PIテストの提供企業が教える、型破りな採用マーケティングメソッド

Exploring unconventional methods for problemsolving and project development

目次:


あらゆる業界において、マーケティングが変化しています。「仕事」が数年前と比べて大きく変わった現在、特に採用マーケティングは飛躍的に進化しています。

PIテストをはじめとした人材最適化プラットフォームを提供するプレディクティブインデックス(Predictive Index / 以下PI)社は、あらゆる業界がハイブリッドワークや業務でのAI活用、従業員エンゲージメントの低下といった逆風に直面していても、企業の人事担当者にどのように声がけをすべきかを知っています。同社のマーケティング戦略はトップクラスで、springboardが公開するTop 50 Content Marketing Brands of 2023に輝いています。

では、PIは採用マーケティング戦略のトップを走り続けるために、何をしているのでしょうか?同社のコンテンツデザインリード兼UXライターのAndrew Barksと、マーケティングおよびデマンドジェネレーション担当ディレクターのAmy Saengerに、成功の仕組みと、2024年にマーケティング戦略をより最適化させる方法を聞きました。

注意:以降の内容には、パートナーシップ戦略やマーケティングでのAIの活用方法、ゲートコンテンツに関して物議を醸すかもしれない意見が含まれています。

差別化対策から始める

不明瞭で差別化されていないバリュー・プロポジション(企業が顧客に提供する価値)のマーケティングは、急な坂道を転がり落ちるようなものです。幸いなことに、人材最適化の方法を知っているPIには、この問題はありません。まずは、人材の最適化の概念について考えてみましょう。

タレント・オプティマイゼーション(人材の最適化)とはどのようなものなのでしょうか?たとえば、従業員調査を実施したり、企業と従業員同士の適切なコミュニケーション方法を考えたりすれば、人材最適化を実践しているといえるかもしれません。

Barksは「人材の最適化とは、ビジネス戦略と人材戦略を一致させること」といいます。

「これは、行動データ(人々が職場で見せる自然な行動傾向)を従業員のライフサイクルの各側面に適用することであり、当社製品の基盤になっています」

PIのプラットフォーム全体(そして当然、コンテンツの多く)は、このモデルに基づいて構築されています。彼らは、科学的根拠に基づく行動データ、心理測定、テクノロジーを独自に組み合わせて、企業が優秀な人材を採用、育成、維持できるよう支援しています。

「大衆へのスマートコンテンツ(人々の行動から導き出した、彼らにとって関連性の高いコンテンツ)による日常的な影響が広がるほど、より多くの人が、人材最適化に関心があるだけでなく、すでにそれを実践していることに気づくでしょう」とBarksは言います。

企業がすでに強力なバリュー・プロポジションを有している場合、その成功の要因はマーケティング部門と営業部門にあります。ここからは、PIのマーケティング担当者が、企業との取引を維持する方法を紹介します。

社内のブランドKOLに頼る

すでにあなたのビジネスを支持している人たちにさらに力を与えることは、マーケティングの大きな成功につながる可能性があります。PIでは、パートナー企業やクライアント、社内にいる特定分野のKOLからなるエコシステムに再投資して、企業が伝えたいメッセージを広げています。

「私たちは、ブランドの認知度を高めるために、どうすればより多様な意見を得ることができるかを考えています」Saengerは話します。「その方法には、パートナー企業の活用や、PIのソフトウェアを使って世界に変化をもたらしているクライアントを紹介することも含まれます。ほかには、特定分野のKOLを育てるプログラムも含まれます」。

Saengerは、「当社はトレーニングに投資しており、社内のブランドKOLが特にLinkedInにおいて自分自身をアピールすることを推奨しています」と言います。勢いを維持するため、トレーニングの一環として毎週ワークシートをKOLに用意し、リーダーたちが価値を提供するためにできることをひとつでも引き出せるようにしています。

「すべての投稿を革新的なものにする必要ありません」と、Saengerは説明します。

人々は小さなアドバイスが欲しいだけなので、私たちはKOLの自信を高め、彼らが壁を乗り越えられるように小さなことから始めています。

Saengerは、社内のブランドKOLがウェビナーで初めて講演した最近の例を挙げています。このスピーカーはとても自然かつ魅力的だったため、瞬時にリードを獲得できました。「彼女は採用の世界で自分と同じことに関心を持っている人たちを見つけたことで、新たな自信を手にし、自身のコミュニティを構築しました」。

