【調査結果】新型コロナウイルス(COVID-19)が与えるマーケティングチームへの影響

Jesussanz

新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延により、マーケターは戦略を転換し、ニューノーマル(新常態)への舵取りを余儀なくされています。2020年4月、Sirkin ResearchはNewsCredから委託を受け、新型コロナウイルスが世界中のマーケティングチームに及ぼす影響を把握すべく、企業レベルの組織に所属するマーケティングリーダーを対象に調査を実施しました。

調査内容は以下、6つのトピックです。

  • リモートワークをしているマーケティング要員の割合
  • 新型コロナウイルス感染拡大の結果としてマーケターが直面する新たな課題
  • プランニングおよびプロジェクト管理ツールを使用している企業と当該ツールを使用していない企業との比較
  • マーケティングチームがリモートワークをするにあたり直面する新たな課題
  • マーケティング投資において予測される増加
  • マーケティング投資において予測される減少

インサイト#1: マーケティング要員全員がリモートワークをしている企業は87%、90%以上がリモートワークをしている企業は11%

企業が従業員を保護し、ウイルス蔓延の緩和に熱心に取り組んでいることから、マーケティングチームがマーケティングキャンペーンの立案、コラボレーションおよび実施のためにオフィス通勤を事実上停止しています。急遽リモートワークに移行したことで生じた影響は、優先順位の変更と併せて、マーケティングにおける多くの新たな課題をもたらしましたが、これについては別のパラグラフで詳説します。

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インサイト#2: マーケターは、新型コロナウイルス蔓延を受けて、優先順位、計画、予算を移行しようと奮闘している

パンデミック危機により計画が急速に変更と進化するにつれて、マーケティングチームに多くの新たな課題が生じるようになりました。調査対象者の56は、優先順位や戦略の変更を管理することが最大の課題であると回答しています。パンデミックが原因で直面した別の大きな課題は流動的な計画の可視性を提供することです。調査対象者の48が、この項目について課題または重大な課題だと指摘していました。

42は優先順位を変更した結果、マーケティングチームに新しいコンテンツをすばやく制作できる対応力が欠けていたと回答し、さらに40%以上予算と人的リソースの再調整に問題が生じたと回答していました

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インサイト#3: プランニングおよびプロジェクト管理ツールを使用している企業は、使用していない企業より新型コロナウイルスの影響によって直面する課題がより少ない

また、リサーチアナリスト企業によってマーケティングワークマネジメント(MWM: Marketing Resource Management)、マーケティングリソースマネジメント(MRM: Marketing Resource Management)、およびコンテンツマーケティングプラットフォーム(CMP: Content Marketing Platform)など、企業レベルでのコラボレーションやプランニングを実施するツールに関しての調査を行い、ツールを使用している企業としていない企業を比較しました。ちなみに、調査対象企業の3分の132%)未満が上記のツールを導入しているようです。

データによると、企業レベルのプランニングおよびプロジェクト管理ツールが、COVID-19に起因して発生するマーケティング組織への影響を軽減するのに役立つと示唆されています。実際に、当該ツールを使用している企業のうち、人的リソースを新しいイニシアチブに再編成することが課題または重要な課題であると回答する可能性が29%低くなりました。同様に、流動的な計画に関して可視性を提供することが課題または重大な課題であると回答する可能性も28%低く、ベンダーおよびその他の非正規社員の管理を注目すべき問題として指摘する可能性は23%低くなっています。

当該ツールの利点は、優先順位の変更やリモートワークによるマーケティングチームの管理に関連するため、それほど顕著に現れていませんでした。ツールを使用している企業でさえ、優先順位の急な変更や、リモートワークへの移行に対する免疫はなかったため、突然のパンデミックがおもな原因である可能性があります。実際に、当該ツールを使用している企業のうち、優先順位の変更リモートワークによるマーケティングチームの管理を課題または重要な課題であると指摘する可能性があるのはわずか8でした。

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インサイト#4: リモートワークは、マーケティングチームに「業務に付随する仕事」を増加させるという新たな課題を表面化させた

パンデミックの最中、優先順位の変更以外にマーケティングチームが直面している最大の課題は、大部分が想定外のリモートワークへの移行に起因するものです。調査対象企業の49が、チームの優先順位と目標の変更を対処すべき主要な課題であると回答していました。しかしながら、直面している課題は優先順位や目標の変更だけではありません。仕事に付随する仕事が増加しているのです。調査対象企業の33必要なミーティングが増加していると回答し、28%は日常的なタスクとステータス更新の増加を注視すべき課題であると回答しました。

興味深いことに、リアルタイムで効果的にコラボレーションする能力を注視すべき課題であると回答したのは22%だけでした。おそらく、これはパンデミック後の主要な指標となるでしょう。

