コンテンツマーケティングで大切な10のこと: “ベストコンテンツマーケティングブランド50選”から学ぶ

ベストコンテンツマーケティングブランド50選”を公開したことは、最高のコンテンツマーケターを賞賛するだけではなく、2018年のコンテンツマーケティング状況を深く確認する機会を得たということでもありました。

トップ50, を選ぶために、グローバルで展開する大企業からスタートアップ企業まで、私たちは何百というブランドを3つの観点から評価しました。コンテンツハブを持ち、高品質なコンテンツを作り出しているいること。革新的で、コンテンツに基づいた独自性を発揮していること。そして、自身のビジネスに、計測可能で、有益な影響を与えていること、の3つです。

選考プロセスを通して、たくさんの称賛すべき点を発見しました。かたや、多くのコンテンツマーケターがその点を学ぶ機会が少ないことも。以下には、私たちが見出したポイントを並べました。

戦略に始まり、収益化に終わる

トップ50の評価を、コンテンツマーケティングの成功に結びつく3つの主要要因にもとづいて行いました。効果的なコンテンツマーケティングは、企業の重要なゴール、例えば、売上やブランドアウェアネスを上げることと結びついた戦略から始まります。戦略が策定されると、コンテンツマーケティング担当者は、オーディエンスがアクションを起こすまで、コンテンツを利用し続けます。

私たちは、ほとんどのブランドが、これらすべてのステップを踏むことなく、一部だけを行っている現実を知りました。あるブランドでは、単発のキャンペーンの、素晴らしい動画やランディングページに私たちは引き寄せられましたが、継続的なコンテンツマーケティング活動は行われていませんでした。他のケースでは、頻繁に更新されるコンテンツハブは存在しているものの、商品ページへのアクセスやニュースレター登録など、読者に行動を促すためのコール・トゥ・アクションがありませんでした。またあるブランドは、未だもっぱら広告頼りで、プロモーションコンテンツのみを制作していました。

それでも、私たちは励まされました。コンテンツマーケティングには着手したばかり。本格的なコンテンツマーケティング施策を展開するには数カ月、あるいは数年かかります。コンテンツマーケティングを成熟させる過程でたくさんの施策を見てきたからこそ、断言できるのです。私たちは一年後にこれらのブランドがどのようになっているのかを今から楽しみにしています。

顧客を第一に考える

マーケターはこれまで以上に顧客に注力しています。デロイトの2017年CMO調査によると、CMOはマーケティング組織を顧客体験にフォーカスして再編しています。それは当然です。今日の顧客は無限のチャンネルを指先だけで素早く利用できます。ワンクリックで最適な商品や情報に辿り着くことができる顧客は、セールストークや、無関係なコンテンツに、わざわざ関心を払いはしないのです。

コンテンツマーケティングは、実践的には、顧客が探したくなるような、魅力的なコンテンツを制作するよう努力しています。しかし優れたコンテンツマーケターは、オーディエンスのニーズに向けたコンテンツを最初から生みだしているのです。

昨年、瞑想アプリで知られるHeadspaceは、瞑想に不慣れな初心者がしばしば抱く問題に対処するため、ビデオやイラストを用い、会話調で構成された“How to Meditate”をローンチしました。Headspaceは、従業員自らが瞑想の実践を試みた体験話を配信するポッドキャスト“packcasts”も提供しています。二つのコンテンツ戦略は、瞑想の不安を減らし、より実践しやすいものにすることで、Headspaceがいかに利用者のサポートを行っているかを示しています。それはもちろん、長い目でみればHeadspaceに利益をもたらすのです。

価値と共に導く

おそらく、現在の政治情勢が影響しているのかもしれません。あるいは、意見を口にすることに躊躇しないミレニアル世代とZ世代―― 彼らは他の人も意見を口にすることを期待している ―― の台頭によるのかも。いずれにしても、今や、大多数の人々が、各ブランドが社会的および政治的にも明確な立場を表明することを求めています

