私は過去20年の間、出張で各地を転々としてきました。そしてその間の私は、巷で流行している「ブリージャー」の一員になっています。
「ブリージャー」とは、「ビジネス」と「レジャー」を合わせたスタイルで、出張の後に数日休暇を楽しむ人々のことです。彼らは、会社が費用の一部を補助してくれつつも、出張がなければ行くことがなかった街に滞在する機会を上手に活用しています。また、こうした旅行は、マイクロ・バケーションとも呼ばれます。
1990年代初頭に私が初めて出張した時は、ブランドロイヤリティにもとづいてホテルや航空会社を決めていました。私たちは、ホテルXや航空会社Zなど、会社で選んでいたのです(もっと正直な話をすると、グループで一番偉い人がロイヤルティプログラム(ポイントサービス)を受けている会社を選んでいました)。
しかし、この状況は、90年代後半から2000年代初頭にかけて変化します。オンライン旅行代理店(OTA)の台頭により、顧客はさまざまなサービスを比較するようになったからです。それに加えて、ソーシャルメディアの人気に火が付きました。旅行者は指先ひとつで多くの選択肢と情報を得ることができ、インターネット上には地元住民に人気の場所を紹介するレビュー記事・ブログ・ソーシャルインフルエンサーが大量に溢れています。美しい写真、ハッシュタグ、FOMO(取り残されることへの恐怖)によって、目的地ではなく体験に重きが置かれるようになったのです。
この変化により、ホテルブランドの信頼できる牽引役だったブランドエクイティが弱まるという、永続的かつ重大な影響がありました。
ブリージャー市場は巨大化しており、急速に成長しています。そして想像とは反対に、ブリージャーを楽しんでいるのは(2025年に労働力の75%を占める)ミレニアル世代だけではありません。ブランドが知っておくべきデータをいくつか紹介しましょう。
では、ホテルや航空会社がブリージャーを誘致・維持するには何をすればいいのでしょうか。 改めてブリージャーの詳細を見ていくと、主に3つのニーズを持っていることがわかります。
研究によると、ブリージャーはよりパーソナライズされた旅行にするために、自分たちの情報を喜んで共有してくれるそうです(ちなみに私もそうです)。そして、会社が経費の一部を支払ってくれるため、ブリージャー旅行者の財布の紐は緩む傾向にあります。
コンテンツは、ブリージャーを獲得する手段になります。企業は、オンラインとオフラインを問わず、心に訴える教育的で面白いコンテンツをブリージャーに提供することで、出張の日程を延長してもらうデジタルコンシェルジュとしての役割を果たすことができます(プラスの副作用として、宿泊料金やRevPar(販売可能な客室1室あたりの売上)の向上も含みます)。
それは、次の通りです。
プロモーションではなく、自社の個性を出してブリージャーに話しかける
ブリージャーは真正なものを望みます。彼らは新しいことを発見し、刺激を受けたいのです。お得な情報やプロモーションを絶えず聞かされることは求めていません。ブランドの個性を生かした魅力的なコンテンツで、オーディエンスを誘致しましょう。
上部のファネルから始める
ブランドは、検索から始まるインターネット上の会話に参加すべきです。ブリージャーはまず、体験談を調査します。宿泊するかどうか、また、実際の宿泊場所を左右するのは、予約する前に見つけた情報です。ブリージャーに自社の情報を確実に閲覧してもらえるようにしましょう。
すべてのオウンドチャネルを活用する
配信こそがカギです。オムニチャネル体験を生み出すために、メール・アプリ・予約ページ・ブログ・ソーシャルメディア・イベントなど、すべてのオウンドチャネルを活用してください。顧客は至るところにいますので、顧客とエンゲージする際はチャネルを問わず一貫した体験をもたらしましょう。そして、彼らをオウンドサイトに誘導するために、コールトゥアクションを必ず設置してください。
メール戦略を改良する
人々は、ブランドがメールで接触することを望んでいますが、プロモーションは望んでいません。彼らが欲しいのはコンテンツです。
プロモーションは、購入ファネルのごくわずかな部分にいる人にしか効果がありません。そのため、メールの頻度が高すぎると、彼らはうんざりして購読を解除してしまう可能性があります。ただし、プロモーションの大部分を心に訴える教育的なコンテンツに置き換えると、人々は予約する気がなくても、メールを読んでブランドとエンゲージしてくれるはずです。
自社のロイヤルティプログラムを再考する
現代の人々は「ポイント」を使用しなくなり、場合によっては登録していることさえ忘れてしまっています。多くの場合、もらって嬉しいものと引き換えできるポイントを集めるのは不可能なので、人々はプログラムに参加することさえしません。ポイント還元の仕組みも知らないため、小売会社や旅行会社などの大半のレガシーブランドはロイヤルティプログラムを刷新しています。
ブリージャーが、ポイントよりOTAやクレジットカードのプログラムの方を好むのはそのためです。その方が、自分の好みで自由に報酬を選んだりパーソナライズしたりすることができるからです。ブランドは、1泊無料という報酬だけでなく、ツアー・夕食のチケット・コンサートチケットといった見返りを提供する必要があります。こうした体験を紹介するために、ファネルのすべての段階でコンテンツを活用しましょう。
データを使ってその人と関連性が高いコンテンツを提供しましょう。ユーザーがアプリを閲覧しているときにプッシュ通知のA/Bテストを行い、メールの件名のテストを行い、定期的にエンゲージするユーザーとエンゲージしないユーザーごとに異なるフォローアップを送信します。
Z世代が社会に出るようになると、ブリージャー市場は爆発的に拡大する可能性があります。新しいコンテンツマーケティング戦術を導入すると、長期的な成功を収めることができます。そのために、カスタマーエクスペリエンスを向上させ、カスタマージャーニーの過程で多くのデータポイントを収集しましょう。
Amy SolomonはNewsCredのセールス・CPG(消費財)・リテール担当バイスプレジデントです。
元記事「How to Use Content Marketing to Win Bleisure Travelers」は2017年10月19日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事はNewsCred BlogのAmy Solomonが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンス化されたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
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