【事例あり】ブランドストーリーとは?顧客の心を掴むポイントを解説

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ブランドのストーリーテリングは、商品やサービス以上の価値を伝え、消費者と感情的に深いつながりを構築するための強力な手法です。特に、商品機能の差別化が難しくなりコモディティ化が進む今の市場において、ブランドが持つ独自の歴史やストーリーが消費者の購買行動を左右する場面が増えてきているようです。

ストーリーテリングは海外で確立されたブランディング手法ですが、日本ではまだ十分に活用されていないのが現状です。

今回は、日本企業におけるブランドストーリーの重要性を解説するとともに、優れたストーリーを設計するポイントや活用手法、ストーリーテリングで成功を収めたグローバルブランドの事例を紹介します。

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ブランドストーリーとは

ブランドのストーリーテリングとは、製品、サービス、価値観などを、最古のコミュニケーション形式のひとつである「物語」に落とし込み、顧客に伝える手法です。これにより、顧客は商品そのものよりも、背景にあるブランドの信念や姿勢に共感し、購買行動を起こすようになります。またブランド側にとっても、長期的なブランドロイヤリティを築くことができるようになります。

ハーバード・ビジネス・レビューの研究によると、人間の脳はストーリーに自然と反応し、信頼を促すホルモンである「オキシトシン」を放出することがわかっています。スタンフォード大学経営大学院のジェニファー・アーカー博士も「ストーリーはファクトよりも約22倍記憶に残りやすい」と指摘し、各方面で人間の記憶力や感情への訴求効果を強調しています。

ブランドストーリーの重要性

欧米では、企業が自らの存在意義(Purpose)や社会的メッセージを発信することが、ひとつの責任と捉えられています。しかし、日本ではこうした取り組みは欧米ほど広く浸透しているとは言えません。

ここでは、ブランドストーリーの重要性を解説します。

消費行動の変化に対応するため

消費者が商品を選ぶ基準として、機能や価格だけでなく、企業やブランドへの「共感」や「信頼」が重視される傾向が強まっています。ブランドストーリーは他社との差別化につながり、商品選択の決め手にもなり得ます。
実際に、ブランドストーリーが購買行動に大きな影響を与えることを示す調査データもあります。

・55%の消費者は気に入ったブランドストーリーがあると将来その商品を購入する可能性が高く、44%がブランドストーリーを共有し、15%がすぐに製品を購入する(Headstream
・消費者は毎日約5,000件の広告やメッセージに触れるが、そのうち意識するのは約 86 件で、記憶に残るのは12件のみ(The Drum
・81%の消費者が商品購入時に「信頼できるブランド」であることを重要視している(EDELMAN

膨大な情報が行き交う現代においては、記憶に残るストーリーこそがブランド価値を高め、消費者に選ばれる大きな要因となります。

顧客ロイヤルティ向上につながるため

ブランドストーリーを通じて一貫したメッセージを発信することで、消費者の感情に訴えかけることができます。
感情に響く物語はブランドへの愛着を育み、「自分の価値観に寄り添ってくれる存在」として受け止められるようになります。
こうした共感は信頼へとつながり、やがて長期的な関係性が築かれ、リピーターの獲得も期待できるでしょう。

SNSを通じたプロモーション効果を期待できるため

SNSの爆発的な普及により、FacebookやX、Instagramなどを通して、ブランドストーリーを活用したコンテンツが瞬時に市場へ拡散されるようになりました。
特に、共感を呼ぶストーリーは「いいね」「シェア」「リポスト」が拡散されやすく、ブランドの認知度や好感度を高めます。こうしたSNSでの共感は、自然発生的なプロモーション効果を生み出し、ブランドイメージの向上に大きく貢献します。
実際に、SNS上でブランドストーリーを積極的に活用する企業も増えており、ストーリーテリングはデジタル時代におけるブランディング戦略の中核を担う要素となっています。

ブランドストーリーの代表的なタイプ

ブランドストーリーにはいくつかのタイプが存在し、企業の目的やターゲットオーディエンスに応じて適したものを選ぶことでより効果を発揮します。以下に、ブランディングにおける代表的なストーリーテリングのタイプを紹介します。

・創業ストーリー:企業やブランドの創業にまつわるストーリーは、その歴史・背景や創業者のビジョンを伝えるのに効果的です。構成のしやすさという意味でも、ブランディングにストーリーテリングをはじめて採用する際に取り入れやすいテーマといえるでしょう。

・ミッション・ビジョンのストーリー:企業やブランドが目指す社会的なミッションやビジョンを打ち出します。自分たちが何者で、なぜ取り組むのかなどの価値観を伝えることで、顧客に共感と信頼を生み出します。