社会や政治情勢に恐れず立場を貫くブランドは、成功に結びついています。Ben & Jerry’s は、Black Lives Matter(黒人差別を批判するスローガン)や移民権などの社会問題提起と合わせて、新しいアイスクリームフレーバーのコンテンツをプッシュすることで、売上が増加しています。Patagoniaは、ドナルド・トランプが2つナショナルモニュメントへの資金提供を中止したときに、ソーシャルメディアで発した「大統領はあなた達の土地を盗んだ」というメッセージが非常に拡散したように、環境問題を語ることでブランドのロイヤルサポーターを集めた上に、さらに新たにサポーターを生みだしました。

ビッグロック”で成功を導く

“ビッグロックコンテンツ”とは上手く名付けたものです。“ビッグロック”とはオーディエンスが無視することのできない非常にインパクトのある主要コンテンツです。“ビッグロックコンテンツ”には、かなりの時間と先行投資が必要です。それは数カ月(あるいは数年)を要するかもしれません。しかしそれは、大きな利益をもたらします。

ナイキの施策“Breaking2”を見てみましょう。スポーツブランドに相応しく、ナイキは野心的なコンセプトを思いつきました。それは、世界最高のマラソンランナーが2時間の壁を破る挑戦を手助けすること。ナイキは計画に2年間を費やしました。この挑戦のライブストリーミングは、Twitter、YouTube、Facebookを通じて1,310万人を超える人々が視聴する成果を上げました。

ただ、“ビッグロックコンテンツ”が、このような長大なものというわけではありません。ホワイトペーパー、e-Book、その他のインタラクティブコンテンツも、“ビッグロックコンテンツ”なのです。KLM’s interactive, annual, where-to-fly pieceを見て下さい。このサイトは、平均5分以上のエンゲージメントタイムとKLMの予約サイトへの参照サイト中での平均以上の送客を実現しています。

リスクを取り、新しいフォーマットを試す

私たちが評価したすべてのブランドの中で、Visit Seattleが、おそらくは、最も意欲的な試みをしています。彼らは数十億ドルもの収益を上げる「フォーチュン500」の企業ではありません。それでも、ビデオコンテンツのマーケティングに徹底的に取り組み、シアトルの精神と多様性を訴求する多数のドキュメンタリースタイルのビデオを制作しました。その活動と努力は、シアトル版 “The Amazing Race(米国のテレビ番組)” から、地元のミュージシャンとレストランシェフを取り上げ、音楽シーンや独創的な料理の出現に迫ったシリーズ“Turning Tables”にまで及びました。

Visit Seattleは、YouTubeで視聴回数2,200万回以上を稼ぎ、25歳から44歳までの視聴者を獲得しています。

パーソナライズ戦略を計画する

パーソナライゼーションは、すべてのマーケティング担当者にとって意識すべき最重要事項です。AmazonNetflix、およびSpotifyは、何が可能なのかを示しており、オーディエンスは、これらのサイトの状態を、当たり前のものと捉えています。つまり、それ以外の私たちは、追いつくべきことがたくさんあるのです。

適切な人物に適切なコンテンツを適切なタイミングで提供することは、コンテンツマーケティングの究極の姿です。トップ50の多くはすでに戦略を立て始めています。

「私たちは、自らの裁量で、オーディエンスが見ているコンテンツを厳密にコントロールする、より緻密なデータを倍増させています」とDigidayのGlossier最高技術責任者、ブライアン・マホニー氏(Bryan Mahoney)は言います。「これは機械学習のようなものへの扉を開きます。つまり、私たちはパターンを確認することができ、さらに、データのチェックを通じて、新たなユーザを得るために、パターンの周辺のコンテンツを変えることができます。

他の部門でのコンテンツの役割を考える

コンテンツマーケティングはセールスやブランドアウェアネスの向上に効果的です。ではなぜマーケティング以外の分野にも応用できないのでしょうか?

