全国35都道府県で展開する「TOKYO PRIME」は、タクシーで移動する時間を特別な体験に変えることを目指す日本最大(※1)のタクシーメディアです。デジタルサイネージを活用し、乗客の方に新しい情報や体験を提供する革新的なサービスとして注目を集めています。今回は、株式会社IRISの執行役員TOKYO PRIMEセールス統括統括責任者の神﨑嶺平さんに、サービスの魅力と今後の展望についてお話を伺いました。
―「TOKYO PRIME」の立ち上げの経緯についてお聞かせください。
神﨑嶺平さん(以下、神﨑):TOKYO PRIMEは、タクシー業界に革新を起こしたいと考えていたJapanTaxi株式会社(現GO株式会社)と、アドテクノロジーで新しい未来を生み出したかった株式会社フリークアウト・ホールディングスの創業メンバーの出会いがきっかけでした。
タクシーの後部座席に置かれていた紙のチラシを、デジタルの力を使って「新しい表現方法を兼ね備えたメディア」に変えられるのではないかと考え、2016年6月にTOKYO PRIMEが立ち上がりました。ジョイントベンチャーの株式会社IRISという会社を立ち上げ、タクシー業界にデジタル革命を起こすという大きな夢を抱いて始まったプロジェクトでした。
―タクシーにサイネージを設置するというアイデアはどのように生まれたのでしょうか?
神﨑:タクシーに乗る時間を単なる移動ではなく、価値ある体験に変えられないかと考えました。デジタルの力で変革を起こすと考えたときに、サイネージを通じて新しい情報や体験を提供できるのではないか、乗車する時間をより豊かなものにできると考えました。
―他のメディアとの違いやタクシー広告特有のメリットについてお聞かせください。
神﨑:TOKYO PRIMEの強みは大きく4つあります。
1.タクシーメディア国内設置台数No.1(※1)であること
2.全国35都道府県に展開していること
3.音声付き動画広告が乗車のタイミングで流れ、視聴いただけること
4.ビジネス層や可処分所得の高い方をターゲットにできること
タクシーというある意味閉ざされた空間で、乗客の方に対して至近距離で動画を視聴いただける。特に、その動画広告の到達率の高さが大きな強みだと考えています。
タクシーは、他の交通広告とは異なる特別な環境です。乗客は比較的リラックスした状態で、集中して情報を受け取ることができます。この環境を活かし、より効果的な広告配信や情報提供が可能になっています。
―広告配信以外の情報提供とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
神﨑:単なる広告媒体ではなく、乗客の方の乗車体験を向上させるメディアとしての役割も果たしたいと考えています。例えば、目的地周辺の情報や、その日のトレンドニュースなど、価値ある情報を提供することで、タクシーの乗車自体を特別な体験に変えたいと思っています。
―これまでに成功した広告キャンペーンの具体例をお聞かせください。
神﨑:ToC(一般消費者向け)の事例では、マドラス株式会社さんの「metaインソール」のキャンペーンが挙げられます。TOKYO PRIMEのオリジナル番組を制作し、約2か月配信したところ、それ以前と比べECサイトへの流入が1283%に、販売数も219.5%にアップしたという結果が得られました。
タクシー利用者の特性を考慮し、ビジネスパーソンや健康意識の高い層をターゲットにした内容を展開しました。短い乗車時間でも印象に残るよう、商品の特徴を簡潔かつ魅力的に伝える工夫を凝らしました。
ToB(企業向け)では、株式会社ウィルゲートさんのM&A事業の事例があります。TOKYO PRIMEのオリジナル番組を約1か月配信したところ、問い合わせ件数が目標を大きく上回る件数を獲得できました。マドラスさんもそうですが、ウィルゲートさんの担当者ご自身に出演いただいたことで、その方のSNS経由で問い合わせを獲得できました。
―オリジナル番組は、どのような特徴があるのでしょう。
神﨑:「TOKYO PRIME VOICE」という、インタビュー型式の番組を作成しました。経営者や企業の意思決定者や、多忙なビジネスマンがタクシーを利用する機会が多いことに着目し、ターゲットにマッチした商材を、効果的なメッセージによって伝えられることがポイントになります。インタビュー形式の番組を通じて、広告クリエイティブを配信するよりも、親近感のある形で企業の魅力を伝えることができたのが成功の要因だと考えています。
―オリジナル番組のインタビューに加えて、新しい試みについてお聞かせください。
神﨑:タクシーの乗車体験をさらに豊かにするために、コンテンツの拡充はずっと考えていました。2024年4月から開始したオリジナル番組「ひみつのPRIME」では、「ラヴィさん」というオリジナルのキャラクターと芸能人の方のトーク番組を配信しています。
―毎回、芸能人の方のトークが進みますよね。どのような狙いがあったのでしょうか。
神﨑:タクシーで移動する方は忙しいビジネスマンが多いのですが、「いいオトナになるためのヒント」をテーマにしています。ゲストの方が気になっているモノ・コト、例えば旅行や食べ物などを、乗客の方にこっそりお届けする、という内容です。1分間の動画が毎週変わるので、新しい乗車体験を楽しんでいただきたいと思います。
―広告とは別の観点から楽しめるコンテンツですね。今後、さらにタクシーやサイネージを活用したプランがあればお聞かせください。
神﨑:TOKYO PRIMEは、タクシーの乗車体験を豊かにする「当たり前」の存在になりつつありますが、今後もより良い乗車体験をお届けしていきたいですね。具体的には、AIを活用したパーソナライズド広告の導入や、インタラクティブなコンテンツの開発などを検討しています。
それにより、乗客の興味関心に合わせた情報提供や、タッチパネルを使った双方向のコミュニケーションなど、より魅力的で効果的な体験を提供できれば、と思います。タクシー乗車中に得た情報をきっかけに、新しい商品やサービスとの出会いを創出したり、ビジネスチャンスを生み出したりする。そんな「セレンディピティ」を引き起こすメディアとしての役割を果たしていきたいですね。
※1国内設置台数約71,000台(2024年10月時点)
今回の取材に関連して、アマナがクライアントワークでTOKYO PRIMEの広告配信を活用し、実際に成果を上げた事例をご紹介します。動画制作から配信プランまでを一貫して担当し、ターゲットユーザーに対して効果的なアプローチを実現しました。具体的な施策と成果については、以下のリンクからご覧いただけます。
制作事例:TOKYO PRIME広告配信活用:アサヒグループ食品「ネナイト」
その他アマナの事例:amana.jp制作実績#デジタル広告
取材・文:桑原勲
取材撮影:五十嵐拓也(アマナ)
amana TVCM/MOVIE
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