ベンチマークがコンテンツマーケティングの成長を妨げる!?

oneinchpunch

自分自身を他人と比較することで、自分がどれだけうまくいっているかを評価するのは人間の性です。この本能は、幼い頃から始まっています。「妹はどのおもちゃで遊んでいるんだろう?  私のおもちゃよりも面白そうかしら? しまった、妹のおもちゃを窓から落としちゃった … でも、これでおもちゃを持っているのは私だけ。私のおもちゃが一番面白いわ」といった具合に。

この相対的で競争的な行動は、モチベーションを維持して最大限の力を発揮するよう促しますが、それと同時にコンテンツマーケティングを大きく制限する可能性も持っています。

多くのベンチマークはリンゴとオレンジを比較している

顧客は、コンテンツマーケティングプログラムを進めていく中で、必ずと言っていいほど業界のベンチマークを要求します。ベースラインの数値を設定して継時的な成長と改善を示すことは重要ですが、似たようなものを販売しているからといって、プログラムの評価基準を他のブランドと比較しても役に立ちません。それは、競合する製品を提供していても、両社のコンテンツマーケティング目標がまったく異なる場合があるからです。たとえば、LululemonとLorna Janeという一見似ている2つのブランドについて見てみましょう。これらの旧イギリス連邦国に拠点を置く両社(Lululemonはカナダ、Lorna Janeはオーストラリア)は、ヨガ愛好者向けのアクティブウェアを販売しています。

 

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Lululemonは、ショッピングページにInspirationと呼ばれるタブを設置しています。このセクションは、(あなたの予想どおり)読者に旅行、運動、健康的な食事を促すコンテンツをハイライトしています。Lululemonの戦略はかなりインフルエンサーベースであり、大きく美しい画像が特徴の長文コンテンツがたくさん掲載されています。こちらの記事のように、一部の記事にはショッピングバーが組み込まれているので、読者はインスピレーションを受けたら、アクティブなライフスタイルを追求するために必要なアイテムを直接購入することができます。

しかしここには、Eメールニュースレターにサインアップするオプションはありません。コンテンツマーケティングプログラムを成功させるためには、購入につながる平均滞在時間​の長さとコンバージョン率の高さに目を向けてください。

 

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一方、Lorna Janeはmovenourishbelieveという別ドメインのコンテンツハブを持っており、健康的な食事とエクササイズに焦点を当てたコンテンツを提供しています。

彼らの戦略は画像がベースになっていて、目に入りやすいソーシャルシェアリングボタンが特徴です。ここでは気軽に楽しめる短めの教育的コンテンツを活用しています。コンテンツ経由でLorna Janeのショッピングにナビゲートする方法もありますが、彼らはコミュニティの構築に焦点を当てているようです。そのため、ソーシャルシェアリング、Eメールのサインアップ、コンテンツへのコメントを促す多くのコールトゥアクションが設置されています。この記事は、テキストがほとんどないにもかかわらず、多くの読者から前向きなインタラクションを生み出しました。興奮したファンが「全部美味しそう! 中東ズッキーニロール、抗不安ボウル、クリーミーキャロットバーチャー(冷製オートミール)、アボカドトーストを試してみたいかも!♡」とコメントしています(私もこの「抗不安ボウル」を食べてみたいです)。ソーシャルシェア数、ソーシャルフォロワー数、そしてEメールのサインアップ数が増加し、健康への効果が高いのはココナッツオイルとアボカドオイルのどちらかという活発な議論が巻き起これば、このプログラムは成功と言えそうです。

Lorna JaneとLululemonはどちらもヨガパンツを販売していますが、このように両者のコンテンツマーケティングプログラムの目的は大きく異なっています。他企業の恣意的な評価基準にもとづいて自社の測定を行うことは、成功を妨げることにもなるのです。

ベンチマークは成長を妨げてしまうことがある

ベンチマークは他企業が何をしているかを理解するのに役立ちますが、私たちは大抵、ベンチマークを担当している同僚を過大評価して、彼らがすべてを把握していると思い込んでしまいます。コンテンツマーケティングを効果的に測定するという考えは比較的新しいため、業界のベンチマークと比較して自社の目標を低く設定する場合があるかもしれません。

頭の良い学生が、レポートで80点を取って落胆していました。しかし、クラスメイトに結果を聞いて回った結果、他の人は全員60点だったことを知ってしまいます。その話を聞くと、80点という点数が非常に素晴らしいものに思えてきます。その夜、彼はレポートの手直しをするのではなく、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」を夜通し視聴することを選びました。