・顧客体験に基づくストーリー:実際の顧客がどのようにブランドや商品・サービスを体験したのかをストーリーに落とし込むことで、消費者がより自分ごととして捉えやすくなります。ブランドは、獲得できる可能性のある潜在顧客にリーチしやすくなるでしょう。

・社会的意義を重視したストーリー:社会問題や倫理的な価値観に触れるストーリーです。近年はSDGsやジェンダーにまつわる価値観を重視してブランドストーリーを構築している企業やブランドが増えてきています。社会貢献につながるかどうかに重きを置く消費者を呼び込むのに効果的です。

優れたブランドストーリーを作るポイント

ブランドストーリーの構築には、明確な正解があるわけではありません。ブランドの背景や価値観、社会との関わり方によって、ストーリーの形は大きく異なります。そこで本章では、ブランドストーリーを設計する際に参考となる視点や要素を紹介します。

なお、自社ならではのブランドストーリーの作り方や、ブランディング全体に関するご相談がある場合は、ぜひアマナまでお問い合わせください。

自社ブランドの存在意義を明確化する 

ブランドストーリーの構築には「ブランドの存在意義」の明確化が重要です。

・このブランドや企業は何のために存在しているのか?
・ブランドがどのように世界に貢献できるか?
・ブランドのミッションや価値とは?
・何が起業のモチベーションだったのか?

このような問いに向き合って明確にすることで、ブランドが「なぜ存在するのか」「何を目指しているのか」を深く掘り下げられ、物語の核が見えてきます。

自社サービスの価値を整理する

自社の製品やサービスがどのような課題を解決し、消費者にどのような感情をもたらすのかを理解することで、説得力のあるストーリーが構築できます。
「製品やサービスはどのような悩みを解決するか?」「消費者をどんな気分にさせるか?」「他社製品との違いは何か?」といった視点から整理すると、自社の製品・サービスならではの価値が明確になります。

ターゲットを深く理解する

どれほど魅力的なストーリーであっても、ターゲットの理解が不十分なままでは共感を得られません。そのため、「誰に向けて語るのか」を定義しておくことも、優れたブランドストーリーを作るポイントのひとつです。
ターゲットユーザーの視点に立ち、興味や関心、悩みに寄り添うことで、ニーズや価値観に一致するブランドストーリーを見出しやすくなります。

簡潔かつ一貫性のあるメッセージを作成する

ブランドの核となるメッセージは、簡潔で直感的に伝わることが重要です。
ストーリーが複雑すぎると、伝えたいメッセージが曖昧になり、消費者の印象に残りにくくなってしまいます。
特に現代は、情報過多の時代であり、消費者は日々膨大な量の情報に接しています。そのため、複雑なメッセージよりも、短時間で理解できるメッセージに対して敏感に反応する傾向があります。内容はできるだけ簡潔にまとめることを意識しましょう。
加えて、すべてのマーケティングチャネルやコミュニケーションにおいて、一貫性を保つことも重要なポイントです。チャネルごとにトーンやメッセージが異なると、受け手に混乱を与え、ブランドの信頼性を損なうおそれがあります。
オンライン・オフラインを問わず、どの接点でも軸のブレないメッセージを発信することで、消費者との長期的な関係構築につながります。

感情に訴えかけ、共感を生むストーリーラインをつくる

感情に訴えかけるストーリーラインを設計する上で重要なのが、ブランドの価値を象徴する存在(ヒーロー)です。ヒーローは、ブランド自体でも、製品やサービスの革新性や、ブランドが掲げる社会的使命でも構いません。あるいは、顧客自身の体験や特定の商品・サービスを中心に据えるのも良いでしょう。
一例として、顧客体験を軸にストーリーを設計する場合は、「顧客がどのようにブランドと出会い、どのような体験をし、どのような価値を感じたのか」といった視点を織り込むと効果的です。
製品・サービスを通じて生活がどう変わったのか、ブランドとの関わりがどのような感情を生んだのかなど、リアルな顧客体験を物語にすることで、読者は「自分ごと」として捉えやすくなります。
このように、顧客が物語に自身を重ねられる構成にすることで、喜びや安心、希望、エンパワーメントといったポジティブな感情を引き出し、ブランドへの共感と信頼が生まれます。

ブランドストーリーの活用手法

企業と消費者の接点となるさまざまなチャネルを通じてブランドストーリーを広く共有することで、共感や信頼が生まれ、ブランドの認知やロイヤルティの向上につながります。
ここでは、ブランドストーリーを効果的に活用・発信していくための手法を紹介します。

