世代の視聴者とのエンゲージメントを拡大する機会を与えてくれます」と話します。

注目の理由

Beauty Through the Ages」というシリーズ動画で、同ブランドは年齢に応じたインフルエンサーと提携し「友人同士の率直でノスタルジックな会話を撮影しています」とDavis Michelmanは言います。「それぞれの会話には、肌がどのように変化するか、変化したときにどのように感じるかなど、一人ひとり異なるスキンケア事情を反映しています。そして語れる内容は、過去の美容での失敗を懐かしむ軽いノスタルジーから、インフルエンサーが若い頃の自分を励ます感情的な言葉まで、あらゆる要素を含んでいます」。そして、極めつけに、発売記念の製品ページには「Aging 101」といった教育コンテンツや、その他の美容に役立つブログ記事へのリンクも掲載されています。

この記事は、Marketing DiveのTim Brazが執筆し、Industry DiveがDiveMarketplaceを通じてライセンスを取得したものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

元記事「4 Brands Upping the Ante on Creativity + Storytelling in 2024」は2024年1月17日にstudioID’s insights blog – springboardに掲載されました。

また、日本におけるIndustryDiveパブリッシャーネットワークに関してはamana Content Marketingまでお問い合わせください。

SOLUTION

amana Content Marketing

amana Content Marketing

コンテンツマーケティングの本場であるアメリカで、業界を牽引するリーディングカンパニーであるIndustry Dive。国内唯一の独占パートナーであるアマナがその集合知を活用し、成果へと繋がるコンテンツマーケティングをサポートします。
企業が抱える課題に沿って、戦略策定からチーム構築、コンテンツ制作、効果測定まで、コンテンツマーケティングの運用をトータルで支援します。

サービス資料ダウンロードはこちら

KEYWORDキーワード

本サイトではユーザーの利便性向上のためCookieを使用してサービスを提供しています。詳しくはCookieポリシーをご覧ください。

閉じる