しかし、彼は100点を取ったわけではありません。他の学生のベンチマークを知ってしまった彼は、自分の結果に満足して100点を二度と目指さなくなるかもしれません。彼が、イリノイ州ホーキンスで起こったサスペンス(ストレンジャー・シングス)を視聴する代わりに最善の努力を尽くしてレポートを手直ししていたら、成績はAだったかもしれないのに。

Jeff Bezos氏が述べたように、「自社が顧客に注力している間に競合他社の目を自社に向けさせておけば、最終的にはうまくいきます」。ベンチマークを避けるべき理由ひとつは、あなたの考え方とポテンシャルを制限してしまうということなのです。

多くの無意味なベンチマーク評価基準

コンテンツが特定の分野でうまく機能しているかどうかを教えてくれるのは、どの評価基準でしょうか?

Googleアナリティクスの主要評価基準を思い起こしますが、これらによって、実際にオーディエンスが自社のコンテンツと、どの程度インタラクションしているかを把握できるでしょうか? たとえば、ページビュー、別名「クリック数」を例に取ってみましょう。この基準は、自社と他社を比較することはもちろん、社内で使用するには最も正確さに欠ける評価基準です。あなたの記事をクリックする人の数は、コンテンツの魅力とは関係ありません。この評価基準に関係があるのは、見出しと画像のクリックのしやすさと、コンテンツの配信方法だけです。

似たような別の(より正確な)質問が、「トラフィックに費やした金額をCPC(クリック単価)で割った値はどれくらいだろう?」です。競合他社と自社を測定するときに、この評価基準が教えてくれることは、配信予算の大きさと取得トラフィックの安さだけです。ページビューを生み出すのは簡単なことですが、コンテンツの成功を教えてくれるのは、ユーザーがクリックした後にあなたのページで何をしているのかということだけです。

「平均滞在時間」は、別の一般的なベンチマーク評価基準を導き出します。

平均滞在時間は、読者があなたのコンテンツに費やしている時間を判断するうえで重要です。ただし、Googleアナリティクスでクリック後のエンゲージメントを測定している場合、この評価基準が少し誤解を招く恐れがあります。Googleが平均滞在時間を記録するのは、直帰しなかった読者だけだからです。直帰とは、ページを離れる前に何の行動も取らなかったことを意味します。そのため、誰かが素晴らしい記事に2分を費やしたとしても、その後に他のページを訪れなかった場合は、滞在時間にカウントされません。直帰率はコンテンツを考慮して設計されたものではないため、直帰率が高い場合、ページ上の読者の行動に関する多くのインサイトを見逃してしまう可能性があります(NewsCredアナリティクスならば、マウスの動きとスクロールでエンゲージメントを測定し、ユーザーが次の行動を取らなかったとしても、すべてのユーザーのエンゲージメントをキャプチャすることができます。ダウンロードはこちらから)。

それでは、訪問別ページビューはどうでしょう? これは移動したページがすべてカウントされるため、直帰率の問題が解決されます。しかし、あなたのサイトは読者がページからページに移動しやすいように設計されているでしょうか? 誰もが夢見る、雑誌のようにパラパラと見られるコンテンツを効果的に作り出すためには、クリックごとに魅力的なコンテンツとパーソナライズされたコンテンツをナビゲートできるサイトにしなくてはなりません。

私たちは、これらすべての評価基準の欠点を指摘できます。これらはすべて、アナリティクス、適切なUXとページデザイン、適切に設計・最適化された配信計画、そしてもちろん優れたコンテンツが適切に構成されていることを前提にしているからです。この項目をすべてカバーしていると主張できるブランドは、ほぼ存在しないため、これらの数字を割り引いて考えなくてはなりません。

そのため、私たちの数字を「ベンチマーク」と比較しても、私たちのコンテンツマーケティングプログラムがどの程度うまく機能しているかは実際にはわからないのです。

それよりも、最適化すべき社内ベースラインを確立した方が、プログラムをさらに進歩させることができるでしょう。

 

Esti FrischlingはNewsCredのカスタマーサクセス担当シニアパートナーです。

 

元記事「Why Benchmarking May Limit Your Content Marketing Efforts」は2016年9月9日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのEsti Frischlingが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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