あなたが取るべき次の一手

まず、あなたのビジネスを支持してくれる社内外のKOLのリストを作りましょう。そして、セミナーで登壇したり、LinkedInへの投稿頻度を高めたり、事例紹介のための許諾を得たりしてください。KOLが、発言力を高め、その過程でブランディングを強化するプランを作成しましょう。もっとインスピレーションが欲しい場合は、Jackie DubeMatt PoepselMike ZaniのようなPIのKOLをフォローしてください。

トップオブファネルを意識する

デマンド・リードジェネレーションのマーケティングの考え方にとらわれて、常にユーザーからのお問い合わせを求める傾向があるとSaengerは指摘します。しかし、PIはファネルを異なる方法で扱います。

「トップオブファネルに向けたブログに誰かがアクセスしてきた場合、次のステップはお問い合わせを促すことではありません。というのも、私たちはまだそのアクセスしてきた誰かと、当社製品との関連性が不明瞭だからです」とSaengerは述べています。彼女は、以下に示すMarketoonistが掲載した漫画を例に挙げ、「次のステップは、学びをさらに深めるための対面式のウェビナーの開催か、ブログに直接関連する無料製品へのご案内がよいでしょう」と続けます。

この考え方のシフトは、MQL(購入意欲が高いと判断された見込み顧客)をどれだけ営業に回せるかで成功を測られがちな現代のマーケターにとっては、受け入れ難いかもしれません。しかし、PIのKOLは、この考え方の転換にはそれだけの価値があると断言しています。

ユーザー登録させるか、させないか」という永遠のテーマに対し、Saengerは、立ち止まって以下の2つを自問すべきだといいます。

1. ユーザー登録をさせ価値を得るのは誰か?私たちなのか、それとも見込み顧客なのか。私たちだけであればフォームは設置しない。
2. レポートをダウンロードしただけの1,000人の見込み顧客の方がよいのか、それとも製品への問い合わせをした50人のほうがいいのか?

「トップオブファネルの段階にいる全員を追い回してしまうと、ダウンロード数は増えるかもしれませんが、彼らの強い意思を見ることはできません」とSaengerは言います。

見込み顧客と関係を構築し、彼らがいざ購入する際、最初に思い浮かぶ企業になることには、とても大きな価値があります。

「たとえ見込み顧客が何も登録しなかったとしても、少なくとも役立つコンテンツを見つけることができたのです」とBarksは付け加えます。「それによりブランドの信頼性が高まり、優れたユーザーエクスペリエンスが生まれます」。そして、それが人々をあなたのブランドに呼び戻すのです。

あなたが取るべき次の一手

あらゆる場面で「お問い合わせ」というCTAを入れたくなる気持ちを抑えましょう。その代わりに「ナレッジジャーニー」、つまり、ジャーニーの流れに合わせて、見込み顧客がその意思決定を行うために必要な情報をまとめます。それが整ったら、ジャーニー全体を見て、適切なコンテンツとマッチさせます。

studioIDによる2024年のコンテンツマーケティングとデマンドジェネレーションの予測では、デマンドジェネレーションのマーケティング担当者は、ファネルの下位に狙いを定めて、事例紹介やウェビナーといった活動に重点を置いています(ウェビナーへの参加は、他のコンテンツよりも購入に結びつく可能性が43.5%高くなります)。

AIを賢く使う

以前、企業のバイヤーの70%以上が、パーソナライズされていない生成AIのコンテンツに不満を漏らすだろうというForresterの予測を紹介しました。では、PIは採用マーケティングでのAIの活用についてどう考えているのでしょうか?

AIは補完的であり、代替するものではないとSaengerは言います。

この考え方は、studioIDによる予測調査世論を反映しています。生成AIを用いて成長していくためには、クリエイティブチームを主役にし、AIを脇役として扱う必要があります。

たとえば、AIにタイトルや小見出しの作成を依頼したり、人間が作成したコピーを編集させたりすることで、ライターか抱えるスランプを解消できるかもしれません。しかしコンテンツは多様でなければならず、現在のAIでは不十分だとBarksは考えています。

