株式会社アマナは、2020年5月27日(水)に、企業のマーケティング支援からソーシャルメディア運用まで幅広く手がけ、「ソーシャルエコノミーでワクワクした未来を創る。」をミッションにするトライバルメディアハウスと「コミュニティマーケティング」をテーマにしたオンラインセミナーを開催いたしました。
近年、オンラインコミュニティが注目され、商品やブランドをファンと共創したり熱量を高めたりするために活用する企業が増えている一方、「コミュニティ運用の目的が明確でない」「参加者の熱量を保つことができない」「どうやって効果検証すればよいのかわからない」といった相談も増えています。
本ウェビナーは、「熱狂顧客戦略」の著者であるトライバルメディアハウス(https://www.tribalmedia.co.jp/)の高橋遼氏と、コミュニティマーケティングに特化したアマナのサービス「POOL(プール)」を立ち上げた新居祐介氏との対談を中心に、コミュニティマーケティングの戦略の立て方から参加者の心を惹きつけるコンテンツの作り方、効果検証までをお伝えいたします。
本ウェビナーをきっかけに、従来型のマーケティングから、顧客に共感され、顧客と一緒に取り組むマーケティングの可能性を感じていただければと考えています。
コミュニティをどのようにつくるか、という高橋氏からお話いただいた戦略と実践の先にあるのが「コミュニティの活性化」。
高橋氏の後に続いた新居氏は「コミュニティサクセスの方法論」と題して、
の3つに分けてコミュニティの活性化について語っていただきました。
新居 祐介
株式会社アマナ 執行役員
2014年にアマナ入社。ストック販売事業のアマナイメージズにて、新規事業開発やアライアンスを担当。2016年1月より、アマナ執行役員及びアマナイメージズ取締役、同11月より代表取締役社長に。2019年1月からはコミュニティマーケティングDiv. を新設し、コミュニティマーケティング支援サービス「POOL」をローンチ。「コミュニティマーケティングのアマナ」 と呼ばれることを目指している。
まずはじめに、新居氏は「ブランドコミュニティ」の定義を、
企業、もしくは商品やブランドを中心に形成されるコミュニティ
「コミュニティマーケティング」の定義を、
特定のブランドや商品、または企業を中心にコミュニティを形成し、そのコミュニティを活性化することによって、期待する行動を起こさせるマーケティング手法。中長期的な関係性を構築し、LTVの向上を目指す手法。
と説明していただいた上で、コミュニティ構造の三形態について紹介しました。
新居氏『HUB型はカリスマ的リーダーを中心とした構造で、例えば、堀江貴文さんなどのオンラインサロンはこの構造に近い。WEB型は1対1の繋がりがいくつも形成される構造で、普段お使いのFacebook等のSNSは代表例。最後に、POOL型は同じ価値観や目的に基づき強くつながる構造で、例えばAppleブランドのファンなどは製品を超えてブランドに共感したファン同士が繋がっている例であり、iPhone発売時に行列が自然にできるのもこのような構造であります。』
と説明した上で、ブランドコミュニティが目指すべきは、
HUB型(ブランドが好き)+WEB型(ブランドが好きな人同士が繋がっていく)=POOL型(コミュニティへのエンゲージメント を高めて活性化していく)
と定義しました。
続いて、具体的なブランドコミュニティの活性化=コミュニティサクセスのステップについて紹介しました。
新居氏『コミュニティサクセスはコミュニティが活性化している状態をつくることで、活性化はブランドとコミュニティ両方へのエンゲージメント、ロイヤリティが高いユーザーが多く存在し、習慣的にコミュニティへアクセスしている状態です。』
その上で、コミュニティにどのように参加させ、参加者のエンゲージメントを高め、習慣化していくか?を以下のスライドで説明しました。
新居氏『まずはコミュニティメンバーの定義をしていくことが重要。「商品を買ってくれた人」「ブランドが好きな人」などの曖昧なことではなく、「ブランドが好きだと自覚している」など、認識の状態や行動を明確に定義しておくと良いです。』
コミュニティメンバーの定義ができれば、その状態のメンバーに対してどんなコンテンツで接点を持つか?という話に発展することができますね。
新居氏『例えば、ブランドが好きと自覚している人にコミュニティメンバーになってもらうために、登録キャンペーンを行うことや、ブランドの投稿をするコミュニティメンバーになっていただく機会としてフォトコンテストを開催するなどが設計することができます。』
さらに、「ブランドの提供する価値に共感」×「他の参加者の持つ価値観に共感」の2つの共感が必要で、それぞれの共感を高めるためのコンテンツや体験の提供が大切になるという。
新居氏『記事コンテンツを読んでブランドを知ってもらいロイヤリティを高めるなど、コミュニティへの接触頻度を増やす施策=コミュニティサイトなら来訪を習慣化する施策や、コミュニティ内でのユーザー間のつながりや投稿への反応を増やすなどで居心地の良い空間を提供する施策で考えることがポイントです。』
最後に、コミュニティのはじめ方として新居氏は実践にも触れました。
新居氏『高橋さんもお話されていましたが、コミュニティを始める前に目的はとても重要です。自社のビジネスにとってどんな役割なのか?何が解決されるのか?などをチーム内でも自分自身でも問うてみることは大事です。』
その上で、新居氏はコミュニティを始める時に、以下の5つの問いを考えてみると良いという。
新居氏『弊社(アマナ)は、4つの目的にコミュニティの形成を分類しています。単一の目的ではなく複数の目的を設定するケースもあるとは思いますが、優先順位をつけて目的をクリアにした方が良いです。』
「売上につながるといいな」ではなく、「コミュニティでAという状態からBという状態にすることで売上につなげる」と明確な目的が設定ができると運用の方法や手段も自然と明確になってくると、新居氏は話を締め括りました。
コミュニティマーケティングの戦略を立てて、実践して活性化していくためには、「コミュニティで何がしたいのか?何を達成したいのか?」という目的の大事さが最も印象的でした。そこがなければ、成果目標や振り返りもできないため、まずは社内のメンバーできちんと目的を決めることが重要ですね。
ただし、目的を決めたからといってうまくいくわけではないかもしれないため、「ここは違ったかな」「全然反応が良くなかったな」と気づくことは、顧客のことをさらにより知ることができた!という捉え方ができると思います。まずは顧客のことを考え、顧客に向き合い、実践の中で学んでいくことが最大の財産になると思います。
今回のウェビナーは、なんと総勢350名を超える方々に参加いただき、これまで以上にコミュニティマーケティングに高い関心があるのだと感じました。参加者の皆様からたくさんのご質問をいただきましたので、次回は高橋氏と新居氏がすべての質問に答えていたします。お楽しみに!