ビジュアルは情報発信に欠かせない要素。でもその選び方によっては、受け手に届かず、一方的な発信になる場合も。“伝わる”ビジュアルを選ぶポイントは、ストーリー性の有無だと言います。より多くの人に伝わるビジュアル選びのポイントとは?
「伝える」ビジュアルとは、情報発信する側の都合だけで一方的に投げかけられるビジュアルのこと。見る人には記号やスローガンと同じように受け流されるだけで、何かが生れることはありません。
それに対して、見る人の気持ちを動かし、その行動を変えるのが、「伝わる」ビジュアルです。1枚の写真や動画によってモチベーションが喚起され、見た人に具体的なアクションを起こさせるーー 聞き手の共感を呼ぶと言ってもよいかもしれませんね。「伝わる」ビジュアルにはそんな力があります。
コンテンツマーケティングはもちろん、企業の広報・PRでも、やはり記号的に受け流されるものより、感情や気持ちにダイレクトに訴えるビジュアルの方が高い効果が期待できます。
では、具体的に「伝わる」ビジュアルを選ぶためにはどうすればいいのでしょうか? 効果的な方法のひとつが、ビジュアルのキーワードに注目し、「シソーラス」を活用することです。
シソーラスとは、「言葉」を意味や関係性によって分類したものです。もともとはギリシャ語の「Thesauros」(=宝物庫)が語源とされ、日本では「類語辞典」や「辞書」と訳されることもあります。
例えば、「教育」というキーワードの場合、「学ぶ」、「文献」、「トレーニング」、「稽古」、「教授」といった単語がシソーラス上の類語になります。ストックフォトサイトで「伝わる」ビジュアルを探す場合、キーワード単体ではなく、こうした類語を加えて検索してみるのが効果的です。
実際に試していただくと分かりますが、アマナイメージズのWebサイトでも、「教育」だけで検索した場合と、「教育 文献」、「教育 トレーニング 稽古」で検索した場合では、それぞれ検索結果がかなり違ってきます。シソーラスによってキーワードの可能性が広がり、より多様な「伝わる」ビジュアルの選択肢が見えてくるんですね。
もちろんこれはストックフォトの検索に限った話ではありません。ゼロからビジュアルを制作する場合も、ビジュアルのキーワードを設定し、シソーラスによって類語を書き出していくと、思ってもみなかったコンセプトや、意外な切り口を発見できるでしょう。
「伝わる」ビジュアルを選ぶうえでもうひとつ欠かせないのが、ビジュアルの「ストーリー」を意識することです。
ここに2枚の画像があります。どちらも夏の定番イメージの「ひまわり」ですが、いかがでしょう?
上の記号的な「ひまわり」の画像に対して、下にある2枚の画像の方が抒情的なイメージもあり、ひまわりそのものや撮影場所などに対する興味も自然と湧いてくるのではないでしょうか?
続いてこちらはどうでしょう?
左よりも右の画像の方がより強く印象に残ると思います。人によっては父との絆を感じたり、その前後のストーリーまでも浮かんでくるかもしれませんね。
もちろん、どの画像が100%正解という訳ではないのですが、モノや人を被写体としたシンプルな写真でも、やはりストーリー性を備えたビジュアルの方が感情に訴える力があります。「伝わる」ということが直感的にお分かりいただけるのではないでしょうか?
シソーラスによって探し方を工夫するとともに、「ストーリー」を意識することによって、ビジュアルはより「伝わる」ものになります。今回ご紹介した内容をご参考に、Webサイトや広報・PRのビジュアル訴求に役立ててみてください。