Barksは、「AIはあなたのように信用できるものではないため、テーマに対するどのようなあなたの独自性があるかを考えてください」と話します。

Googleのアルゴリズムは、AIを用いたコンテンツの普及を説明していますが、依然として、人間らしいコンテンツを優遇しています。

そして、競合他社を考える上で、生成AIプラットフォーム全体で自社と競合他社について調査しなければ、大きな失敗になるとSaengerは言います。「自社と競合他社がAI上でどのように表示されるかを知ることは、将来のために必要なコンテンツを生み出す脳のトレーニングになります」。

あなたが取るべき次の一手

生成AIを使って、自社ブランドと3社以上の競合他社を調査してみましょう。調査結果を参考に、次に生成AIで自社のコンテンツのコンセプトを作成してみてください。今年どのようにAIを使用する予定か、という問いに対し、コンテンツマーケターの61%が、まさにこういった使い方を検討していると回答しています。

マーケティングにリアルを取り入れる

「人事部の人たちは大変な思いをしてきました」とSaengerは話します。「現場の人事担当者が発言できる場が不足しています。彼らは、現場で働く人々との本音の対話を切望しています。私たちはそれを彼らに提供できるユニークな立場にいます。当社の独創的かつ新鮮な視点が、彼らにとって必要なのです」

また、Saengerは、社内の課題に対して人事部が強い意見を持ち、それを貫くことも大切だと言います。たとえば「全員がオフィスにいるべきだと考える人もいますが、PIはそうではありません。私たちは、それが職場のさまざまな人々にどのような影響を与えるのかを説明します」

PIが実践しているもう1つの信頼性に基づくマーケティング戦術は、よりリアルなコンテンツを作成することです。

「私たちは言いたいことを言うだけで、洗練されていないかもしれませんし、生産性も高くないかもしれません。しかしB2B分野ではそのようなリアルさがもっと出てくると思います」とSaengerは言います。

「私たちは、期待される結果を出すために必要なツールが与えられていない、とうんざりしている人事部のリーダーたちと話をしているのだと思います。彼らの声や不満が、会話の中でもっと出てくることを期待しています」。

あなたが取るべき次の一手

Saengerは、ソーシャルメディア周辺では不安定なコンテンツ(unhinged content)が増加していると言います。特に、一般的に非常におカタい採用の世界で、あえてこのようなコンテンツにフィルターを通さないアプローチがいかに新鮮であるか、と強調します。

PIの本を開き、自問してみてください。あなたのブランドはユーザーと対等になり、信頼を提供できるでしょうか?もう少し図々しくなって、みんなの意見を伝えるにはどうすればいいでしょうか?あなたが言いたいことをそのままコンテンツにしたらどうなるのでしょうか?それをブレストしてみましょう。

洞察を実践に移す

PIでは、これらの採用マーケティング戦略をどのように実践しているのでしょうか?「PIが伝えたいことと、実際に人事部門が抱えている問題の間にある共通点を見ています」とBarksは話します。続けてBarksは、「Hybrid Work Toolkit」を例に挙げ話します。Hybrid Work Toolkitは、現代の労働環境における従業員エンゲージメントの課題に取り組み、それをPIの主力製品に結びつけた同社のコンテンツキャンペーンです。

「従業員エンゲージメントは長い間、企業が達成できそうにない漠然とした目標でしたが、パンデミックで表面化しました」とBarksは説明します。

「私たちは、このコンテンツキャンペーンを通してハイブリッドワークを導入している先駆者追随者の両方に話を聞く機会を得て、完全なグレーゾーンに光を当てることができました」

これは自社ポジションを明確にするための自身との対話の典型的な例であり、現代のソートリーダーシップを生み出す重要なフレームワークです。

あなたが取るべき次の一手

PIの採用マーケティングに関するアドバイスを参考にして、自社にどのように応用できるかを考えてみましょう。ブランドのKOLを見つけ、彼らがユーザーと信頼関係を築くのを助け、ファネルとその中のコンテンツに注意を払い、AIに頼りすぎずにAIで補完し、そして最も重要なこととして、現実的でありましょう。

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インタビュー&編集:Lauren Smith & Emily Noel

執筆:Sonya Matejko

この記事は、SpringboardのSonya Matejkoが執筆し、Industry DiveがDiveMarketplaceを通じてライセンスを取得したものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

元記事「The Predictive Index Talks Breaking the HR Marketing Mold」は2024年2月29日にstudioID’s insights blog – springboardに掲載されました。

また、日本におけるIndustryDiveパブリッシャーネットワークに関してはamana Content Marketingまでお問い合わせください。

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