自社サイトでの発信

ブランドストーリーを効果的に伝える手段のひとつが、自社サイトでの発信です。
企業理念や沿革、製品紹介ページにブランドストーリーを掲載し、ブランドの背景や想いを織り込むことで、顧客の理解を深められます。
ブランドの魅力を伝えるWEBサイト制作は、アマナのWEBサイト構築サービスにご相談ください。

SNSでの展開

SNS上の短い動画や画像、テキストなどを通じて、ブランドストーリーのエピソードを発信することでユーザーの関心を引きつけ、共感や拡散を促進できます。
また、ビジュアル重視のInstagramでは世界観を強調した投稿、Xでは共感を呼ぶ短文、Facebookではストーリー性のある長文コンテンツなど、各プラットフォームの特性を踏まえた表現方法で発信することで、より多くの顧客にリーチできます。
SNSを活用したプロモーションは、アマナのSNSなどのプロモーションサービスにご相談ください。

イベント・セミナーでの体験提供

展示会やセミナー、ワークショップなどで、顧客にブランドストーリーを直接体験してもらうことで、記憶に残る印象を与えられます。視覚や聴覚、触覚など五感に訴える演出を取り入れることで、ブランドへの理解と共感が深まり、顧客との関係をより強固なものにできます。
体験を届けるイベントの企画・運営は、アマナのイベント企画・運営サービスにご相談ください。

動画コンテンツでの訴求

創業者のインタビューや製品開発の舞台裏を映像化することで、文章では伝えきれないブランドの魅力を視覚的に訴求できます。視覚と聴覚の両方に訴える動画は、ブランドの想いや価値観を直感的に理解してもらいやすく、ユーザーの共感や信頼を深める上でも有効です。
自社サイトやSNS、YouTubeなど多様なチャネルで活用できる点も、大きなメリットです。
心に響く動画コンテンツの制作は、アマナの動画コンテンツ制作サービスにご相談ください。

メールマーケティングでの活用

ブランドストーリーは、メールマーケティングでも効果的に活用できます。
顧客データをもとに、ペルソナに合わせたメッセージを発信することで、より高いエンゲージメントを生み出せます。顧客の購買履歴や関心に応じてパーソナライズされたメッセージを届けることで、「自分に向けられた情報」として受け取られやすくなり、ブランドへの関心や信頼が高まるでしょう。
コンテンツマーケティングを活用した施策は、アマナのコンテンツマーケティングサービスにご相談ください。

インナーブランディングへの展開

外部への発信だけでなく、社内報や研修資料、オリエンテーションなど、社内向けの発信にもブランドストーリーを活用しましょう。
この取り組みによってブランドの価値観が組織文化として根付き、社員の意識統一やモチベーションの向上にもつながります。
インナーブランディングの強化は、アマナのブランディングサービスにご相談ください。

採用活動での活用

採用サイトや会社説明会でブランドストーリーを伝えることで、企業の理念や働く意義を候補者に伝えやすくなり、自社の魅力付けにもつながります。また、共感を得た人材とのマッチング精度が高まることで、採用力の強化にも貢献します。
採用活動でのプレゼンテーションサポートは、アマナのプレゼンテーションサポートサービスにご相談ください。

巧みなストーリーテリングで顧客の心を掴むブランド事例10選

ここでは、ストーリーテリングで顧客の心を掴む、ブランドの事例を10選紹介します。それぞれのブランドがどのようなストーリーを設計し、発信し、ビジネス成果へとつなげているのかみていきましょう。

Apple:シンプルさと革新性を軸にしたストーリーテリング

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Appleは、「革新性」「シンプルさ」「優れたデザイン」で強固なブランドを築いている、言わばブランドストーリーテリングの達人です。同社の広告も、エモーショナルな訴求が毎度注目されています。

例えば、1997年の広告キャンペーンのスローガン「Think different」は、創業者のスティーブ・ジョブズが当時社内でより強化されるべきだと考えていた哲学を反映させたものです。現在のAppleを支えていると言っても過言ではないこの言葉は、顧客に対しても、自社製品やサービスを通じて発信されています。あらゆる顧客接点においてストーリーテリングを巧みに使いこなし、自社製品が単なるデバイスではなく、どのように人々の生活にイノベーションを起こし、創造性を掻き立てているかということを一貫して強調してきました。

Appleのシンプルかつエレガントなデザインや感情的なつながりを重視するストーリーテリングは、揺るぎないブランドとしての地位を築く決定的な要因となっています。

Volvo:顧客体験中心のストーリーテリングで安全性を訴求

出典:Volvo

「安全性」というキーワードは、自動車メーカーのVolvoの代名詞とも言える言葉です。同社は、安全性に対するブランドの長年のこだわりをブランドストーリーの中心に据え、消費者に対して「家族を守る最も安全な選択肢」というメッセージを伝えています。

