駅や空港など、さまざまな場所で頻繁に目にするようになったデジタルサイネージですが、そこで流すコンテンツを皆さんはどうやって制作していますか? 制作予算やスケジュールの関係で効果的なコンテンツが作れないとお悩みだったり、そもそも考えていなかったりする方もいらっしゃるかもしれません。そんな方に是非知って頂きたいのが「スティルモーション」です!
既存の静止画素材を上手く活用するスティルモーションで、デジタルサイネージにぴったりのコンテンツを用意してみませんか?
墨絵アーティスト西元裕貴による作品「龍棲の里 福井」より
スティルモーションは、ズバリわかりやすく言うと“動く写真”です。静止画を撮影、あるいは既存の静止画を使って、主にその一部だけが動くビジュアルに仕上げます。ふつうの動画とはちがい、あくまで静止画をベースにしながら部分的に動いて見えるという意外性のある表現で、見る人の目を引きつけることができます。広告に注目し見入ってほしいデジタルサイネージには、最適な手法と言えるのではないでしょうか。
スティルモーションのメリットは、一般的な動画制作のようなコストをかけなくても静止画撮影の延長でできること。そして、静止画の高い解像度をキープしたまま、効果的な演出ができることです。
とはいえスティルモーションとは一体どんなものなのか、ピンとこない人も多いはず。いくつか私たちの制作事例をご紹介します。
CGディレクター:小野 聖史(RIZING inc.)
まずはこちら、株式会社アルビオンの取り扱いブランドEleganceのスティルモーション。他媒体用に撮影した画像を活用し作っていますが、高画質な写真に演出を加えることで、目を引く贅沢な仕上がりになります。
CGディレクター:千葉 博光(RIZING inc.)
つづいては目黒雅叙園にて行われた墨絵アーティスト西元裕貴による作品展「和のあかり✕百段階段2016」。展示作品の女性像に専用アプリARARTをかざすと、女性と龍が動き出します。その目を引く仕掛けはスティルモーション×AR技術の賜物。ここで紹介している動画は、アプリを通して見える映像です。
CGディレクター:小野 聖史(RIZING inc.)
こちらは日本テレビ放送網の番宣用デジタルサイネージです。撮影した静止画素材を上手く再利用できるのがスティルモーションのポイント。拘束時間が限られるモデル、タレント撮影に活用したい手法ですね。
CGディレクター:小野 聖史(RIZING inc.)
ことにより炭酸のきめ細やかな泡の動きを再現、よりシズル感を訴求するビジュアルとなっています。
伝えたい内容などにもよりますが、あくまでグラフィックに付随し少し動いて動画にならない程度のさじ加減が、スティルモーションのポイントだと思います。
スティルモーションは、サイネージだけでなくウェブサイトなどにも展開でき、媒体以外のプレゼンテーションや展示会などでも、魅力的な映像として活用することができます。さらに動くだけでなく、ARなどと組み合わせれば拡張したビジュアル表現としても活かしていくことが可能です。前もって媒体展開の予定がわかると、より効果的なものに仕上げることができますよ。
見る人の興味をそそり伝えたいことが伝わる映像を作るのは、たやすいことではありません。でも、ちょっとしたアイデアや工夫で魅力的な引きのある映像が生まれます。静止画と動画のニッチをついたスティルモーションによる映像表現は、効き目のあるキラーコンテンツとして注目していただけるのではないでしょうか。