この記事は、ロンドンを拠点としたNewsCredのヨーロッパチームが作成しました。
ミレニアル世代を効果的にターゲティングするにはどうすればいいのか-これは世界の大手ブランドが直面している最大の課題の一つです。しかし、この問題は実際のターゲットであるミレニアル世代がまったく参加しない会議で議論されることがほとんどです。
詩人、YouTuber、宇宙飛行士の訓練生など、多様な肩書を持つミレニアル世代のHussain Manawer氏は、ブランドは大人だけが参加する会議で議論するのを止め、若いオーディエンスと直接対話をしてこの隔たりを乗り越えるべきだと語ります。
Manawer氏は、ロンドンで開催されたNewsCredの#ThinkContent Summitにおいて、好奇心旺盛なマーケティング担当者たちを前に、コンテンツを使ってミレニアル世代をエンゲージさせる最適な方法(そして、重要なことに、この世代との信頼関係を構築・獲得・維持する方法)について紹介しました。
Manawer氏は、ミレニアル世代のインフルエンサーが、チューインガムの味をレビューするような話題でも大量のフォロワーを獲得していることに触れ、「私たちは、史上最も大きな影響力を持つ世代です」と述べました。彼は会場に尋ねます。「みなさんは、どうやってこの世代をエンゲージさせていますか?」
#ThinkContent London 2016で講演するHussain Manawer氏
Manawer氏は、食べたいものを選ぶときと同じような感覚で、エンゲージするコンテンツを決めると言います。まずはメニューを見て、どんな食事をしたいのかを決め、実際にそれを消費して消化するのです。
Manawer氏によると、ミレニアル世代はすぐに入手でき、迅速かつ効率的に空腹を満たしてくれる「食べ物」を選びます。
しかし、その「料理」をリピートしてもらうには、「品質が高く」「信頼性が高く」さらには「彼らの役に立つ」料理でなければいけません。
つまり、ミレニアル世代に優れた体験を提供し、彼らが好きな食べ物のようなコンテンツを作れば、彼らはリピーターになってくれるでしょう。YouTube、Instagram、Twitter、Facebook、Snapchatがミレニアル世代向けメディアにとっての“主食”になっているのはそのためです。ミレニアル世代は、常に最新で最高のコンテンツを求めており、他の人が自分の投稿にどのような反応を見せるかを把握したいと思っています。
コンテンツマーケティング担当者は、これらの配信チャネル以外に、「#QualityControl(品質管理)」にも心を配らなくてはなりません。なぜなら、Manawer氏の言葉どおり、「質の低いコンテンツを公開することに対する言い訳は通用しない」からです。
では、ミレニアル世代が魅力的に感じるコンテンツとはどのようなものでしょうか?
Manawer氏のYouTubeチャンネルでは、アメリカのコメディアンKevin Hartとのコラボレーションや、母校訪問時の様子を愉快なスケッチとともに振り返る動画が掲載されており、何十万人もの若者が彼とつながっています。
しかし、動画で成功しているにもかかわらず、彼は動画に対して「いつでも処分できるもの」と説明しています。
もともと社会運動家であるManawer氏は、メンタルヘルス問題における先鋭的な活動家です。彼の動画の中には、強烈なメッセージが含まれているのに、再生回数が伸び悩んだコンテンツもありました。たとえば、ロンドンのオックスフォード・ストリートで彼自身が目隠しをして、不安神経症やうつ病にかかったことがある人がいたらハグをしてほしいと求めた社会実験系の動画です。
ほかにも、Manawer氏はギリシャの難民キャンプで一晩を過ごす動画を公開しています。
オックスフォード・ストリート動画の再生回数は5,926回、難民キャンプ動画の再生回数はわずか598回で、他の動画と比較すると芳しくない数字でした。
それでも、オックスフォード・ストリートの動画はManawer氏にとって自慢できるコンテンツです。
「これまでに公開した動画のうち、もっとも話題に上るのはオックスフォード・ストリートの動画です」とManawer氏は言います。「なぜなら、人々は意義のあるものに気を向けるからです」。
Manawer氏によると、ミレニアル世代は重要で影響力の大きい問題について気に掛けていますが、マーケティング担当者は、インスピレーションや影響力を与えるような人々と一緒に、魅力的かつ楽しい方法で、そうした問題を伝える必要があります。
この質問に対するManawer氏の答えは一貫しています。直接、彼らに聞けばいいのです。
つまり、市場調査を行って要点を絞り、実際に若者が集う場所に足を運んで、彼らがコンテンツに求めていることを聞き出すことです。
ミレニアル世代をターゲットにする際、ブランドは彼らがきちんと議論に参加しているかどうかを評価しなくてはなりません。
「若者がプロセスに関与していないのなら、彼らとどうやってつながるというのでしょう?」とManawer氏は問いかけます。
Manawer氏は、ソーシャルメディアの中でもSnapchatが勢いを増していると述べていました。
彼は、Snapchatはブランドがメッセージを発信する上で重要なチャネルになっているが、非常に多くのブランドがSnapchatを間違った方法で使用していると注意します。
Manawer氏が明かしてくれた、ブランドに向けたSnapchatのベストプラクティスは以下のとおりです。
昨年、大成功した事例は、音楽界でもっとも権威のあるイベントの舞台裏をオーディエンスに紹介したグラミー賞のSnapchatです。これによって、人々はお気に入りのアーティストを間近に感じ、特別な夜の一員になったように感じました。
その他の事例としてManawer氏が挙げたのは、フードデリバリーサービスのGrubHubです。同社は、Snapchatでサマーインターンを募集し、何百人もの応募者を集めました。これは、ターゲットオーディエンスが集まっている場所に直接赴いたブランドの好例です。
「ミレニアル世代を過小評価してはいけません。彼らは、人間として対話してほしいだけです」。
これは、会場の熱気が最高潮に達したManawer氏のアドバイスの一つです。
彼の言葉どおり、「ミレニアル世代だって馬鹿ではありません。自分たちが売り込みのターゲットになっていることくらいわかっています」。
若者が集まる場所に足を運んで直接対話する以外の方法として、若者を自社のオフィスに招待する方法もあります。そうすることで、彼らのインサイトや意見を評価できるだけでなく、ミレニアル世代を念頭に置いてコンテンツ戦略を構築することができます。
企業は、地元の学校と連携してメンタリングを提供したり、自社の従業員に大学で無料講義を行わせたりするなど、社会的責任に関する取り組みを行うと、ミレニアル世代のオーディエンスと効果的につながることができます。
重要なこととして、若者が本当に求めていることを理解できず、彼らに疎外感を与えてしまうと、ブランドは失敗に終わってしまうとManawer氏は語気を強めていました。
彼らがそのように感じないようにするためにはどうすればいいのでしょうか?
答えは一つ。彼らを巻き込むことです。
ミレニアル世代にリーチしたいブランドに送るManawer氏からのメッセージ:
Cloe Fernandez Barnesは、NewsCredロンドンオフィスの編集ストラテジストです。
元記事「How to Use Content to Engage Millennials – According to a Millennial」は2017年4月3日にInsights.newscred.comに掲載されました。
この記事はNewsCred BlogのCloe Fernandez Barnesが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。
また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。
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