例えば、同社のYoutubeで公開されている「A Million More」は、Volvoが1959年に導入した3点式シートベルトにまつわる動画で、この製品によって命が助かった生存者へのインタビューを掲載しています。導入当初は批判の声が多かったという同社のシートベルトがこれまでに100万人以上の命を救い、今や車に欠かせない機能となりました。その長い歴史を伝えるストーリーは約2分という短尺ながらも人々の胸を打ち、2024年10月現在で1380万以上の再生回数を記録しています。

ユーザーの体験談や、事故から家族を守った事例を通じてVolvoが提供する「安全」を明確に打ち出すストーリーテリングは、顧客の共感を生み、信頼性を高めることにつながっているのです。

Dove:女性の「美しさ」の本質を捉え直し、多様性や自己肯定感を讃える

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出典:Dove

パーソナルケア製品のグローバルブランドであるDoveは、2004年の「Real Beauty(リアルビューティー)」キャンペーンで、美の基準を覆し、あらゆる女性の本来の美しさを祝福するメッセージを打ち出しました。従来の広告に登場するスーパーモデルではなく一般の女性たちを起用し、年齢、体型、肌の色に関係なく「本物の美しさ」を称賛することで、消費者の自己肯定感や多様性という価値観に訴えかけたのです。

このキャンペーンは単発のプロモーションにとどまらず、社会的なメッセージを強調することで、結果としてDoveを「美しさの基準を問い直すブランド」として際立たせることとなりました。特に、現代の消費者が各ブランドに期待する「社会的意義」を比較的早いタイミングで強く打ち出したことも功を奏し、感情的なつながりを永続的に築くことに成功しています。

スニッカーズ:「お腹がすくと、君じゃなくなる」。普遍的な経験をユーモラスに描く

出典:Snickers UK

チョコレートバーブランドのスニッカーズが2010年に展開した「お腹がすくと、君じゃなくなる(You’re Not You When You’re Hungry)」キャンペーンは、ユーモアを交えたストーリーテリングの成功例です。このキャッチーなスローガンは現在のスニッカーズの代名詞でもあり、同社のブランディングに欠かせない要素となっていることは言うまでもありません。

キャンペーンでは空腹が引き起こすネガティブな行動をコミカルに描きつつ、スニッカーズを食べることでその問題が解決するというシンプルな構成でメッセージを伝えています。かつてのTVCMでは、俳優のベティ・ホワイトがアメフトをしている最中にだんだんと荒くれ者になる様をユーモラスに描いたものや、ローワン・アトキンソンが彼の代名詞とも言える名キャラクターの「Mr. ビーン」を再演して話題になり、従来のブランドイメージを覆すことに成功しました。

同社のストーリーテリングは、消費者の誰もが共感できる普遍的な経験に基づいています。遊び心あふれるユーモラスな展開で自らに起こりうる課題を想起させ、ブランドへの親しみを感じさせています。同時に、商品の解決策としての明確な役割を強調しています。

Patagonia:環境保護と持続可能性へのコミットメントを強調

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アメリカ発祥のアウトドアブランドとして知られるPatagoniaは創業以来、地球環境の保護や持続可能性の実践に積極的に取り組む姿勢をブランドストーリーのコアに据えてきました。2018年からは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というミッション・ステートメントを掲げ、環境保護に対するより一層強いコミットメントを打ち出しています。

Patagoniaのストーリーテリングで特徴的なのは、顧客に対して「同社の製品を買うことで、環境保護に貢献している」と強く意識づけ、行動を促している点にあります。不要な製品の買い取りプログラム「WORN WEAR」や製品の修理、サステナブル素材の使用の推進を強調することで、単にアウトドアウェアを購入する以上の社会貢献を顧客に体験させ、ブランドロイヤルティを高めています。

公式サイトのトップページに掲載されている創業者のイヴォン・シュイナードのメッセージからも、Patagoniaの社会的責任に対する揺るぎない信念が垣間見えます。企業としての利益を過度に追求しないという姿勢もまた、持続可能な社会の発展とモラルビジネスの実践を重視する消費者の熱狂的な共感を呼び、強固なブランドイメージを構築しているのです。

 Airbnb:世界中のユーザー体験がブランドストーリーを強固に

出典:Airbnb

民泊事業のパイオニアとして知られるAirbnbは、宿泊施設の提供という事業を超えて「旅を通じて世界中の人々とつながることができるプラットフォーム」を提供しています。地元のホストとの触れ合いや、旅行先でのユニークな体験をストーリーとして伝えることで、「世界をより居心地よく、誰もがどこにも所属できる開かれた場所にする」というビジョンを明確に打ち出しているのです。