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インサイト#5: 優先順位の変更は投資の増加に結び付く

優先順位と計画の変更とともに、マーケティングチームは予算の推移も想定しています。

パンデミックによりイベントやカンファレンスが中止になることで(インサイト#6を参照)、マーケティングリーダーの78仮想イベントの作成が増加または大幅に増加されると予測し、さらに72ウェブコンテンツに顕著な増加が見込まれると回答しています。マーケターの67は、ウェビナーの増加または大幅な増加を予測し、ソーシャルメディアが66ブログコンテンツが57%動画制作が50%増加すると予測しています。パンデミックが継続する中で、オンラインメディアは頼れる選択肢になりつつあるようです。

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インサイト#6: ライブイベントとカンファレンスへの投資は大幅に減少している

マーケティングにおいてはデジタル分野への投資増加が見込まれるため、その他の分野は投資が減少すると予想されます。当然のことかもしれませんが、マーケティングリーダーの88が、本調査でライブイベントやカンファレンスの減少または大幅な減少が予想されると回答していました。

投資の減少が見込まれるその他の分野には、ダイレクトメールとデジタル広告が含まれ、それぞれ34%と27の減少率が見込まれています。また、マーケティングリーダーはプレミアムコンテンツに関する投資が19%減少すると予測していますが、これはおそらく、リードジェネレーション活動の低迷がおもな原因だと考えられます。

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新型コロナウイルスが与えるマーケティングへの影響に関する結論

本調査で得られたインサイトから説得力のあるストーリーを伝えましょう。新型コロナウイルスはマーケティングにおける優先順位を急速に変化させ、予算をシフトさせています。このパンデミックの間、マーケティングはかつてないほど困難な状況に直面し、マーケターは実行計画を修正し、新しいキャンペーンを実行し、新しいコンテンツを構築するために必要な対応力とリソースを探すことに奮闘しています。そのうえ、リモートワークの作業と相まって、ミーティングやステータスの更新が増えるなど、「業務に付随する作業」が増加傾向にあるため、マーケティングチームの生産性が低下している可能性があります。

しかしながら、「必要は発明の母」であり、マーケターは強靭な集団です。マーケティングチームは、オンラインツールを使用してリアルタイムで効果的にコラボレーションすることを学びながら、リモートワークに順応しつつあるようです。そして、実行計画を大幅に変更し、リソースと予算を再調整するための措置を講じています。

データによると、マーケティング作業管理(MWM)、マーケティングリソース管理(MRM)、およびコンテンツマーケティングプラットフォーム(CMP)などの管理ツールを早期に導入していた企業の方が、導入していない企業と比較して新型コロナウイルスに起因する課題に直面する程度が低いことが示唆されています。これらのツールは、社内従業員と非正規従業員および代理店を含むマーケティング要員の全員に可視性と管理制御機能を提供し、優先順位変更に伴うプランニング、予算編成、および管理を支援するように設計されているため、当然の結果であると言えるでしょう。

本調査について

本調査は、大多数が10億ドル以上の収益を収めている大企業レベルの組織のマーケティングリーダーを対象に実施されたものです。調査に参加いただいた100社以上の企業のほとんどは、北米、EMEA地域、およびAPAC地域に拠点を有する国際企業です。本調査では、テクノロジーおよび製造、金融サービス、ヘルスケア、保険等、幅広い業界を対象にしています。

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プランニングおよびプロジェクト管理ツールを使用している企業を特定するために使用されたデータは、調査参加者から直接入手したものではなく、ZoomInfoの技術によるインサイトから得たものです。

NewsCredについて

NewsCredは、チームを統合し、協働作業を強化させることにより、マーケティングの可能性を解き放ちます。NewsCredのマーケティング作業管理ソフトウェアは、マーケティングの複雑さに特化したもので、マーケティング組織全体がキャンペーンとコンテンツを共同で計画、制作、管理できるようにすることにより、キャンペーン実行とコンテンツ制作に伴う作業を促進します。Twitter、Fidelity、Cisco、USAAなどにご利用いただいているNewsCredは、業界をリードするコンテンツマーケティングサービスも提供しており、ブランドが大規模で高性能なコンテンツを配信する支援を行っています。

2008年に設立されたNewsCredは、何百もの世界最高のマーケティング組織と提携して、前例のない制御性と可視化を提供し、運用効率の向上、優れたコンテンツの作成、そしてマーケティング成果の向上を実現しています。

詳細は、www.newscred.comをご覧ください。

Sirkin Researchについて

Sirkin Researchは、一次調査の実施と豊富なデータに基づくインサイトの提供に焦点を当て、ビジネスにおける意思決定をより良い方向へと導きます。米国ペンシルバニア州フィラデルフィアを拠点とするSirkin Researchは、世界最大規模のグローバルなテクノロジーと、金融ブランド各社向けにサービスを提供した15年以上に及ぶ経験を有します。同社の業務は、コペンハーゲンからロンドン、ニューヨークを含む全世界にわたります。 Sirkin Researchは、Arras Consultingに属するブランドです。

詳細はwww.arrasconsulting.comをご覧ください。

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元記事「The Impact of Coronavirus (COVID-19) on Marketing Teams 」は2020年4月15日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事は、NewsCred Blog の NewsCredが執筆し、NewsCred のパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは legal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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