適切なタイミングで適切なコンテンツを配信する方法

この記事は、ロンドンを拠点としたNewsCredのヨーロッパチームが作成しました。

Andrew Warner氏によると、ビジネス機能としてのマーケティングは生まれ変わりつつあるといいます。

求人検索プラットフォームMonsterのCMO(最高マーケティング責任者)だったWarner氏は、NewsCredのThinkContent Londonで「マーケティングは、大規模な評価基準で長期的なブランドエクイティを推進する場所から、中核的な事業目標から切り離され、従来握っていた多くの分野へのコントロールを失っている」と主張しました。

「マーケティングは、これまで以上に重要な役割を果たすようになっています。組織内部だけでなく、ブランドが唯一世界を見据える部分であり、組織と世界を結び付けるものです」とWarner氏は言います。「理解すべきは、より優れた事業成果を実現するためにマーケティングチームがオーケストラの指揮者のように振る舞う方法です。一番重要なのはそこで得た事業成果です」。

Warner氏は、クリック率をただ増加させるようなコンテンツマーケティング戦略には興味がありません。むしろ、彼が知りたいのは、売上を伸ばすためにコンテンツを活用し、事業に変化を起こす方法です。

「私たちは、測定することが重要だと捉えてしまいがちですが、短期的かつもっとも変動の大きい評価基準に重点を置くべきではありません」と彼は述べます。

「私はCMOとして、ソートリーダーシップ、事業のために方向性を変えていく方法、そして事業目標の達成を長期的に支援する方法について知りたいのです。長期的な成長を底上げしたいならば、ブランドエクイティを推進しましょう。つまり、シェア、いいね、リーチといった短期的な目標ではなく、ブランドの認知度に関する目標へと焦点を移すべきです」。

 

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ThinkContent Londonで講演する、Monsterの元最高マーケティング責任者、Andrew Warner氏

コンテキスト(文脈)の時代

資源が枯渇して多くの多国籍企業が才能格差に直面し、縮小状態にある経済において、Warner氏は消費者の注目を集めるための戦いを「蠅の王」スタイルのシナリオ(無政府状態のような狂気をはらんだ争い)として説明しています。彼は、競争が激しい市場で生き残るためには、コンテンツの見方を変えて、組織をサイロ化することなく、コンテキストと関連性にさらなる重点を置くべきだと語っています。

「競争相手の多い市場で生き抜くブランドを形作るのは、大規模なテレビ広告や60秒のスポット広告・プレス広告ではなく、コンテンツです」と彼は話します。

「しかし、誰かが見てくれるだろうという淡い期待だけで公開されるコンテンツが多すぎます。事業成果を推進するためには、適切なコンテンツを適切なタイミングで適切な人々に届ける方法を見つけ出してください」。

Warner氏は、優れたコンテンツを、「あなたが最近、お気に入りの製品を購入していないことに気付き、その製品や他の製品を提供しようとしてくれる近所の店主」と例えました。

「やり取りの中で、あなたはパーソナライゼーション、関連性、コンテキストを感じるはずです。私たちは現在のテクノロジーによって、そういった人間のインタラクションを拡張することができるのです」。

 

データドリブンな考え方

データは、ストーリーテリングの説得力や関連性を保証し、制作するコンテンツの種類を左右する重要な要素です。Monsterは、差別化を図るために独自のデータをマイニングし、カスタマージャーニーにマッピングして、応募者のライフサイクルに紐づくコンテンツを構築するシグナルを認識しています。

「私が『Monsterは本当にコンテンツマーケティングが得意で、コンテンツマーケティングが大好きだ』と言っても、誰も関心を持たないでしょう。しかし、『2年間かけてコンテンツマーケティングに変更を加えたことで、コンテンツに帰属する収益が22%増加し、就職した人数は4,300万人も増加した』と言えば、はるかに説得力が高く興味深いストーリーになります」とWarner氏は述べます。

Monsterは、求職者が転職するたびに会話を一からやり直すというサイクルではなく、コンテンツを通じて求職者と長期的な関係を築くことを目指しています。そうするために、面接のヒントを始めとする就職活動支援コンテンツを提供し、出社初日には親切なアドバイザーとしての役割を務め、入社後はユーザーの昇進をサポートしています。その間に、効果があったこととなかったことに関するデータとフィードバックを収集しているため、公開するコンテンツを改善し続けることができるのです。

「私たちは、いいねの獲得だけでなく、より高い利益と優れた事業を推進するために、カスタマージャーニーをコンテンツにマッピングしています。それはつまり、タッチポイントを理解し、適切なコンテンツを適切なタイミングで適切な人に届けるということです」とWarner氏は言います。

社内のジャーナリストは、真の共感を呼ぶストーリーを生み出すために、データとインタラクションをする編集の「魔法」をかけています。彼らは、興味がない人々にブランドメッセージを押し付けるのではなく、これまでに学んだインサイトを考慮して作成しています。

「データはただの情報ではありますが、より優れた情報を入手することでより的確な決定を下すことができます」と彼は話します。「私たちは、短期間のキーワード消費ではなく、ブランドと長期的な関係を構築する、より共感的で魅力的かつ人間味にあふれた体験を生み出すために、情報をどのように利用すべきか考えなくてはなりません。コンテンツを使用して競合他社よりもスマートな方法で人々により深い共感をもたらすことができれば、勝ち抜く可能性が一段と高まるでしょう」。

Warner氏は、Monsterのコンテンツマーケティング戦略における次のステップは、エンゲージメントと規模のバランスを取ることだと語ります。これを実現するためにMonsterが着目しているのがチャットボットです。

「採用プロセスで最も憂慮すべきことのひとつは、インタラクションがないこと、つまりエントリーした企業から何も聞けないことです。私たちが今できることは、求職者が仕事に応募したら、彼らのスキルを精査している間にいくつかの質問に答えてもらったり、ゲームをプレーしてもらったりするエンジンを開発することです。これは求職者にとって魅力的なコンテンツですし、求職者にスコアを付けることで当社もより興味を引くコンテンツが提供できるようになります。そうすれば、採用担当者にも応募者の情報をより多く提供することができるのです」とWarner氏は述べます。

「テクノロジーによって、私たちは人間同士ではできないような方法でも大規模に実施することができるようになりました。そのおかげで、求職者の適性を見極めるうえで、正しい回答をいち早く獲得することができます。私たちは、このような学習をすべて取り入れることで、その人が与える影響を増幅させているのです」。

 

重要なポイント:

  • コンテンツマーケティング目標を業績に結び付けましょう。プログラムが会社の最優先事項と一致していることを確認し、正しいKPIを測定して実証しましょう。
  • 成功するためには、関連性の高いコンテンツが必要不可欠です。コンテンツをカスタマージャーニーにマッピングすることから始めましょう。結果を把握して最適化するためにデータを使用しましょう。
  • 共感を呼びましょう。現在のデジタル世界では、人と人とのつながりがこれまで以上に重要になっています。コンテンツを通じて人の共感を呼ぶように努めてください。そうすれば、顧客や支持者を長期的な形で獲得することができるでしょう。

Andrew Warner氏の全講演を視聴したい方は、こちらをクリックしてください。

 

Louise LangeはNewsCredロンドンオフィスのコンテンツディレクターです。

 

元記事「How to Deliver the Right Content at the Right Time」は2018年1月24日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのLouise Langeが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

 

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