Airbnbのブランド力をより強固にしたのは、ユーザー作成コンテンツ(UGC)を活用した「体験」を軸にしたストーリーテリングです。ホストもゲストも、既存ユーザーはAirbnbのサービス利用に対する熱量が非常に高く、自身の経験を自発的にシェアしていました。そこで、同社のあらゆるプラットフォーム上でも、彼らのストーリーを定期的に発信しています。

ユーザー体験に基づいた熱狂的なストーリーの共有が、Airbnbのコミュニティの強化とブランドアイデンティティ形成を加速させました。またたく間にグローバルブランドとして成長した同社はいまも、企業や顧客という概念を超えてブランドストーリーを伝え、彼らのビジョンを世界中に広げ続けています。

LEGO:創造力と家族のつながりをストーリーで紡ぐ

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デンマークの老舗玩具ブランドのLEGOは、その歴史や文化的背景から高いブランド力を誇り、今なお世界中で愛され続けています。同社がストーリーテリングにおいて一貫しているのは、子どもたちの創造力と想像力を引き出し、無限の可能性に満ちた世界を作ることを強調している点にあります。

LEGOブロックを「自由な世界を構築できるプラットフォーム」として提供し、子どもたちの学習と発達に不可欠である「遊び」の面から、創造性や探究心を育めるように設計されています。LEGOブロックで小さな町から空想の世界まで、想像できるあらゆるものをつくることで、子どもたちが遊びを通じて自分だけのストーリーを生み出すことができるという魅力を伝え続けます。

こうした同社の考えは世代を超えて、子どもたちだけでなく大人にも共感を与えるメッセージとなっています。同社は他者とLEGOを楽しむ時間を「一緒に創り上げる楽しさ」と捉え、親子の絆や友達との共有体験も与えているのです。

LEGOのブランドストーリーは、体験を通じて消費者とブランドの感情的なつながりを生み出しています。遊びの喜びや、1 つずつ夢の世界を組み立てていくカラフルなブロックの魅力は、後世にわたって幅広い世代に語りつがれていくでしょう。

ビースタイルホールディングス:リブランディングで理念体系を再整理

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アマナは、IPO(Initial Public Offering=新規公開株式)を控えたビースタイルホールディングスの併走パートナーとして、企業理念の再定義からブランドストーリー、キャッチコピー、ブランドロゴの開発といったアウトプットまで、一貫して支援しました。

こうしたリブランディングの結果、社内で共有できる言語や価値観が明確になり、採用活動や組織内の一体感にも好影響を与えています。

>>詳しいご支援内容はこち

アサヒグループジャパン:新商品「LIKE MILK」ブランドで世界観を演出

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アサヒグループジャパンの新商品「LIKE MILK」のブランド開発において、アマナはPoC(Proof of Concept=概念実証)を重ねながら、ブランドの世界観の可視化から携わりました。キービジュアル、ロゴ、パッケージデザインといった多岐にわたる制作を手がけ、製品ブランドサイトの制作も担当。

さらに、日常での活用シーンや料理レシピの提案を通じて、商品価値の伝達にも貢献しています。

>>詳しいご支援内容はこちら

ファンケル:amana Creative Campによるブランド力向上

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ファンケルは2024年にブランド推進プロジェクトを立ち上げ、新たなスタンスメッセージを発表しました。全社的なブランド力向上を目的に、アマナの「amana Creative Camp」を導入し、27名の社員が参加しました。

プログラムを通じて「ファンケルらしさ」の言語化・ビジュアル化に取り組んだ結果、社内で共通認識が醸成され、新たなブランドの方向性を見出す契機となりました。今後はその成果をもとに、社内ガイドラインやチェック体制の整備が進められる予定です。

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魅力的なストーリーテリングでブランド価値を高めよう

これらの企業に共通するのは、製品そのものではなく、顧客がそのブランドを通じて得られる「体験」や「感情」に重きを置いている点です。消費者は商品そのもの以上に、その背後にある物語や価値観に共感し、長期的な信頼関係を築くことを期待しています

さらに、ブランドストーリーは、顧客との関係構築だけでなく、社員の意識統一や採用活動、営業活動など、あらゆる場面で活用できます。自社ならではのストーリーをいかに設計し、どのように伝えるか————その答えを見つけるために、私たちアマナがトータルでサポートします。

>>ブランディング設計・クリエイティブ制作のご相談はこちら 
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