Z世代向けのコンテンツマーケティングで成果を出すためには?

ミレニアル世代の皆さん、道を譲ってください。次世代の消費者が、影響力を発揮しようとしています。マーケターの皆さん、Z世代に注目する時の始まりです。Z世代とは、1990年代半ばから2000年代序盤に生まれた若者たちです。

彼らは最初の、完全なるデジタル世代です。タブレットやスマートフォンを持ち、ソーシャルメディアのハンドルネームをニックネーム代わりにして育ちました。そのため、マーケティングやブランド行動に関して期待されるものは、これまでとは異なります。Z世代はすでに総勢20~25億人に上り440億ドルの購買力を持っています。だからこそ、マーケターは多少なりとも、この世代に注力していくべきなのです。

Z世代というのはミレニアル世代の直後の世代ですが、このハッキリとした違いを知ることが大切です。

あなたがコンテンツマーケターならば、本稿の続きを読んで、Z世代とは何かを知り、どのブランドが彼らとうまくつながっているのかを学びましょう。

Z世代: 世代のジャン・ブレディー

Z世代の若者がHuluで「ゆかいなブレディー家」を観たことがなければ、このシリーズの話をすることは、おそらくないでしょう。彼らが望むのは、自分たちが他とは違うことを知ってもらうことで、もはや「マーシャ、マーシャ、マーシャ」(ミレニアル世代)というわけではないのです。ブランドにとって必要なのは、Z世代の言葉で、また彼らのフィールドで、働きかけることです。つまり彼らに対し、信頼できて、彼らの価値観に訴えかける、宣伝じみていないマルチチャネル型のコンテンツを提供するのです。

Z世代の特徴をご紹介しましょう。Z世代の40%は、故障していないトイレよりもWi-Fi接続の方が重要であると考えています(おかしいですよね)。つまり彼らは常にインターネットに接続されている、積極的なコンテンツの消費者です。学校で学ぶのと同じように、YouTubeチャンネルからも知識を得ているかもしれないのです。実際、FullScreen Mediaの報告によれば、Z世代は、従来型メディアのほぼ6倍、ネット動画を視聴しています。

その他、Z世代についての特徴として、留意すべき点は次のとおりです。

ミレニアル世代 Z世代
デジタル時代の始まりに生まれたが、「昔ながらの」メディアとともに育った。 完全にオンラインで育ち、テレビやラジオよりもモバイルを好む。
金銭面で親に依存することが多い(大学卒業後も親元で暮らすなど)。 不況のさなかに成人し、親が経済的に苦しんでいるところを見ているため、より倹約志向。
協力して物事に取り組むことを好み、フィードバックを糧にして成長する。 起業家精神に溢れ、10代で働き始める場合も多い。
集中力の持続時間が短い。 集中力の持続時間がさらに短い。
「誰もが勝者になる」時代に育てられた。 「誰もが勝者」になる前の時代に徐々に戻っている。

以上を踏まえ、Z世代が求める全く新しいコンテンツマーケティングの手法を見てみましょう。

Z世代に、従来の広告は通用しない

Z世代をCMの間テレビの前に座らせ続けることはできないし、YouTubeのトゥルービュー広告で魅了することもできません。それよりも、プロモーションではない短編動画によるストーリーテリングが、支持を獲得できるのです。ブランドは、こうした動画をさまざまな環境に対応させることが必要です。MobileMarketer.comは、Z世代の消費者は5つのデバイスを求めていると言及しています。スマートフォン、コンピュータ、テレビ、タブレット、ウェアラブル機器です。

展開中のブランド・コンテンツ: コンバースは10代のZ世代をターゲットに、新学期の動画キャンペーンを打ち出しました。「First Day Feels」と命名され、Netflixの大ヒット・ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のミリー・ボビー・ブラウンを起用したものです。この女優が登場し、新学期初日の気持ちを表すGIF画像の数々を作成し、コンバースのウェブサイトやSNS、BuzzFeed、Teen Vogueで公開しました。Z世代の若者たちは、お気に入りのアプリを通じてGIFをシェアすることが大好きなので、これは賢い方法です。またコンバースファンは、より長尺のYouTube動画で、ブラウンのノーカット版の映像も視聴することもできました。

Z世代はダイバーシティとインクルージョンを大切にする

「Z世代を知る:重要な世代とミレニアル世代の違い」(Getting to Know Gen Z: How the Pivotal Generation is Different From Millennials)という調査によれば、10代の若者の60%は、人権、人種、また性的指向等の社会的テーマに関して、自分たちなりの信念を持つブランドを支持しています。

しかし、単にブランドの信念をSNSで投稿しておけば良いというわけではありません。Fuse Marketingの調査によれば、2つのブランドのどちらかを選ぶ場合、10代の若者の85%は、社会的テーマを支持しないブランドよりも、支持するブランドの方を選ぶ「可能性が高い」というだけです。

「Z世代は、自身と同じ価値観を持つブランドに関心を抱いているように思われます。単にモノを作るだけでなく、何かを表現しなければなりません。私たちはブランドとして、ありのままの自分でいる自由を支持し、それをお手伝いしたいと考えています」と、『Fast Company』誌の記事の中で、American Eagle社CMOのKyle Andrew氏は説明しています。

展開中のブランド・コンテンツ: ナイキはZ世代が支持するトップブランドでありナイキウーマンのインスタグラムアカウント(フォロワー数700万人超)には決まって、さまざまな背景や体型を持つ強い女性の写真が掲載されています。

