BtoBのブランド発信はどのように設計するのか

btobコミュニケーションの強化書 サステナブル時代の戦略とマネジメント
本記事は企業の広告・ブランド担当者に役立つ本から、気になる一節を数回に分けてご紹介する連載です。読みながら、その本の“考え方”に少しずつ触れていただけます。

ブランディングは、狙うターゲットに届かないと意味はありません。ここではBtoBブランドのコミュニケーション活動について解説します。


~本コンテンツは、書籍『BtoBコミュニケーションの強化書』(山﨑方義著・一般社団法人日本BtoB広告協会編・日本工業新聞社刊)に掲載されている、BtoB企業におけるコーポレート・コミュニケーションの必要性、マネジメントの重要性について解説した内容を一部抜粋・編集したものです(この記事は第2回/全3回)。

No.1:BtoB企業にブランドは必要なのか?

No.3:BtoBブランドならではのサービス・ノウハウが強みになる(11月20日公開予定)


コミュニケーション活動の役割

ブランド価値を形成するのは品質や顧客への提供価値、社会的な課題解決といった実績の総体に基づく信頼性です。しかし黙っていてもステークホルダーには伝わりません。そこで必要となるのがコーポレート・ブランディングに適合したコミュニケーション活動です。

幅広いステークホルダーを対象に、認知度や好感度の向上を含め、良好なレピュテーションを築く活動です。レピュテーションは世評や評判という意味ですが、コーポレート・レピュテーションというと総合的な企業評価を意味します。

レピュテーションの維持・向上は、コーポレート・ブランドの価値に連動し、ブランド構築の重要な一角を占めます。しかしレピュテーションはステークホルダーによって形成されるものであり、企業はそれに間接的にしか関与できません。

レピュテーションはステークホルダーによって形成される

企業側が目指している、あるいはすでに獲得している自身の企業像に合致したイメージ形成を働きかけて良好なレピュテーションを獲得し、その結果としてブランドを高めることを担うのがコーポレート・コミュニケーションです。

ここで強調しておきたいのは、先に述べたブランド価値を形成するのは、実績の積み重ねに基づく信頼性であるという点です。品質に問題があったり、クレーム対応が不誠実で顧客の信頼を損ねているようでは、ブランド構築など到底望めるものではありません。伝えるべき企業像がしっかりと存在してこそ、コミュニケーション活動は初めて意味を持つのです。

ブランドはコミュニケーション活動から生まれるわけではありません。ブランド部門やコミュニケーション部門が認識しなければならないのは、実態そのものを高めるという経営活動や社員の行動がなければブランドを構築することはできないということです。ブランドのコアを形づくるのは、製造業であれば顧客ニーズに適合した製品開発力であり、確かな品質とコスト競争力を備えた生産技術力であり、顧客満足を獲得する緻密な営業力です。すなわち現場の力であり、所属部門の枠を超えて全体最適の判断と行動ができる社員に他なりません。


(この記事は第2回/全3回)

No.1:BtoB企業にブランドは必要なのか?

No.3:BtoBブランドならではのサービス・ノウハウが強みになる(11月20日公開予定)


▼書籍紹介
BtoB企業は、人々の生活を支える社会基盤を提供する不可欠な存在です。ビジネス規模も大きく産業界において重要な役割を果たしています。本書は、BtoB企業ならではのコーポレート・コミュニケーションの特質と必要性、そのマネジメントのポイントなどを解説し、実務にも役立つように様々な視点からBtoBコミュニケーションを取り上げています。

▼書籍情報
書名:BtoBコミュニケーションの強化書
著者:山﨑方義著・一般社団法人日本BtoB広告協会編
出版社:日本工業新聞社
発売日:2025年6月12日
リンク:https://pub.nikkan.co.jp/book/b10135293.html


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文・編集:桑原勲

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