高品質を、大量に。製品CGビジュアル制作を支えるツール群「V.I.A.Tools」

高品質を、大量に。製品CGビジュアル制作を支えるツール群「V.I.A.Tools」

製品CGビジュアル制作において求められる「高品質」「大量」「スピード」。この3要素をすべて満たすために、アマナでは独自のシステム開発と制作フローの自動化を進めてきました。

本記事では、アマナで長年製品CG制作に携わってきたクリエイターの視点から、自動化ツール群「V.I.A.Tools」の活用方法をご紹介します。

ビジュアルの品質を守りながら、属人性を排除し、再利用性を高める――そのための仕組みと工夫とは?


製品CGビジュアル制作に携わって、約20年。「最高品質のビジュアルを、高速かつ大量に」。そんなニーズに応えるため、表現力の追求と並行して、制作フローのシステム化にも取り組んできました。その中で生まれたのが、自動化ツール群「V.I.A.Tools」です。

人が考え、ツールが支える

製品の魅力を捉え、どうビジュアルに落とし込むか。

表現の方向性やライティング、構図に対する判断は、これまでの経験によって培われたものであり、そこにはクリエイターの眼と感覚が必要と考えています。一方で、定型的な工程はシステムに任せることで、正確かつ高速な制作が可能となります。アマナでは、クリエイターの判断を軸に、システムが土台として支える体制を構築。これにより、「高品質な製品CG」「大量制作」「スピード対応」の両立が可能になりました。

属人性を抑え、統一された質感づくりを支えるマテリアルライブラリ

Camera_MaterialEditor_v002.jpg

マテリアルライブラリのUI画面

ここからは、具体的なツールの一つ「マテリアルライブラリ」をご紹介します。

「マテリアルライブラリ」 は質感設定から、そのライブラリ化までをサポートするシステムです。質感設定の工程では非常に多くのパラメータが存在し、中には特殊で、通常の制作ではほとんど使用しないものも含まれます。

これらの意味や挙動を正しく理解し、適切に使用するには、一定の知識と経験が必要です。誰が操作しても同じ品質となるよう、私たちはプロダクトに特化したパラメータを抽出し、専用のUIを開発しました。これにより、人によるバラつきを抑え、統一された質感をつくることが可能となりました。

Parameter_v003.jpg

非常に複雑なパラメータ

OriginalUI_v001.jpg

開発した専用のUI

命名ルールを仕組みに、入力ミスを防ぐ

マテリアル名についても課題がありました。社内では、マテリアル名から内容が判断できるよう材質や表面処理を基に命名ルールを定めていたものの、人の手で入力する以上、ケアレスミスは避けられませんでした。質感の特性を反映した名前は長くなりがちで、手動で正確に入力するのは現実的ではありませんでした。

この問題を解決するために、専用UIでパラメータを設定すると、設定内容に基づいた名称が自動で命名される機能を組み込みました。この仕組みにより、すべてのマテリアル名がルールに則って統一され、キーワード検索や属性による絞り込みが可能となり、ライブラリ化への基盤が整いました。

手軽に、確実にライブラリ化

時には、ひとつの製品に対し、30種類以上の質感が必要となるケースもあります。それらを手作業でライブラリ登録していくのは非常に手間がかかり、以前は案件終了後にバックアップとしてまとめて管理するのが精一杯でした。

しかし、マテリアル名を統一したことで、アップロード・検索・ダウンロードが可能な”データベース”としてのライブラリを構築することが可能に。このライブラリには、ボタンひとつでマテリアルごとに自動登録することができます。必要な属性情報もあわせて記録されます。 それにより、案件の進行と同じタイムラインでのアップデートも実現しました。

また、製品のサムネイルも同時に保存されるため、どの製品のどの部分に使われたマテリアルかが一目でわかるようになっています。登録されたデータはライブラリからすぐに検索・ダウンロードが可能です。例えば、後継機種の制作時にも、以前の質感をすばやく、正確に再利用することができます。

MaterialEditor_Import_v002.jpg

直感的なダウンロードが可能

品質を保ちながら、属人性を抑え、再利用をしやすくする。マテリアルライブラリは、このような製品ビジュアル制作を支えるシステムです。

今回ご紹介したのは、V.I.A.Toolsの中でも一例に過ぎません。今後も、製品ビジュアル制作への取り組みや機能をご紹介していきます。

「V.I.A.PRODUCTS」とは?

「V.I.A.PRODUCTS」は、アマナが提供する製品CGビジュアル制作ソリューションです。今回ご紹介した「V.I.A.Tools」をはじめ、蓄積してきたノウハウやツールを活用し、“高品質な製品ビジュアルを、大量かつスピーディに”をコンセプトに、製品を正しく、魅力的に伝わることを目指しています。

ご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご一緒にお取り組みできる機会を、心よりお待ちしております。

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文・3DCG画像:足立原志保子(アマナ)

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