大量制作でも品質が揃う──アマナの製品CGを支える「V.I.A.Tools」構築工程とチェック体制

大量制作でも品質が揃う──アマナの製品CGを支える「V.I.A.Tools」構築工程とチェック体制

基準をそろえ、品質を安定させるための仕組みへ

製品CGビジュアル制作には、「高品質」「大量」「スピード」が常に求められます。
本記事は、それらを実現するアマナ独自の“自動化の仕組み”を紹介するもので、今回が第二弾となります。

前回の記事では、大量カット制作の基盤となるマテリアルの基準統一ライブラリ化、そして属人性を解消するための仕組みをご紹介しました。

前回の記事:高品質を、大量に。製品CGビジュアル制作を支えるツール群「V.I.A.Tools」

本記事では、その基盤の上で画づくりを整える“構築工程”と、品質を確かにする“チェック体制”に目を向けて紹介します。


大量カットでも画がそろう──Build Scene が生む“統一美”

製品画像を数十、数百という単位で制作する際に避けたいのが、パース感やライティングのわずかな違いが積み重なり、並べたときの印象がそろわなくなること
型番違い・色違い・シリーズ展開など、似ているようで微妙に特徴が異なる製品が多いほど、統一感に気を配りたい。そんな気持ちから、「Build Scene」は生まれました。

「Build Scene」は、過去に使用したカメラ・ライト・製品の状態・レンダリング設定などを自動で組み合わせ、すべてのカットを同じ条件で制作できる仕組みです。撮影現場のライティングセットをそのままライブラリ化して活用している感覚に近いかもしれません。

大量カットでも画がそろう──Build Scene が生む“統一美”

この仕組みによって、

・複数シリーズを横に並べても印象がそろう
・色や仕様のバリエーションが増えても基準がブレない
・ラインナップ比較時に製品の違いがひと目で伝わる

といった効果を実現します。こうした積み重ねが、最終的にはブランドの世界観の統一につながっていくと考えています。

ブランドの世界観の統一

 

ミスの入り込む余地をなくす──Check DifImage が守る制作精度

大量カットを扱う場合、どれだけ丁寧に制作していても、修正漏れや反映ミスといった人為的なミスは避けづらいものです。

「色がわずかにズレている」
「影の濃さが1枚だけ違う」
「設定が1カットだけ反映されていない」

こうした細かな差異を、人の目だけで確認し続けるには限界があります。
そこで活躍するのが、自動差分判定ツール「Check DifImage」です。

最終チェックデータと納品データを比較し、わずかな差分まで数値化して自動判定します。
判定結果では、具体的な差分の視覚化や、人の目では判別しづらい微差を確認する工夫も備えており、多角的なチェックが可能です。

Check DifImageの判定結果

Check DifImageの判定結果

この仕組みによって、

・修正漏れの防止
・数値化による、目に見えない変化の把握
・大量カットでも安定した品質の実現

といった効果が得られ、人為的ミスの入り込みにくい高精度な制作環境を整えています。

 

“品質・大量・スピード”を両立させるための仕組みへ

2回にわたって紹介してきた V.I.A.Tools。
制作の基盤を整え、クリエイターの判断を軸にしつつ、自動化システムがその土台を支えることで、最終的な品質まで一貫してコントロールできる仕組みを築いています。

こうしたフローを構築することで、大量カットの製品CGビジュアル制作に求められる「高品質」「大量」「スピード」を力強く支えています。製品ビジュアル制作に携わる皆さまのヒントとなれば幸いです。

“品質・大量・スピード”を両立させるための仕組みへ

「V.I.A.PRODUCTS」とは?

「V.I.A.PRODUCTS」は、アマナが提供する製品CGビジュアル制作ソリューションです。今回ご紹介した「V.I.A.Tools」をはじめ、蓄積してきたノウハウやツールを活用し、“高品質な製品ビジュアルを、大量かつスピーディに”をコンセプトに、製品を正しく、魅力的に伝わることを目指しています。

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ご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
みなさまとご一緒にお取り組みできる機会を、心よりお待ちしております。

文:足立原志保子(アマナ)
3DCG画像:佐々木貴章、嶋村将宏、鮫島直幸、橋本遊也、足立原志保子(アマナ)


V.I.A.Toolsに関してよくある質問(FAQ)

Q1. V.I.A.Tools を導入すると何が改善できますか?
A. 大量カット制作で起こりやすい“統一感のばらつき”や“修正漏れ”を自動的に抑制し、品質・スピード・生産量のすべてを高水準で維持できます。

Q2. Build Scene はどんな場面で効果的ですか?
A. 色違いや仕様違いの製品が多い案件、大量のシリーズ比較カットが必要な案件で効果を発揮します。

Q3. Check DifImage はどの程度の微細な差異を判定できますか?
A. 目視では気づけない色味のズレや影の濃度差を数値化し、自動で検知できます。

Q4. V.I.A.PRODUCTS はどのような企業に向いていますか?
A. 製品ラインアップが多いメーカー、EC向けビジュアル制作が大量に発生する企業、品質担保が求められるブランドに最適です。

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