こちらもZ世代に人気のブランドであるBen and Jerry’sのYouTubeチャンネルは、単なるおいしいフレーバーについての動画だけでなく、気候変動や投票権のような社会問題についての動画があふれています。

Snapchatは好んで利用されるプラットフォームである

Z世代はミレニアル世代よりも内向きで、人目に触れるコンテンツを投稿するアプリよりも、消える系チャットアプリを好む傾向にあります。最近の調査によれば、Z世代の半数以上が、1日に少なくとも11回、Snapchatを利用しています。また、Z世代の21%が、Snapchatが購買行動に影響していると述べており、これはミレニアル世代の2倍に上ります。Z世代もFacebookにアクセスするかもしれませんが、彼らはそれを、母親や父親世代のプラットフォームだと考えているのです。

展開中のブランド・コンテンツ: Taco Bellのtaco Snapchatフィルタは、Cinco de Mayo 2016の期間中に2億2,000万回強という記録的なビューを獲得しました。楽しさと賢さをうまく組み合わせれば、ブランドはZ世代のファンに写真をシェアしてもらうことができるのです。

taco-bell-filter-01-2016-adweek.png

Z世代はインフルエンサーを信頼する

これまでの世代と異なり、Z世代は有名人が務めるブランド代弁者やスーパーモデルよりも、オンラインの「リアルな」仲間に対し、より共感します。だからこそZ世代は、新しくてワクワクすることを発信するインフルエンサーに引き付けられるのです。Z世代ではない人はほとんど、インフルエンサーの名前を1人挙げるのにも苦労するでしょうが、ひとつの肩書きに収まることはほぼ無いので、無理もありません。インフルエンサーには、全SNSチャネルにわたり、芸能人に匹敵するフォロワーがいるのです。

展開中のブランド・コンテンツ: 今年初め、TargetがZ世代を対象にした衣類の新たな「アートクラス」コレクションの発売を決定したとき、同社はクッキー屋さんを経営する12歳のシェフ、8歳の天才サーファー、および10歳の大評判のダンサーに協力を依頼しました。全員合わせると、彼らにはソーシャルメディア上に1,000万人のフォロワーがいます

Target_Art Class.jpg

Sour Patch Kidsは、ティーンチョイスアワードに関連するクロスプラットフォームのソーシャルメディアキャンペーンのため、ベイビー・アリエルとして知られるMusical.lyのスター、16歳のアリエル・マーティン(ファン数1,950万人)を採用しました。そこには、ツイート、インスタグラムへの投稿、およびブランドのSnapchatアカウントの取得が含まれました(Musical.lyというのはリップシンクで歌っている自分の動画をシェアできるソーシャルネットワークです。Musical.lyには、現在2億1,500万人のユーザがいます)。

Z世代が影響力を発揮

調査対象となったZ世代の70%以上が、家具、家庭用品、および飲食物の購入に関する家庭内の決定に、自分が関わってると述べました。一部のブランドは、たとえZ世代がそのターゲット層ではなくても、Z世代の関心を引き付けるように努めることが、長期的に見れば実を結ぶことになると考えています。Z世代とのつながりを築くにふさわしいプラットフォームは、Z世代の95%が多くの時間を費やしていると言っているYouTubeです。

展開中のブランド・コンテンツ: ロイヤル・カリビアンは、ミレニアル世代向けのメディアAwesomenessTVと協力して、ロイヤル・カリビアンのクルーズで恋に落ちる10代の若者たちを描いた、「Royal Crush」というブランドビデオシリーズを制作しました。5シーズンを終えた時点で、このシリーズは7,500万回を超えるビューを記録しています。なぜロイヤル・カリビアンが、まだクルーズを予約するような年齢ではない10代の若者とつながりを持とうとしたのか不思議に思うようであれば、その答えは明快です。マーケティング調査により、10代の少女たちは、家族で過ごす休暇の選択に、多大な影響力を持っていることが明らかになったからです。

コンテンツマーケティングを利用してZ世代の関心を引き付けるためのヒント

Z世代の心をとらえたいと思っているコンテンツマーケターならば、上記のブランド戦略を手本にして、こうした将来有望な消費者の理解に努めてください。Z世代はミレニアル世代ほどの金銭的余裕はないかもしれませんが、購買力と周囲に及ぼす影響力とを併せて考えると、Z世代を無視することはできません。

手始めに、Z世代向けコンテンツマーケティングの攻略ポイントを挙げておきます。

  • インタラクティブなコンテンツを探究する。
  • インフルエンサーと手を組む。
  • 長文の記事よりも動画に重点を置く。
  • 常に信頼できる存在であり続ける。
  • 社会的テーマへの立場を明らかにする。
  • 何をする場合も、Z世代とミレニアル世代を一様に扱わない。

Dawn PapandreaはNewsCredへの寄稿者です。

元記事「Content Marketing to Gen Z」は2017年9月28日にInsights.newscred.comに公開された記事です。

 

この記事はNewsCred BlogのDawn Papandreaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。
また、日本におけるNewsCred パブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

SOLUTION

amana Content Marketing

amana Content Marketing

コンテンツマーケティングの本場であるアメリカで、業界を牽引するリーディングカンパニーであるIndustry Dive。国内唯一の独占パートナーであるアマナがその集合知を活用し、成果へと繋がるコンテンツマーケティングをサポートします。
企業が抱える課題に沿って、戦略策定からチーム構築、コンテンツ制作、効果測定まで、コンテンツマーケティングの運用をトータルで支援します。

KEYWORDキーワード

本サイトではユーザーの利便性向上のためCookieを使用してサービスを提供しています。詳しくはCookieポリシーをご覧ください。

閉じる