それは非常に効果的です。他のビジネス目標を達成するためにコンテンツを活用し、うまく利益効果をもたらしている企業を見るのは刺激的です。Bloombergは、多様な従業員を魅了し、雇用を維持し、排他的にならない文化を育むためにコンテンツマーケティングを利用しています。アディダスのコンテンツ・ハブ“GamePlan A”は、「アスリートの心で仕事に取り組む」をコンセプトに、社内外の人々を刺激するために存在しています。

私たちは来年、このような応用事例をさらに多く見ることができるのを楽しみにしています。

Bloomberg D&I content marketing.png

Bloomberg’s Diversity & Inclusion blog

食品、旅行、自動車の分野でコンテンツマーケティングの機会を獲得する

食品、旅行、自動車業界の状態には、驚かされました。これらの業界からは、コンテンツマーケティングの傑出した事例に圧倒されることを期待しましたが、ごくわずかの事例しか得られなかったのです。これは驚くべきことです。食品、旅行、自動車は、視覚的であり、大衆に愛されており、かつユーザの感情に訴えることができるものなので、コンテンツマーケティングにとって最も重要なのですから。

多くの食品や自動車ブランドはコンテンツ・ハブを持っていません。コンテンツ・ハブが存在する場合、ブランドは、流通チャネル上では、販促キャンペーンを好み、コンテンツをほとんど推進していません。ほとんどのホテルや航空会社はブログを持っていますが、その多くは、ポテンシャルを引き出せていません。旅行関連の企業は、強力なコンテンツ内容をもっているにもかかわらず、配信のエコシステム全体でコンテンツを推進していません。

ユーザー生成コンテンツ(UGC)は、しばしば機会損失につながっています。人々は、楽しんだ食事の写真、素晴らしい休暇中の写真、あるいは購入した新しい車の写真を共有することが大好きです。これらの業界には、マーケティング目標をさらに高めるために、ファンの愛着(および彼らのコンテンツ作成スキル)を向上させる巨大なチャンスがあります。

収益化に向かう

NewsCred Top 50に選ばれるためには、ブランドはコンテンツマーケティング活動からビジネス成果を生み出さなければなりませんでした。私たちは大変興味深くそのような好事例を見ていました。

靴のeテイラーZapposは最近、女性スニーカーファン向けのコンテンツ・ハブThe Onesを立ち上げました。フィーチャーしたスニーカーを購入する導線がコンテンツに組み込まれています。またThe Onesには、コンテンツ・ハブに掲載した写真とカスタムアートをフィーチャーした購入機能を持ったInstagramフィードも持っています。

イギリスに本社を置くB2B金融テクノロジー企業Sageは、コールセンターから得られたナレッジを外部に発信するためのコンテンツ・ハブとしてSage Adviceを立ち上げました。四半期だけで、このハブによって145,000以上のリードを獲得しました。

結果を常に計測し、共有する

もしあなたのコンテンツマーケティングプログラムが驚くべき成果を上げているとしても、組織内に測定した数値を正確に伝えて共有しない限り、何も変わりません。成果をきちんと伝え共有することが、社内の協力者を獲得し、将来のマーケティング予算を確保する唯一の方法です。

USAAのコンテンツマーケティングチームは、ポッドキャストを立ち上げる際にこれを経験しました。パイロット版を配信する機会が与えられ、最終的には成功を収めました。USAAのポッドキャスト“Money Drill”は、費用をかけず、少ない配信回数で月間24,000回以上再生されました。その結果、コンテンツチームは大きな勝利を収めました。

「これは、施策としてコンテンツマーケティングを行うという、USAAの従来存在していなかった、新しい試みとなりました」とUSAAのリード・マーケティング・マネージャー/コンテンツ・ストラテジー・リードのモリー・ウォーカー氏(Mollie Walker)は述べています。「これから時間をかけて、コンテンツマーケティン施策を拡大させていくことによって、認知のために購入していたメディア出稿のコストが節約されてゆくことが示されることを期待しています。私たちは、認知と購入という二つのステージの間で、ストーリーを語ることを通して、ステージ間のギャップを埋めているのです」

Heather EngはNewsCredのエグゼクティブエディター、Marie DiDominicaは NewsCredのシニアマネージャーでカスタマーとフィールドマーケティングを担当しています。

元記事「10 Content Marketing Learnings from the NewsCred Top 50」は2018年2月8日にInsights.newscred.comに掲載されたものです。

この記事はNewsCred BlogのHeather EngとMarie DiDominicaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

また、日本におけるNewsCred パブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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